国公労新聞|2023年5月25日号|第1604号

夏季闘争のポイント
公務員賃金の大幅改善を

 23春闘では、ストライキを背景とした全労連傘下の民間労組の奮闘で、23年ぶりに平均賃上げ額は6千円台を超えましたが、それでも物価高騰には追いつかず、非正規労働者や小売り、医療・介護、福祉などのケア労働者は昨年並み以下の水準となっています。公務員賃金が900万人の労働者に影響することを踏まえ、いま社会的に求められていることは、政府が直接コントロールできる公務員賃金や公的価格を政策的に引き上げさせ、地域の賃金相場を上げる好循環をつくり出すことです。今年は人事院総裁宛ての「物価高騰から生活を守る大幅賃上げを求める署名」を、はじめて官民一体でとりくみます。この署名を軸に、職場・地域で大きなうねりをつくり、公務員賃金の大幅改善を勝ち取りましょう。

 人事院は4月から職種別民間給与実態調査を実施しており、今年は4年ぶりに病院も対象とし、通勤手当(特急料金)、在宅勤務手当等を調査しています。また、人事院は、「社会と公務の変化に応じた給与制度の整備」(アップデート)について、今年の夏に「骨格案」、来年の夏に「成案」を得るというスケジュールで検討をすすめています。現時点でその検討内容は明らかになっていませんが、アップデートの検討に当たっては、政府の新自由主義的政策を背景に変質した公務員賃金制度を是正し、①能力・実績主義を抑制する方向、②あらゆる賃金格差を解消・是正する方向、③賃金カーブ(生涯賃金)の在り方を含め、職員全体のモチベーションを維持・向上する方向での見直しとなるよう人事院を追及します。

 非常勤職員の処遇改善については、民間労働法と同等の無期転換制度の創設、期間業務職員の更新時公募の撤廃をはじめ、病気休暇の有給化や年次休暇の採用当初付与、生活関連手当の支給など、常勤職員との均等・均衡待遇の実現を目指しています。7月2日の全労連公務部会主催の「非正規公務員オンラインミーティング」に積極的に参加するとともに、7月7日には非常勤組合員を主体とした人事院前要求行動及び人事院・内閣人事局交渉を実施し、職場の実態と要求を訴えます。また、再任用職員の処遇改善にも力を入れます。

 職場で生じているさまざまな問題の根底にあるのは定員問題です。長時間労働を解消し、国公労働者が働きがいを実感できる職場を実現するとともに、国民本位の行財政・司法を確立するためには、総定員法の廃止、定員合理化計画の撤廃・中止と行政需要に見合う定員確保が必要です。定年延長制度の運用に当たっても、必要な定員・級別定数が十全に措置されるよう要求を強めます。

 春闘期に引き続き組合員拡大と国公共済会加入者拡大に全力をあげます。全員参加型の運動スタイルを確立するため、単組・ブロック・県国公の役職員、組合員を対象とした「仲間づくり講座」を国公労連主催で6月以降毎月開催します。

 夏季闘争期の要求と運動は、一年間のたたかいのなかで、職場・組合員に一番身近で、一番目に見えるものです。職場要求を実現するために労働組合が主体的にとりくむことは当然ですが、それだけではなく使用者・当局からも職場の実態を踏まえてしっかりと政府・人事院に対し声を上げさせるということが大事です。今年の夏は、「労使関係で変える」「当局に汗をかかせる」という労使の力関係をさらに強く意識し、政府・人事院、各省当局を職場の団結の力で追及します。

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