国公労新聞|2026年2月25日号|第1659号

2026春闘交渉スタート
「積極財政」を賃上げの実現に

官民較差の解消と
高齢層の大幅賃上げを

 国公労連は、人事院に2月18日、政府には19日に「国公労連統一要求書」などを提出し、26春闘期の交渉をスタートさせました。人事院交渉は、本院が霞が関から虎ノ門アルセアタワーに移転してから初めてとなります。
 2月8日に衆議院議員総選挙の投開票があり、18日には特別国会が召集されました。総選挙の在り方や争点にはさまざまな議論がありましたが、物価高対策の重要性は誰もが認識するところとなりました。日本経団連の26年版「経労委報告」では、ベースアップ実施の検討を賃金交渉のスタンダードと位置付けています。26春闘では、「物価上昇を上回る賃上げ」を実現するため、こうした姿勢にある財界の有言実行を迫るとりくみが不可欠です。
 また、18日に発足した第2次高市政権が掲げる「責任ある積極財政」は、国民生活はもとより、国家公務員の勤務条件の改善につながるよう、政府の積極的な検討が求められています。
 国公労連は、平均月額2万8000円以上の賃上げなどを要求しています。組合員の要求アンケートでは、すべての年齢層で生活実感が「苦しい」という回答が高止まりしており、その傾向が要求額にも反映しています。25年春闘の賃金上昇率が5%超であったところ、官民較差を解消できない低水準の賃金改定にとどまったことへの不満も背景にあるはずです。
 地域別最低賃金の近傍にとどまっている高卒初任給を大幅に改善しつつ、中高齢層の賃上げを実現するためには、官民較差で得られる原資(賃上げの財源)が絶対的に不足しています。25年人事院勧告では、官民給与の比較企業規模が改善されましたが、一般職の国家公務員の8割以上が在職している地方支分部局について、100人以上の企業規模にとどめたことが、民間の春闘相場を下回る賃金改定につながったものと推測できます。
 官民の人材獲得競争が中長期的な課題となることを踏まえれば、さらなる改善を不断に検討することを求めていく必要があります。
 また、定年延長や再任用に伴う大幅な賃下げは、職務給原則に矛盾する明確な年齢差別であり、懲戒処分による減給のような効果すら指摘されています。
 再任用職員は、常勤職員と同種・同等の職務・職責を担いながらも、俸給額と一時金の支給月数は、20年以上にもわたって低水準なまま放置されています。「65歳までの雇用確保」を口実とした労働力の搾取であり、再任用という「身分」に基づく差別的な取扱いと言わざるを得ません。
 世代間の不均衡を是正するため、中高齢層の職務・職責に見合った賃上げを継続させることは、26年人事院勧告に向けた最重要課題の一つです。

「新たな人事制度」と
非常勤職員の要求を重点化

 25年人事院勧告では、「新たな人事制度の方向性」が表明されました。「職務・職責を重視した新たな給与体系に移行するため、令和8年夏に措置の骨格を、令和9年夏に具体的な措置内容を報告」するとされています。人事評価制度の公正性・透明性・客観性・納得性が確保されないまま、能力・実績主義が強化されることが危惧されます。
 人事評価制度の実態は、公務の集団的執務体制の機能不全や業績目標の偏重に伴う経常業務の軽視など、矛盾と弊害が顕著となっています。人事評価の結果を反映する任用・給与での格差は、職員のコンセンサスを得られておらず、職務へのモチベーションも低下させています。「人が人を評価することの限界」を踏まえれば、人事制度としての致命的な欠陥があります。
 また、非常勤職員の実態は、長期間にわたって再採用をくり返し、恒常的な業務に従事するにとどまらず、相当に高度で専門的・中核的な職務・職責を担うなど、常勤職員との境界が極めて曖昧になっています。しかしながら、「3年公募要件」が廃止されてもなお、雇用の安定化につながっていません。政府・人事院は、「非常勤職員は臨時的又は短時間の特定の業務を処理するために採用される」などの回答に終始しています。そうした硬直的な姿勢を是正させ、常勤職員との均等・均衡待遇とともに、労働者としての尊厳、地位、権利を保障させることが喫緊の課題です。
 こうした人事評価制度と非常勤職員をめぐる課題は、25年11月から新たな要求事項を検討していますが、この春闘期でも主張を強めていく必要があります。

職場・地域から
交渉に結集しよう

 このほか、①職場実態に見合った増員と長時間過密労働の是正、②通勤手当などの諸手当のさらなる拡充、③人事院規則に明記されるカスタマー・ハラスメント対策など、諸要求は多岐にわたっています。
 ブロック国公は、2月から3月にかけて、人事院地方事務局交渉を配置し、各地域の実情などを反映した要求を強化しています。職場の所属長にも統一要求書の提出を完遂するなど、職場・地域から交渉に結集し、一つでも多くの要求を実現していきましょう。

トヨタ総行動
トヨタの内部留保約40兆円
ほんの一部で賃金と下請け単価大幅アップ

【愛知国公発】今年で47回目となるトヨタ総行動が2月11日にとりくまれ、全体で360人、愛知国公から6単組12人が参加しました。
 トヨタ総行動は、内部留保をため込む大企業に対し「内部留保を賃上げと下請け単価の改善に活用せよ」と社会的役割を果たすよう求める行動です。宣伝行動や集会・パレード、トヨタ本社と関連企業への要請行動などを展開し、26国民春闘での大幅賃上げをめざす運動の一環として実施しています。今回、愛知国公は宣伝行動において柴田秀幸議長が官民一体で大幅賃上げを実現しようと訴えました。
 決起集会では主催者を代表して、愛労連の西尾美沙子議長が「実質賃金が下がり続ける中、大企業の内部留保は581兆円に達し、トヨタ自動車は4月には40兆円を超える。利益を内部留保にため込むのではなく、利益を生み出した労働者と下請事業者すべてに還元することが必要だ。そうすれば中小企業でも大幅賃上げは可能だ」とあいさつしました。
 集会後のパレードでは、名古屋市内の繁華街で物価高騰に負けない大幅賃上げをアピール。コールにリズムをとりながら「賃金上げろ!」と声をあわせる中、手を振って共感を示す沿道の市民が目立ちました。さらには、2人の若者が飛び入りで沿道からパレードに参加し「最低賃金、大幅アップ!」と一緒に声をあげる一幕もあり、私たち主催者側も大きく励まされました。

26春闘討論集会全国マップ

 国公労連はすべての労働者の賃金引上げ・底上げの実現に向け、組合員一人ひとりが主役となる「全員参加型の運動」を提起しました。これを受け、各ブロック・県国公では12月から2月にかけて春闘討論集会を開催。地域ごとの工夫をこらしたプログラムのもと、活発な議論が展開されています。

サンタも登場!楽しく学ぶ春闘

 北海道国公は、クリスマスとコラボした春闘討論集会を開催しました。国公労連の大門中央執行委員が扮したサンタによる講演や、景品をかけた単組紹介コーナーなど、工夫を凝らした企画で会場は大いに盛り上がりました。異なる省庁が交流できることを県国公のだいご味とするとりくみが、今年も実践されています。

光熱費調査で実態を可視化

 秋田県国公は独自の春闘方針において、今年も「光熱費調査」の実施を提起しました。寒冷地の実情を踏まえ、寒冷地手当の支給対象を県全域へ拡大するよう求めるとりくみを、粘り強く継続していく決意を確認しました。

「フロンティア春闘」生成AIでポスター作成

 大阪国公は、グループワークで春闘にキャッチーな名前をつけるとし、今年は26(フロ)にかけ「フロンティア春闘」に決定。さらに、生成AIを使ってオリジナルの「26春闘ポスター」づくりにとりくみました。アイデアを出し合いながら一つの作品を完成させる過程で、単組を越えたつながりが生まれ、大いに盛り上がりました。

春の円結びセミナー和やかに交流と学び

 広島県国公の集会には、オンラインで中国4県も参加し、「春の円結びセミナー」と題して開催されました。例年以上に和やかな雰囲気のなかで、地域を越えた交流が広がりました。
 まず、公務の労働組合が春闘にとりくむ意義を学び、私たちが春闘に結集する意味をあらためて確認しました。その後の旗開きでは、ふだん交流の少ない他単組の参加者とゲームを通じて親睦を深めました。堅苦しい集会から一歩踏み出し、楽しく学べる集会をめざしています。

「自分の言葉」が組織を広げる

 中部ブロックでは、愛知県医労連による新採用100%加入のとりくみ報告を学びました。その後、加入につなげるための対話トレーニングをグループで実践。自分の言葉で語ることの大切さを改めて確認し合いました。

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