さらなる改善で非常勤の暮らし守れ
月給制・手当支給も焦点に
非常勤の仲間が人事院交渉・要求行動
国公労連は7月3日、非常勤職員課題の人事院交渉を実施しました。全国から集まった非常勤職員3人が職場の実状を訴え、2月に提出した「非常勤職員制度の抜本改善に向けた重点要求書」の実現を求めました。
人事院は近年、期間業務職員の3年公募要件の撤廃や病気休暇の有給化、年次休暇の採用当初付与など、私たちの要求に一部沿った改善を進めています。
しかし職場では、公募によらない任期更新の上限回数を独自に設定している組織があったり、能力実証や勤務実績の把握が過剰に厳格運用され、恣意的な雇止めが横行したりするなど、非常勤職員が安心して働き続けることを困難にしている実態があります。また、賃金や休暇制度でも常勤職員との不合理な格差の解消を求める声が出されています。
現場の切実な声を訴える
交渉では、雇用の安定とともに、昇給制度の構築、月給制への転換、同一労働同一賃金ガイドライン見直しを踏まえた生活関連手当の支給など、常勤職員との格差の是正を求めました。
ハローワークの職場で働く参加者は、「3年公募要件の撤廃がやっと実現したが、任期は1年であり、毎年雇用の不安を抱えていることには変わりない。かえって能力の実証が厳しくなり、毎年公募のようで不安だという声が届いている。民間企業に求めている無期雇用への転換が公務で実現していないことはおかしい」「日給制から月給制への転換を求める。非常勤職員にも生活の安定を保障すべき」と訴えました。
裁判所で障がい者雇用で働く参加者からは、「常勤職員へのステップアップ制度があるものの、制度の対象となる非常勤職員は全国で毎年数人程度。どのように選定されているのか不透明だ。裁判所を含めて、各省のステップアップ制度のとりくみに対して人事院としても支援・指導を強化するよう求める」「寒冷地手当が非常勤職員に出ないのは不平等だ。支給できるよう改善を求める」と追及しました。
人事院の能城参事官は、「今後とも職員団体の意見も聞きながら、民間の状況等を考慮し、適切に対処してまいりたい」と回答しつつ、「同一労働同一賃金ガイドラインの見直しを踏まえて必要な検討を行ってまいりたい」「非常勤職員制度の担当部局には月給制への強い要望があったと伝えたい」などと再回答しました。
政府へ向けて要求行動
交渉後、内閣人事局前要求行動を実施し、情勢報告と決意表明を行いました。笹ヶ瀬亮司調査政策部長は「非常勤職員の労働者としての地位と権利を保障することが喫緊の課題だ。政府と人事院には抜本的な発想の転換が求められている。たたかい続ければ要求は実現する。今後も奮闘しよう」と訴えました。最後に、安心して働き続けられる職場づくりを求めて政府に向けてシュプレヒコールを行いました。
歴史に学び、激動のいまに向き合う
第39回中央労働学校ひらく
国公労連は6月29日、第39回中央労働学校を都内で開催し、各単組本部役職員、国公労連本部役職員の45人が参加しました。高市政権による「戦争をする国」へと変貌させる極めて危険な情勢の中で、「高市政権をどう見るか、労働組合としてどう対峙していくか」をテーマに全体会、分散会を行いました。
全体会では、講師に上智大学国際教養学部教授の中野晃一氏をお招きし、2024年から2025年にハーバード大学客員研究員として従事されていたご自身の経験から当時の日米の政府高官やシンクタンクなどの動きを交え、高市首相の成り立ちや危うさ、アメリカ政府から見た高市首相・日本政府、憲法の成り立ちと1条と9条の関係性、自由と正義がなくなったアメリカ、ニューヨーク市長のマムダニ氏を含めた急新左派の現在の動き、日米の選挙戦の違い、2027年の地方統一選挙での巻き返し、市民との共闘、敷布団としての国公労連・全労連への期待などについての講演がありました。
憲法については「戦後の日本において、憲法は日本の平和を守るために重要だっただけでなく、日本の民主主義を守るうえで非常に重要な役割を果たしてきた」としたうえで、天皇制を維持(1条)したいアメリカの思惑と戦時下の日本軍が極めて残虐であったことで反戦条項(9条)ができ、天皇制を良しとしない極東委員会の発言権がさらに強くなる前に作られたものだと、1条と9条の関係性について解説がありました。
分散会では、コロナ禍以降雑談も少なくなり、国家公務員という立場から政治的課題を語ることがはばかられる職場状況がある中で、国民全体の奉仕者かつ憲法尊重擁護義務を負う公務労働者として、憲法を守りいかす社会の構築に向けて、アピール含めどのようにとりくみを進めていくべきか議論しました。
参加者からは、「高市首相の現在地と世界史との整理がとても面白く、刺激的だった。これまで以上に政治に関心を持っていきたい」「高市政権の危うさ、アメリカのスタンスや考え方など、中野氏の見解を交えた話で理解が深まった」「平和や憲法問題を中心に高市政権を批判するとりくみを強化していきたい」「9条は何が何でも守らないといけないと感じた」「分散会ではやはり『対話』が大切だという話になり、杉並区政に希望を見出した」「情報発信の方法について様々なアイデアが出されたので、今後にいかしたい」などの感想が寄せられました。
今後も、情勢に応じたタイムリーな課題で、本部役員の育成に資する内容を追求していきます。
宿舎改善を求め財務省交渉
国公労連は6月22日、公務員宿舎の確保・改善などを求めて財務省交渉を国公青年フォーラムと合同で実施し、10人が参加しました。
公務員宿舎については、全国的に賃貸住宅の家賃が高騰している中、入居のニーズがこれまで以上に高まっています。参加者からは、「冷暖房設備がない、セキュリティが不安、駅から遠いという現状から宿舎には入居しない青年も少なくない。安定した生活環境の基となる住居の確保は極めて重要」「宿舎提示時期が遅いため民間賃貸に住む若手もいる。早期提示に向けた改善が必要」「短時間再任用職員の入居を認めるよう強く求める」「宿舎入居の『5類型』は、廃止も含めた見直しを検討すべき」「新築・リノベーションによる改善・修繕の予算を大幅に増額するよう求める」など、要求を訴えました。
これらの要求に財務省は、「宿舎の重要性は認識している。まずは老朽化への対応が必要な状況。何を優先すべきか判断しながら鋭意進めている」「物価高騰によって新築計画は少し遅れそうな状況だ。細かな要望についても受け止めつつ、中長期的な宿舎配分を今後調整したい」「東京を中心に古い宿舎も埋まってきており、各府省への配分先の通知が遅れてしまっている」「『5類型』については、運用面で入居させる工夫もできるのではないか」などと回答しました。
最後に国公労連から、「人事院が転勤に伴う負担の軽減として宿舎を位置づけていることも踏まえて、政策に反映するよう求める」と主張し交渉を終えました。
「対話と学びあい」交渉に活かす
夏の国公青年セミナーひらく

国公青年フォーラムは「要求実現のための行動」をテーマに、6月21日から22日、夏の国公青年セミナー2026を東京都内で開催し、青年21人が参加しました。
1日目は、「国公労働運動の意義と役割」について国公労連・笠松鉄兵書記長から講義を受けました。「労働組合が誕生するきっかけになった場所は?」のクイズからペアトークでスタート。要求実現のために重要なとりくみや、国公労連がどのように要求実現してきたかなど、参加者同士の対話を重ねながら学びました。
そして、翌日の人事院・財務省との交渉に備えた作戦会議として、班ごとに職場の状況や訴えたいことなどを話し合いました。人事院班では、人手不足と中堅層の不在や、高齢層や若手への負担集中、劣悪な労働環境・処遇が共通の課題として浮かび上がりました。財務省班では、標準的な住環境として必要なものが宿舎に存在しないことや、老朽化の著しい宿舎の改修が進まないことなどがあがりました。
2日目の交渉では、1日目の作戦会議を踏まえ、思いのたけを発言しました。人事院交渉では、比較企業規模の1000人以上への引上げや諸手当の改善、非常勤職員制度の見直し、健康診断項目の拡充、マイカー通勤手当の改善などを訴えました。前進した回答はありませんでしたが、人事院は「様々な事情や現状を聞かせていただく機会は貴重でありがたかった。今回聞いたことは人事院内の制度担当に確実に伝える」と発言しました。
財務省交渉では、今の若者が考える普通の宿舎という観点から、エアコンの標準設置やモニター付きインターホンの設置、テレワークのための通信環境の整備など住環境への改善を求めました。また、築60年など老朽化が著しい宿舎の改善や宿舎提示時期の早期化などを訴えました。
国公青年フォーラムは引き続き、青年が主役となって要求実現に向けたとりくみをすすめていくことを確認してセミナーを終えました。
労働者の無関心を乗り越える対話へ
レイバーノーツ大会に参加して
国公労連・森川息吹中央執行委員

6月12日から3日間、アメリカのシカゴでレイバーノーツ大会が開催され、国公労連から私と全労働の齋藤道明中央執行委員が全労連派遣団(15人)の一員として参加しました。259のワークショップに全米と世界各国から3400人が結集しました。
レイバーノーツは、「労働運動に運動を取り戻そう」をスローガンに、様々な労働問題の克服をめざす実践的なワークショップを運営している非営利団体です。
ワークショップでは「経営者は職員間の分断を狙っている。一人ひとりとの対話で信頼関係を構築」「交渉をオープンにして民主的な組合運動を進める」「何のために組合に結集するのか、誰が敵なのか見極め可視化する」「地域における市民との共闘が大きな力になる」などの発言がありました。
アメリカや欧州の国だから何万人もの仲間が参加するストライキなどの行動ができているわけではありません。日本と同じように雇用不安などの恐怖を抱えていたり、無関心であったりする労働者が多いのは同じです。こうした労働者にどうアタックしてどんな対話を進めれば主体的に運動に参加するのかを、創造的に考えてボトムアップのとりくみを展開していることを学びました。
最終日の全体会では、スペインのアマゾン労組など各国の労働組合から、職場や地域を巻き込んだ運動で成果を勝ちとった報告を受け、会場全体がスタンディングオベーションで称賛しました。労働運動の高揚感と熱気に包まれ、強い一体感が生まれる刺激的な空間でした。
大会以外にもシカゴ教員労組(CTU)、全米電気機械無線労組(UE)などと交流をして、互いのとりくみや課題について共有する中で、「ボトムアップと言ってもリーダーシップも必要。選択肢を与え、デメリット・メリットを説明し労働者に決めさせる」「交渉は交渉での発言が重要ではなく、どれだけ使用者側にストライキなどの圧力をかけることができるかがポイント」「行動が広まらないのは何か問題がある。何が障害になっているのか、説明は十分にしつくされているかなど冷静な分析が必要」との助言も含め、国公労連のめざす全員参加型の運動に共鳴するものであることを実感し、要求実現に向けて職場や地域で対話と共感を広げていくことの重要性を改めて強く認識する行動となりました。
