国公労新聞|2025年12月25日号|第1656号

第165回拡大中央委員会
生活改善できる賃上げと公務・公共サービスの再生を

 国公労連は12月20日、第165回拡大中央委員会を東京都内で開催し、中央委員19人、特別中央委員36人が出席しました。拡大中央委員会では①すべての労働者の大幅賃上げ・底上げと良質な雇用の確保、②国民本位の行財政・司法の確立、③職場で働くすべての仲間を視野に入れた組織強化・拡大などの柱を基本とする春闘方針案を議論し、2026年春闘方針等を満場一致で決定しました。

 冒頭のあいさつで浅野龍一委員長は、「高市政権は、『安倍政治の焼き直し』にすぎず、経済政策は物価高に苦しむ国民生活に対して『逆効果』、『働いて働いて云々』に象徴される価値観が時代に『逆行』、対米追随の大軍拡路線が日本国憲法がめざす平和と民主主義への道を『逆走』、国民を巻き込み戦前の日本へと『逆流』している。アメリカでは、生活不安や格差の是正を求め、右傾化に抗する市民運動も広がっている。民間委託や民営化によって後退させられてきた公共の役割は、たたかいによって取り戻すことができる。『公共の再生』を掲げ、職場と地域から世論を広げていくことが重要だ。26春闘は賃上げを継続できるか労働者のいのちと生活を守るための正念場のたたかいになる。全労連の統一闘争に結集し、『全員参加型』による労働組合力を発揮し、『対話と学びあい』を通じて組織強化・拡大と要求実現を連動し、『逆行』する政治の流れを『逆転』させ、官民共同で国民本位の社会を実現していこう」と呼びかけました。
 続いて、笠松鉄兵書記長が2026年春闘方針を提案し、討論では24人から発言がありました。

討論 発言順

〈開建労〉辺野古新基地建設難航も政府は終わらない工事に多額の税金投入。無駄な基地建設を止めさせるためにも来月の名護市長選挙に支援を。
〈全通信〉今こそ平和運動必要。2月沖縄支援連帯行動の前段に青年集会を予定し現時点14人派遣予定。現地で体感し平和の尊さを刻む場になる。
〈全法務〉12月17日、4年ぶりに増員請願署名が国会で採択。協力に感謝。公共サービス拡充請願署名と一体に更に展開。
〈全法務〉3〜5月を春の組織拡大強化月間に設定。すべての新規採用者に加入を呼びかけ、加入して良かったと思えるとりくみを実践する。
〈全労働〉赴任旅費改善は一部成果も現場実態にそぐわないなど課題残る。財務省交渉を強化し、今回の改善部分を広め、組織拡大につなげる。
〈全司法〉成果が拡大につながらない最大の要因は、成果・要求が多くの人にとって自分事になっていないからだ。自分事に考える人が増えれば、物事は大きく前向きに変わる。その方法こそが「対話」だ。自身で考え、口にすることで自分事になる。対話を働きかける側は相手が自分事として考える時間やきっかけをつくることが大事。
〈国土交通労組〉改正給与法案の審議めぐり、国公労連のとりくみは待ちの姿勢であった。とりくみを総括し、具体的かつ見えるとりくみ提起を。
〈国土交通労組〉非常勤3年公募要件撤廃めぐり、育休取得を理由とした雇止めなど不適切な運用が散見。制度学習会開催、個人相談から組織拡大に結び付いた。
〈全労働〉着実に非常勤の要求が前進、運動の成果だ。雇用の安定化求め、一緒にたたかいたいと非常勤の加入も。さらに要求の声集めるため、成果チラシを「渡して、渡して、渡していく」。
〈全医労〉国立病院は多額の法人資金残高があるが、赤字経営を強調、診療報酬改定や補正予算の状況を見極めるとし年内の賃金改善を判断せず。
〈愛知〉組織拡大の対象を非常勤に焦点化する。アンケートで各単組の実態把握。今後のとりくみに活かす。
〈埼玉〉地域手当見直しにより全県で4%、特別区とは4ランク差、大都市隣接県と比べても格差大。埼玉県職は人材確保のため見直してない。最低生計費データ活用した26春闘チラシ作成。
〈岐阜〉県国公に結集する単組が減少しているが、県労連に結集し地域運動に奮闘する。
〈九州〉春闘討論集会で中高年層が低処遇との意見多数。再任用は20年前と比べ月額3万円低く、職場の非常勤より低い。民間との共闘図り、大幅な賃上げの実現必要。
〈福井〉県国公への結集弱く、役員の担い手もいないが、「地域の宝」と地域期待。伴走型でなく積極的な国公本部オルグを求める。
〈秋田〉最低賃金は80円増も発効日は3月末。民間賃金が上がらないと公務賃金も上がらない。県労連に結集し抗議活動を実施。寒冷地手当非支給地問題で今年も冬期暖房費アンケートとりくみ人事院交渉に活かす。県議会要請も検討。
〈青森〉春闘討論集会は、全労連主催のレバカレ2025(労働運動交流集会)のとりくみを参考に、公務共闘との共催で人勧対応、組織強化・拡大について討論予定。
〈中国〉各県国公、役員の担い手不足、固定化。県国公運動の重要性が一般組合員に伝わっていない。各県国公を支援し、ブロックの責任果たす。
〈岩手〉非常勤の組織化には仲間の痛みを知り・共感し、常勤の加入と同じ力で国公共済会などメリットを用意し、温かく迎い入れることが必要。
〈北海道〉異動に伴う不満多く、実情踏まえた着後滞在費等の制度運用の見直しを強く求める。毎月役員会で拡大状況・好事例共有。パーティー形式の集会等で組織強化・拡大につなげている。積極的な財政補助を。
〈近畿〉昼食提供し要求を聞く場として「ほっこり会」を展開。春闘討論集会で重点要求議論。5月には200人規模のBBQ企画。いかにとりくみを広めるかが鍵。
〈全厚生〉国立感染症研究所が特殊法人化により、再任用の年収が200万円下がるなど大幅に処遇悪化。統合した病院側の経営状況理由に今回ベアゼロ回答。国の公衆衛生の中心、国民の生活にも深く影響する。処遇の回復・改善求め、国会議員要請・懇談を計画。
〈福岡〉国家公務員の公務災害認定低い。運動で、申請の促進、各職場で健康問題のエキスパート作りを。公務・地場賃金上げるため筑豊地区労連の旗を揚げる。全労連加盟時の「官民一体の運動」がどうなったのか議論を。
〈神奈川〉自治労連のある地域では昨年地域手当引下げ押し止め、今年当局は提案せず。当局も地域手当の矛盾感じている。労働基本権問題含め当局と対峙できる枠組み必要。

春闘アピール
2025年12月20日 国公労連第165回拡大中央委員会

 国公労連は本日、第165回拡大中央委員会を開催し、2026年春闘方針を決定した。
 激動する政治情勢のもと、物価高騰、貧困と格差の深刻化、実質賃金の低下が続き、国民の暮らしはかつてないほど困難な状況に追い込まれている。
 本年度の地域別最低賃金の改定ではすべての都道府県で時給1000円を上回る成果を得た。しかし、来年3月31日に発効する秋田県と10月3日に発効した東京都では半年間、地域間格差が212円から275円へ広がる異常事態となっている。全国一律最低賃金制度の確立はもとより、物価上昇を上回る実効ある賃上げで個人の消費購買力を高め、内需拡大で景気回復をめざしていくことが重要である。一方、労基法改悪の議論がすすめられている。長時間労働はワーク・ライフ・バランスを崩壊させ、健康を損ねかねない。人間らしい生活を実現するため、賃上げとあわせて労基法改悪阻止と労働時間短縮のとりくみを強めていく必要がある。
 本年の人事院勧告に基づく賃金改定は34年ぶりに3%を超え、官民較差の比較企業規模の引上げ、中高齢層にまで波及する俸給額の改定、2年連続となる通勤手当の拡充など、少なくない賃金改善を実現した。一方で、民間の春闘相場を大幅に下回る賃金改定率であり、官民較差の比較企業規模をはじめとする本府省と地方支分部局の機関間格差の拡大、再任用職員や非常勤職員の劣悪な勤務条件などの課題を残した。
 また、人事院勧告の取扱いは前年に続いて、政局に紛れたまま放置され、改正給与法の成立が遅延した。政府が多岐にわたる賃金改善を事実上「凍結」状態としたことは、労働基本権制約の代償措置である人事院勧告を軽視する甚大な権利侵害である。地方自治体や独立行政法人など約900万人の労働者の賃上げや労働条件の確定も遅延させており、政府及び国会が国民・労働者の求める生活改善にブレーキをかけていることも重ねて問題である。人事院勧告制度が十分に機能していない実態を踏まえれば、労働基本権の全面回復は待ったなしであり、公務労働者の権利回復のため、職場内外で世論を高めるとりくみをすすめていく。
 政府が続ける定員管理政策は、長年にわたり行政運営に絶対的に必要な人員を削減し続け、職場に深刻な影響をもたらしてきた。公務・公共サービスは国民の共有財産であり、社会の基盤を支える重要な役割を担っている。公務労働者は「全体の奉仕者」として、さらに「エッセンシャルワーカー」として、社会の安全と安心を支え続けている。国民本位の行財政・司法の確立のため、「公務・公共サービスの拡充を求める請願署名」を基軸としたとりくみに、すべての組織・組合員の結集を呼びかける。
 いま職場は、多くの非常勤職員や再任用職員の力によって支えられている。しかし、その処遇は依然として低く、不安定な雇用形態が続いている。常勤職員との不合理な格差を解消し、すべての仲間が安心して働き続けられる環境を整えることは、公務職場の持続性を高めるうえで不可欠である。職場の実態に即した要求にアップデートしながら、処遇改善と安定雇用の実現に向けた運動をより強化する。
 憲法第15条に定められた公務員の本分は、中立・公正な公共の「担い手」として不可欠な要素である。また、自分らしく生きる権利である第13条「幸福追求権」と第14条「法の下の平等」のもと、人権と多様性が尊重される公務職場のためには、ジェンダー平等の後退を許さないとりくみも重要である。
 しかし、大軍拡・大増税、憲法改悪の動きのなかで、「戦争する国」づくりが加速している。平和と民主主義を守る運動をいっそう強めるとともに、「ふたたび戦争の奉仕者にならない」のスローガンのもと、憲法遵守擁護義務を負う国公労働者としての役割を発揮する。
 26春闘では、とりわけ4月期の組織の強化・拡大をめざし、「減らさず、増やす」を合い言葉に正規、再任用、非常勤、役職定年者などすべての職員に積極的に声をかけ、とりくみの成果を効果的に発信しながら「対話と学びあい」の実践で仲間の輪を広げていく。また、地域で重要な役割を果たすブロック・県国公の専門性をいかしながら地域の共同のとりくみに結集していく。一人ひとりの力は小さくとも、結集すれば社会を動かす力になる。国民本位の行財政・司法の確立を展望して、職場・地域から奮闘しよう。

非常勤集会
「組合に入りませんか」私の組合運動の出発点

 国公労連は12月6日、オンラインで非常勤組合員集会を開催し、26人(うち非常勤組合員は約半数)が参加しました。24年6月に人事院が期間業務職員の「3年公募要件」を廃止し、25年4月からは長年の要求だった病気休暇の有給化が実現するなど、これまでの運動の成果を確認し、今後の課題を共有・交流する場となりました。
セルフストーリーが
要求実現のカギ
 集会前半は、笹ヶ瀬調査政策部長が「非常勤職員をめぐる直近の情勢と問題意識」を報告しました。情勢報告では、国公労連としての重点的な要求、人事院の「3年公募要件」廃止後の状況、「非常勤職員の要求事項のアップデート」に向けた検討などについてその概要を説明。特に、この間の要求実現の過程で非常勤組合員の訴え・セルフストーリーが大きな力を発揮したこと、今後も労働組合の仲間をさらに増やすことが重要であると強調しました。
 続いて、全労働、国土交通労組、全厚生から、非常勤職員の労働条件に関わって単組の職場状況と課題を報告しました。
今度は私が声かけ
 集会後半は、①賃金・休暇など労働条件、②雇用の安定の課題、③労働組合の仲間を増やすこと、のテーマ別に分科会を実施しました。分科会①では1日の病気休暇でも診断書を求められる不適切な運用実態が、分科会②では能力実証に関する不安の声、上司の気分一つで雇用が左右されてしまう問題などが語られました。分科会③では、「これまで長く非正規公務員として働いてきたが、国の期間業務職員として働いて初めて『組合に入りませんか』と声をかけてもらい、すごく安心することができた。そういった経験から、今度は自分が期間業務職員に声をかける立場になっている」などの思いが語られ、日常的な声かけの重要性が共有されました。

26年4月1日施行
非常勤職員の休暇改善

 人事院は12月8日、国家公務員の休暇制度の見直しについて、人事院規則の改正を公布しました。概要は表①のとおりで、2026年4月1日に施行されます。
 年次休暇では、1日単位を原則としつつ、「特に必要がある…とき」の例外として、これまでの1時間単位に15分単位が追加されます。
 国家公務員の1日の勤務時間が原則的に7時間45分であることに伴い、それと整合する年次休暇の単位に職員の要望が増加していました。
 一方で、有給休暇は、「労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持培養を図るため、また、ゆとりある生活の実現にも資する」ものとされています。本来は、終日にわたって労働から解放される目的で1日単位が利用されるべきです。
 また、年次休暇の単位を細分化することに伴い、過剰で厳格な勤務時間管理などにつながり、本人の請求に基づく休暇制度が変質するおそれもあります。
 育児を担う職員などには、年次休暇を効率よく利用できるなどのメリットがありますが、本来の趣旨が形骸化することのないように留意する必要があります。
 非常勤職員の休暇制度は、これまでの重点的な要求として、①採用当初からの年次休暇の付与、②無給休暇の有給化を実現するものとなります。
 ①は6月以上の任期で採用された場合などの要件がありますが、多くの非常勤職員に適用できるものとなります。
 ②では、表②のとおり、すべての無給休暇が有給化されるものではありません。とりわけ期間業務職員の約8割が女性であることを踏まえれば、生理休暇などの有給化は切実な要求です。
 人事院は、無給休暇の有給化に慎重となる理由について、「(非常勤職員が)有給の休暇により長期にわたり勤務しない場合は、…業務への対応について、代替手段の確保により対応することも困難となることなどから、公務の運営に支障が生ずるおそれがある」と説明しています。
 しかし、そうした実態は、有給休暇と無給休暇、常勤職員と非常勤職員を比較するまでもなく、いずれの場合でも同様です。
 また、疾病関係休暇の取得は、職務に従事できないような健康状態の悪化などが要件とされています。無給休暇であることを理由に取得を躊躇することがあれば、さらなる健康被害を招くおそれがあり、職場の管理職員が安全配慮義務の違反を指摘されかねません。
 無給休暇を存続させることは、常勤職員との不合理な格差を許容するものであり、懲戒処分の減給のような効果を伴うこととも相まって、差別的な印象を否めません。
 非常勤職員の勤務条件は、24年6月に「3年公募要件」が廃止され、25年4月からは病気休暇が有給化されました。2年連続で重点的な要求を実現できた背景には、各単組の要求とともに、当事者である組合員の自律的・主体的なとりくみがあります。「たたかいつづければ、いつかは要求が実現する」という教訓のもと、常勤職員との均等・均衡待遇をさらに推進する必要があります。

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