みんなで選挙に行って国民本位の政治へ転換しよう
2026年1月23日
日本国家公務員労働組合連合会
書記長 笠松 鉄兵
高市内閣は本日午後に招集された通常国会の冒頭に衆議院を解散し、その後の閣議で1月27日公示、2月8日投開票とする衆議院議員総選挙(以下、総選挙)の日程を決定した。
高市首相は1月19日の記者会見で衆議院の冒頭解散の決断に至った理由を述べ、総選挙では主に、①自らが内閣総理大臣であることの是非、②自民・維新による新連立枠組みについての是非、③積極財政への転換など新たな経済政策の是非の3点について国民に信を問うとした。しかし、高市首相は「なぜ今なのか」「大義は何なのか」との疑問に正面から答えていない。勝敗ラインも与党で過半数に設定するなど、解散の必然性が感じられず、大義なき解散と言わざるを得ない。憲法無視、解散権濫用の暴挙は権力・選挙の私物化に他ならない。
通常国会冒頭での解散は、高市首相自身の政治資金や自民党議員の「政治とカネ」問題、旧統一協会との癒着、「台湾有事」発言に端を発した日中関係の悪化、国際秩序を破壊する米トランプ政権への追従姿勢などに対する追及を恐れ、内閣支持率が高いうちに選挙戦を乗り切って、あとは国民の信を得たと、なりふり構わず国民犠牲の政治を推しすすめていくとの党利党略の思惑が透けて見える。
いま必要なのは、物価高に苦しむ国民の生活を改善する施策を一刻も早く前にすすめることであり、政治空白を生む解散ではない。朝日新聞が1月17・18日で実施した世論調査でもこの時期の解散・総選挙に「反対」が半数を占め、「賛成」を大きく上回っている。高市首相は「経済運営に空白を作らない、万全の体制を整えた上での解散だ」と強弁しているが、2026年度予算案の年度内成立は困難であり、暫定予算を編成しての対応が求められる。ただでさえ、年度末を迎え繁忙極まる職場にさらなる負担を強いるもので、国民が必要とする公務・公共サービスが滞ることも懸念される。
一方、「責任ある積極財政」への経済・財政政策の大転換のほか、安保三文書の前倒し改定など安全保障政策の抜本強化、スパイ防止法制定をはじめとするインテリジェンス機能の強化、憲法改正など、国論を二分するような大胆な政策の是非を問うとしている。このような重大な判断を国民に求めるのであれば、まずは国会での議論を十二分に尽くし、それぞれの政策の影響と懸念を明らかにすべきである。しかし、国会での論戦は避け、前述の記者会見でもまともな説明もない。今回の総選挙は解散から投開票日までの期間が戦後最短の16日間であり、選挙戦で論戦できる時間も十分ではない。このように国民の判断機会を保障せず、参政権を侵害しかねない姿勢も極めて問題である。
風雲急を告げるなか、野党の離合集散が激しくなっているように、不意を突く今回の解散は、国民を惑わせて選択を困難とさせる不公正な側面がある。それに惑わされないことが重要であり、そのためには、各政党・候補者の政策を自らの要求に照らして精査するとともに、過去の立ち振る舞いも重要な判断要素とする必要がある。とくに憲法9条をはじめとする改憲に対する姿勢は、重要な指標となる。それは、選挙結果によっては、改憲勢力による政界再編なども想定されるからである。
また憲法は、国家公務員の有り様、働き方の根幹をなすものであり、そのため、憲法第99条で「すべての公務員は憲法尊重・擁護の義務を負う」とされている。憲法の行方如何によっては「全体の奉仕者」たる国家公務員を「一部の奉仕者」へ変質させられてしまう危険性も否定できない。さらに、選挙の帰趨は、公務・公共サービスの有り様に大きく影響するとともに、勤務条件法定主義のもとで処遇にも直結することから、総選挙は公務員労働者にとって極めて重要な意義を持つ。
国公労連は、今回の総選挙で国民本位の政治へ転換することをめざし、憲法をくらしと行財政・司法にいかすために奮闘する決意である。
国民のいのちやくらし、権利をまもるため、公務・公共サービスの拡充とそれを担保する体制の確保、生活改善できるすべての労働者の大幅賃上げ・底上げなどの要求実現を求める。そのため、改憲阻止、社会保障や労働法制改悪阻止などの一致した要求で幅広い市民との連帯を広げ、新たな枠組みでの市民と野党との共同のとりくみをともにすすめていく。
そしてすべての組合員に呼びかける。政治的無関心に陥るのではなく、職場での「対話と学びあい」をすすめるなど、憲法で保障された政治活動へ積極的に参加しよう。自らの生活と権利や要求に照らした選択を行い、選挙に行って国民本位の政治への転換を実現しよう。
以 上
