国公労新聞|2025年1月10・25日号|第1637号

仲間とつながり元気もらえた
みんなが映(ば)えた2日間

国公青年交流集会

 国公青年フォーラムは12月7〜8日の2日間、国公青年交流集会2024「Connect」を香川県丸亀市で開催しました。144人の仲間が全国各地から結集し、国公青年フォーラム2024年度運動方針の柱として掲げている「学び」と「交流」を深めました。(取材=国公労連中央執行委員・大門晋平)

 1日目は丸亀市内のホテルに集合し、スケジュールや注意事項などを全体会で共有しました。冒頭、となり同士で自己紹介を兼ねてチェックイン。「最近ハマっている趣味」をお題に、アイスブレイクしました。
 この日のメインは、仲間とつながり、「交流」を深めるためのレクリエーションです。古くから「こんぴらさん」として親しまれる金刀比羅宮(ことひらぐう)が鎮座する琴平町(ことひらちょう)を舞台に、「うどん県」と呼ばれる香川県ならではのレクで交流を深めました。

リズムに乗ってうどん作り

 丸亀市から琴平町までバスで移動した参加者たちは、「中野うどん学校」に入学してうどん作りに挑戦。陽気な先生の説明に従い、5〜6人に分かれた各チームが力を合わせてうどん作りに奮闘しました。テンポよい音楽やタンバリンのリズムに合わせて生地を踏み、その生地を麺棒で伸ばし、最後は均一の太さに切って完成。それぞれが素晴らしいチームワークを発揮し、オリジナルのうどんを作りあげ、全員が無事に卒業しました。
 参加者からは、「エンターテイメント化されていて面白かった」「みんなで楽しめるように工夫されたプログラムで、チームメンバーと一気に打ち解けることができた」といった感想が寄せられました。

こんぴらさんで映えスポット探し

 うどん作りのあとは、琴平散策。この散策では、それぞれのチームが「映える写真」を撮影して2枚ずつ審査にエントリーし、上位3チームに景品が贈られるという「フォトコンテスト」が実施されました。
 参加者らは、スマホやカメラを持ちながら紅葉深まるこんぴらさんの参道を進み、延々とつづく石段に苦戦しつつも、映えスポットを見つけては写真を撮りながら談笑し、参道に並ぶさまざまなお店で名産品やお土産選びを楽しみました。
 レクの後は、ホテル内の会場で懇親会。フォトコンテストの結果発表で上位3つのチームが発表され、最優秀賞として10aチームの作品(左上の写真参照)が選ばれました。

労使コミュニケーションの確保を

 2日目は、仲間とともに「学び」を深める学習会が開催されました。独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)特任研究員で社会学博士の呉学殊(オウ・ハクスウ)さんを講師にお招きし、「賃金が上がらない日本と賃金が上がり続けている韓国との違い〜その真相を探る」と題した記念講演をいただきました。
 呉さんは、日本の賃金が上がらない理由として、「労使関係の対等原則が形骸化していること」を挙げ、いわゆる「労使コミュニケーション」の確保が法制度として確立されていないことに大きな原因があると説明。韓国では、「勤労者参与および協力増進に関する法律」(勤参法)により労使コミュニケーションが保障され、労働者が使用者に対して声をあげる機会を法制度として確保していると強調しました。

職場の民主化が社会の民主化に

 そして、日本の賃金を上げていくための改善策として、①労使コミュケーションを確保する法制度を整えること、②労働組合の集団力(労働三権など)を十分に発揮することの2点を指摘。「人生でもっとも大切な時間を過ごす職場に民主主義がなければ、その社会は民主社会とはいえない」と、職場の民主化の重要性を強調して講演を締めくくりました。

民主的行政めざし声をあげよう

 講演後、参加者からは「2000年代になって韓国で労働組合の組織率が上昇しているのはなぜか」「わたしたちが働く国公職場において、労使コミュニケーションを図るためにはどうすればよいか」との質問が投げかけられました。
 これらの質問に対し、呉さんは、「2000年代は、人権派弁護士のノ・ムヒョン大統領が誕生し、労働組合の活動を邪魔しなかった。また、その頃に韓国にも国家公務員の労働組合が結成されて労働運動の高まりがあった。そうしたことが組織率上昇の一因と考えられる」「国公職場で労使コミュニケーションを図るためには、①組織のトップにいる人たちが、組織運営のさまざまな規定に違反していないかを国公労働者としてきちんと監視・検証すること、②指揮命令に従うことは大事だが、大きな方向性として、その組織が国民のために動いているのかどうかをきちんと見て声をあげることが重要だ」と回答しました。

労働組合の大切さを再認識

 その後は12のグループに分かれて分散会。講演での学びや気づき、各職場の状況などについてグループごとに意見交換をしました。「呉さんの熱い講演を聴いて労働組合の存在意義や声をあげていくことの重要性を再認識した」「他の省庁の状況を詳しく知ることができてとても有意義な分散会だった」など、学びと交流が深まる貴重な時間だったとの声が多く寄せられました。

職場こえた交流を地域でも

 集会の最後に、国公青年フォーラムの吉原太一運営委員長があいさつ。「それぞれの地域、それぞれの職場で、いろんな思いで仕事や組合活動をすすめている参加者のみなさんから元気をもらえたコネクトだった。職場をこえた交流と学びを深めるこのようなとりくみを、各地域においてもさらに広げていきたい。また会いましょう」と呼びかけて集会を閉じました。

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