2025年4月23日
国公労連第164回中央委員会
国公労連は本日、25春闘の経過と到達点を確認するとともに、2025年人事院勧告及び2026年度概算要求にむけた夏季闘争方針並びに2025年参議院選挙闘争方針を確立し、たたかう決意を固めあった。
市民の声と運動の高まりで政権与党を追いつめている。衆議院は与党が過半数割れとなり、さまざまな法案は野党の協力なしで成立させることができなくなった。8月施行を目論んでいた高額療養費の負担上限引き上げは凍結を求める世論で再修正に追い込んでいる。
一方、日本政府はアメリカ言いなりの姿勢を崩していない。軍事費を27年度までの5年間で43兆円、国内総生産(GDP)比2%に増大させ、辺野古新基地建設を含む在日米軍再編や南西諸島の防衛強化、南西地域での日米共同訓練を強化していくとしている。その財源確保を大増税と国債発行でまかなうとしており、国民のくらしを直撃するものである。さらにトランプ大統領による相互関税の導入は、世界経済に重大な影響をおよぼしかねない状況にもかかわらず、毅然とした態度を示していない。
いま、大軍拡・大増税よりも物価高騰などで疲弊する国民のいのちやくらしを重視した政策が求められている。アメリカ・財界言いなりの政治を厳しく追及しながら、国民的な諸要求と私たちの要求を実現するため、今夏予定されている参議院選挙で一人ひとりが情勢学習を深め、主権者としての権利行使をすることが求められる。
25春闘は昨年並みの回答が相次ぎ5%を超える賃上げが予想されるものの、医療・福祉関係で昨年以上に厳しい状況になるなど、企業規模・業種間などの格差拡大と二極化が指摘されている。また賃上げの実態は、人材確保のために初任給を大幅に引き上げる一方、中高年層への配分を抑制しており、すべての世代の賃上げ要求に応えていない。こうした中、国公労連傘下の全医労や国共病組は賃上げをはじめ、諸要求の実現をめざして全国の仲間がストライキを実施した。引き続き、春闘後半戦での賃上げの上積みをめざして、官民一体となったたたかいを強めていく必要がある。
国家公務職場に目を向ければ、2025年度からの5年間の定員合理化目標は5%と半減させたものの、増員要求・査定数も減少を余儀なくされ、とりわけ災害対応の最前線や直接国民と向き合う地方出先機関に増員が届いていない。国民のいのち・くらし、権利を守るため、「公務・公共サービスの拡充を求める国会請願署名」を完遂し、政府の定員管理政策を抜本的に転換させ、増員による公務・公共サービスの拡充などにかかわる要求課題のたたかいに全力をあげる。
3月に公表された人事行政諮問会議の最終提言では、官民給与の比較対象となる企業規模を100人以上に戻し、本府省職員は1000人以上とすべきとした。この格差は職場に対立や分断を招くものであり容認できない。すべての職員の比較対象を1000人以上にすることを求めていくことが重要である。
最終提言で示された能力・実績主義の強化や本府省優遇の具体化に反対するとともに、「給与制度のアップデート」で生じた不利益の解消はもとより、生活改善できる大幅賃上げ・底上げ、とりわけ中高年層職員への重点配分、非常勤職員の労働条件改善をめざし、人事院の労働基本権の代償機関としての役割追及を強化する。また、人事院は全国税の原口氏の分限免職処分を承認する判定を行った。国家公務員の利益の保護を謳う人事院の不当な判定に断固として抗議する。
要求の実現性を高めるためには組織強化・拡大が最も重要である。各単組、ブロック・県国公が新規採用者をはじめ多くの仲間を迎え入れるため奮闘している。引き続き、組合が勝ちとってきた成果や組合の力をアピールしながら、組合員一人ひとりに寄り添い、相互のつながりを深め、ともに成長しあえる「全員参加型」の運動をさらにすすめることが重要である。多様性が尊重され、性別にとらわれない社会規範が構築されつつあるもとで、「国公労連ジェンダー平等宣言(案)」の採択運動を足がかりに、職場や労働組合でのジェンダー平等を追求する。 20255年夏季闘争では、公務労働組合としての役割発揮と「二つの責任と一つの任務」を基本とし、労働条件改善はもとより、国民本位の行財政・司法の確立にむけた運動をさらに推進していくことをめざして、職場・地域から大いに奮闘しよう。