なぜ組合?を本音トーク
次世代の担い手をどう育てるか
「なぜ自分が組合運動の担い手になったのか」本音で話し合い、公務・民間の枠を超えて相互理解を深めることを目的に、国公青年フォーラムはレバカレで分科会を開催しました。官民問わず75人の労働者が集い、会場から溢れるほどの人数に運営も手探りで進める状態でしたが、確かな手応えを感じたとりくみでした。
意見交換の中では「ただ組合に入っているだけという青年もいる。組合がどういった活動をしているか伝えていくことが重要」「職場の愚痴を話すことが楽しくて役員をしている。つながりを作ることが運動の原動力になると若手にも知ってほしい」などの意見が共有されました。
参加者からは「ここまで多くの参加者が集まったのは、おそらくどの労働組合も次世代を担う若手の活動家不足が深刻な状況を打開する手段を求めて集まってきたのだろう」「組合の種類などの違いはあれど、行き詰まっている内容は、組合員数の減少や世代交代、組合活動の在り方など、同じものを抱いているのだと体感した」「環境が整わないから出来ないのではなく、今の環境でもやり方を変えれば色々な方法が見つかることを学んだ」といった感想が寄せられました。
こうした経験交流の場を継続し、運動に関わるきっかけを語ることを通じて担い手を増やしていくことが求められています。国公青年フォーラムは今後も運動の担い手を増やすためのとりくみを続けます。



大阪国公主催レバカレ分科会
笑いと五感で切りひらく春闘

【大阪国公発】労働運動に笑いの力を持ちこみ、いまだかつて誰も見たことのない26春闘を実現してみせるという思いを秘め大阪から上京。「ひたすら明るく楽しい90分間笑いの絶えない分科会」を目指しました。
分科会では5人程度の3つのグループに分かれ、自己紹介と賃金が上がってほしい理由をみんなで話しました。20分間をネーミング、10分間をキャラクター、残りの時間を「五感に訴える春闘」の実現のため、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感について、マジックで画用紙にイラストやアイデアを書き出しながら、1課題3分程度のグループ討議を繰り返し行いました。
26で「フロ」だからフロッグでキャラクターがカエルとなり、賃上げで社会を「変える」メッセージ性を確認。職場や家庭で触りながら春闘を自覚するグッズ(握れるボールのようなもの)や、富裕層が受け取る報酬の1万円札の数と同じ重量を表す分銅等を作るといったアイデアなどが次々と生まれ、爆笑の渦が起こりました。
「みんなで考えることが想像以上に楽しかった!イラストや歌、グッズなど社会的に訴えることはみんなでもっとやりたい」「非常に楽しかった。労働組合は楽しくないといけない!」「参加した分科会の中で最も面白く、あっという間に時間が過ぎた。グループの人と楽しく話ができて本当によかった」との感想が寄せられ、90分間笑いの絶えない分科会を実現しました。前向きなアイデアを出し合う会議って本当にいいですね!
歴史を学び、次世代へつなぐ
国公労連結成50周年記念シンポジウム
国公労連は12月21日、結成50周年記念事業のひとつとして「国公労連結成50周年記念シンポジウム」を都内で開催しました。シンポジストとして、小田川義和元書記長、宮垣忠元委員長、伍淑子元副委員長・元国公女性協議長を招いて国公労連本部専従時代のたたかいの経験と教訓などを語っていただきました。シンポジウムには単組・ブロック・県国公を中心に82人が参加しました。
冒頭、コーディネーターを務めた浅野委員長は、「天皇の官吏からの決別を宣言して憲法にもとづく国民本位の行財政・司法を確立する立場で、また労働者としての権利実現のために国民的な運動の先頭に立ってたたかってきた国公労連の50年の歴史を振り返るとともに、新自由主義による攻撃が激化する今日の情勢下での任務を再確認し、将来の国公労働運動の発展を期すことを意義・目的としている」とシンポジウム開催の趣旨を述べ、「50年の歴史の中で『失われた30年』をもたらした新自由主義が本格的に導入された1990年代以降に焦点を当て、新自由主義が公務・公共や公務労働をいかに蝕み、また、新自由主義による攻撃に対し国公労連がどのようにたたかってきたか、国公労働運動の先頭に立ってご活躍されてきた諸先輩の皆さんに当時を振り返っていただき、そのお話をつうじて多くのことを学んでいきたい」と各シンポジストに発言を求めました。
また、会場からは、渡名喜まゆ子さん(全厚生中央執行委員)、鎌田一さん(国公労連顧問)、後藤文吾さん(中部ブロック国公議長)、秋山正臣さん(全労連議長)から非正規課題や公務員制度、ブロック・県国公の役割、国公労働運動に対する期待について発言いただきました。
憲法実現の担い手

〈小田川さん〉
公務員は憲法上の規定でいうと主権者であり、同時に市民、労働者、さらに公務員という4面性を持っている。基本は主権者で、自分たちが暮らしている国をどうしていきたいかということを考えることが大事で、公務員労働者だからこそ、そのことを強く意識した方がいいと考えている。
また、公務員は第15条も含めて憲法実現の担い手、同時に見落としてならないのは権力の行使者で国民と対峙しており、公務員、公務員労働者のあり方が絶えず問われている。
国公労連は、民主的な公務員制度についてずっと論議を積み重ねてきた歴史がある。それは戦前の官吏制度が払拭されないまま今に至っており、戦前に犯した過ちに対する反省が根本にあるからだと思う。残念ながらまだ半ばで実現されていない。ぜひ、このたすきは引き継いでほしい。
全労働者のために

〈宮垣さん〉
私が委員長をしたときは、夏季一時金引下げ勧告(2009年5月1日)、社会保険庁解体と525人の分限免職(同年12月31日)、人勧に寄らない7・8%賃下げ(2012年2月29日)、退職金400万円引下げ(同年8月7日)などが行われ、賃下げと雇用破壊のたたかいだった。激しい公務員バッシングに怯むことなく、みなさんの団結したとりくみと全労連をはじめ多くの労働組合の支援でたたかうことができた。
国公労連への期待は、非正規労働者も含めたすべての働く人たちの雇用と労働条件改善にむけて民間労働者と一緒に労働法制の規制強化と民主的な公務員制度を確立する運動をすすめていただくことに尽きる。そのことによって働く人が安心できる社会をつくる展望が見えてくる。それをつくるのは、全労連や国公労連のみなさんだ。
職場の声を届ける

〈伍さん〉
私たち働く女性たちが一番初めに行った男女平等の運動は、女性保護撤廃の問題だった。女性保護がなくては働き続けられないというのが率直な職場の声で、権利が奪われると、ものすごい怒りになり、ファックス、電報、手紙など1万を超えた。このたたかいが残したものは実は組織強化だった。女性が相手にされないなかで、私たちの声を届けようという運動が、国公女性協をつくる要になった。
昔から女性部不要論はあったが、今も本当にジェンダー平等となっているのか。差別による分断で労働条件が攻撃される。女性たちの実態について点検運動を行い、告発する、やれるのは職場の労働組合だ。自分たちがどうあるべきか、仕事のあり方も含めた運動を心から期待している。
公務の志を取り戻す

〈小田さん〉
ワークライフバランスという言葉に違和感を持っている。ワークとライフは分かれるものではなく24時間の中で、一部の時間を仕事に当てているという考え方のほうが、働きやすい職場がつくれると考えている。そういう観点で女性部の活動もやっていきたい。
人のためになる仕事がしたい、社会を良くしたいという高い志を持って働きはじめた公務員は多いと思うが、長時間過密労働や能力実績主義によってその志が簡単に奪われている。国公労働運動はそうした問題を制度面から解決していくものと思うが、一人ひとりが参加して考えるだけで奪われたものの半分は取り戻せていると感じている。いつもとは違う大きな視点で物事を捉えるという、こうした機会を今後も大切にしていきたい。
たすきをつなぐ

〈吉信さん〉
組名活動をする上で連なりと繋がりを非常に大切にしてとりくんでいる。連なりについては、これまでの闘争、歴史について繋がれてきたものと捉えている。今ある制度が当たり前と感じている若手職員も多いと思うが、その背景には制度の変革の歴史があり、変革を勝ち取るために、様々な運動と、そこに多くの方が力と時間を注ぎ、築かれたかという歴史を学ぶ必要がある。私は全労働青年協議長を務めていることから、次世代にたすきを渡していくということでは、青年協の活動は非常に近く、その中心にあると考えている。今後の組合運動にしっかりと継承するという意識でとりくんでいきたい。また、繋がりについては、要求実現のためにも単組を超えた横の繋がりを大切にしていきたい。
高市首相の「台湾有事」発言、どこに問題があるの?
フリージャーナリスト布施祐仁さんに聞く

ふせ ゆうじん 1976年生まれ。フリージャーナリスト。元『平和新聞』編集長(日本平和委員会発行)。平和・安全保障の問題を中心に20年以上、取材・執筆を続ける。著書に『従属の代償 日米軍事一体化の真実』(講談社現代新書)、『日米同盟・最後のリスク なぜ米軍のミサイルが日本に配備されるのか』(創元社)、『経済的徴兵制』(集英社新書)など多数。『日報隠蔽 南スーダンで自衛隊は何を見たのか』(三浦英之氏との共著、集英社)で石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞を受賞。『ルポ・イチエフ 福島第一原発レベル7の現場』(岩波書店)でJCJ賞(日本ジャーナリスト会議)などを受賞。
「台湾有事は存立危機事態になり得る」との高市早苗首相の国会答弁が波紋を広げ続けています。この問題をどう考えればいいのか、安全保障問題のエキスパートで南西諸島のミサイル基地化などの取材を行っているフリージャーナリストの布施祐仁さんに聞きました。(インタビュー収録日=12月22日。この紙面ではインタビューの一部分を紹介しています。全体については、季刊誌『KOKKO』62号に掲載しますので、ぜひご購読ください)
―台湾有事とは、どんな事態でしょうか?
台湾有事は、「中国の統一」を国家目標にしている中国が台湾に武力行使する事態を一般的には指しています。中国による台湾海峡を渡っての侵攻や兵糧攻めのように台湾を海上封鎖することなどが想定されています。
私が最も危惧しているのは、台湾周辺海域での偶発的な衝突に端を発する戦争です。軍事的な緊張が高まった状態において、中国と台湾、中国とアメリカ、中国と日本の間での偶発的な衝突によって戦争へとエスカレートしていく危険性もあると思います。
存立危機事態とは?
―そうした台湾有事が日本の存立危機事態になるとはどういうことなのでしょうか?
存立危機事態は、事態対処法という法律に「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」と書かれています。
これは、2014年に当時の安倍内閣が閣議決定し、翌年2015年に安保法制で武力行使の要件を改定したものです。それまでは日本が武力行使できる要件は、個別的自衛権、つまり日本が武力攻撃を受けた場合に限られていました。それを安倍内閣が見直して、日本が武力攻撃を受けた場合に加え、日本は直接武力攻撃を受けていなくても、日本と密接な関係にある他国が武力攻撃を受け存立危機事態になった場合に日本は武力行使ができるとしたのです。
国際法上の根拠で言うと、日本は攻撃を受けていない状態ですので、集団的自衛権の行使に当たります。集団的自衛権の行使は、憲法9条のもとでは認められないというのが従来の歴代日本政府の憲法解釈だったのですが、それを変えてこの存立危機事態において、日本は武力を行使できるとしたのです。
「アメリカと共に参戦する」と同意
今回の高市首相の「台湾有事はどう考えても存立危機事態になり得る」という発言は、つまり、台湾有事で日本がアメリカと共に武力を行使する、参戦する可能性を示唆したことになります。
中国は、台湾を中国の領土の一部であると考えています。この立場からすると、台湾有事で日本がアメリカと共に参戦するというのは、「内政干渉」になります。
それに加えて日本には、中国と1972年に国交を樹立した経緯があります。台湾は中国の領土であるという中国政府の立場を十分に理解・尊重すると約束して、日本は国交を樹立しました。これは1972年の日中共同声明に明記されています。高市首相の発言は、この共同声明の趣旨にも反しているわけです。
さらに、歴史を踏まえる必要があります。日本は1894年に清国(今の中国)と日清戦争を行いました。この戦争に日本は勝利して、講和条約(下関条約)で、台湾を日本に清国から割譲させました。それ以降、アジア太平洋戦争の日本の敗戦まで50年間に渡って台湾を植民地支配していたのです。
植民地支配に抵抗する台湾の市民に対して、日本は武力鎮圧や虐殺、経済的収奪、同化政策などを行い、最後は日本の戦争に動員し、戦火に巻き込んだ歴史があります。
台湾を50年間、植民地化した日本
中国からすると、日本は「かつて戦争によって台湾を奪い取った国」です。そういう国が今再び台湾をめぐる問題に関して場合によってはアメリカと共に軍事介入することを示唆したわけで、これは歴史的な文脈から言っても、中国としては絶対に容認できないことなのです。
こうした歴史があるからこそ、先ほど話した1972年の日中共同声明の国交樹立の際に、中国政府の立場を十分に理解・尊重すると約束したわけです。
そして、これを踏まえて、歴代日本政府も台湾有事が起きたら日本がどう対応するかということについて、可能性も含めて具体的に言及することはしてきませんでした。
それを今回、高市首相が破ったわけで、これは中国からすると二重三重の意味で容認できない発言なので強く反発しているわけです。
―トランプ政権は中国と友好的な関係にしようとしているようです。
アメリカと中国は、貿易戦争の一時休戦で合意しました。アメリカが仕掛けた貿易戦争でしたが、中国側にレアアースの輸出を規制されると、アメリカの製造業は成り立ちません。アメリカは、中国との過度な対立は避け、経済的にうまくやっていく方向にシフトしています。
12月初めにアメリカ政府が発表した国家安全保障戦略という文書の中でも対中戦略を大きく変えました。これまでは中国の脅威を強調し、日本やオーストラリア、フィリピン、韓国などアジア太平洋地域の同盟国と共に中国を抑止することを前面に出した戦略でした。今回は、経済的に中国と互恵関係を作っていくことがアメリカの繁栄にとって不可欠だと強調しています。軍事的な抑止も必要だと書いていますが、中国との経済的な互恵関係の方に力点を置いています。
日本にとっても、中国との経済的な互恵関係は、繁栄に不可欠だと思います。高市首相が台湾有事に関する発言を撤回しないままだと、日中関係の不正常な状態が続き、平和の面でも経済の面でも日本国民へ不利益がもたらされます。日中関係を正常化するには、高市首相の発言撤回が不可欠です。物価高騰や円安などが続く中、中国との関係正常化を遅らせることの方が日本国民の暮らしの面において「存立危機事態」を招くと私は思っています。
国家公務員は平和への奉仕者
―高市政権は防衛費を増大させています。この点との関連はどう見ていますか?
防衛費の増大を始めとする大軍拡は、まさにこの台湾有事の脅威をあおる中で進められてきました。
象徴的なのは、南西諸島での軍備強化です。陸上自衛隊のミサイル部隊などが相次いで配備され、米軍との共同訓練も頻繁に行われています。これらは、台湾有事にアメリカと共に介入することを想定して進められてきました。いまアメリカは、自らは中国とうまくやっていこうとする一方で、日本には中国抑止のためのさらなる防衛費増額を要求しています。高市政権はこれに従い、中国に対抗する大軍拡をさらに推進しようとしています。
高市首相が台湾有事発言を撤回しないのも、中国との緊張の高まりを大軍拡の追い風にしようとしている側面もあるのではないでしょうか。
大軍拡は、平和の面でも暮らし・経済の面でも日本国民の利益に反しています。これで得をするのは、日本に兵器を大量に売りつけるアメリカと兵器を生産する一部の日本企業だけです。国家公務員のみなさんには、国民の利益を第一に考えて、憲法9条のもとで「平和への奉仕者」として大軍拡を許さないとりくみを進めてほしいと思います。
