国公労新聞|2025年2月10日号|第1638号

月額2万8000円以上の賃上げを
2025春闘スタート【経団連を包囲】

 国公労連は1月17日に中央闘争委員会を開催し、国家公務員(行政職(一))の賃金を月額2万8000円(6.9%)以上、非常勤職員の時給を200円以上の引上げをはじめとする2025年春闘における統一要求を確認・決定しました。
 この統一要求を、各職場において所属長に必ず提出し、2月28日までを基本に上申を勝ちとりましょう。

内部留保を賃金に回せ

 1月17日、全労連と国民春闘共闘委員会が春闘スタートとなる2025年春闘闘争宣言行動を実施しました。厚生労働省前行動、丸の内デモ、経団連包囲行動を展開し、「すべての労働者の大幅賃上げ・底上げを実現しよう」「大企業は内部留保を賃金・下請け単価に回せ」「労働基準法を骨抜きにするな」と声を上げました。
 経団連包囲行動では、国公労連の笠松鉄兵書記長が次の決意表明をしました。

中高年、非正規労働者の賃上げを

 大企業がため込んでいる内部留保は、いま、宣伝カーの前で国公労連の仲間が掲げているように(写真上)、なんと553兆円にものぼっています。すべて現金であるというわけではないのでしょうが、1万円札で積み上げるとその高さは5000キロオーバー、直線距離にしてマレーシアにも届くほど蓄積されています。
 そこまで積み上げる必要があるのか。2023年度に限っても経常利益は63兆円、内部留保に積み増した額は28兆円です。これらを活用すれば全労連・国民春闘共闘の要求「誰でも月3万2000円以上の賃上げ」は可能です。
 人手不足が深刻になるなか、初任給大幅引上げのニュースが連日流れています。初任給の引上げはよいことなので、どんどんやってほしいと思いますが、一方で、会社を中心で支えている中高年層の賃上げはどうなっているでしょうか。非正規労働者の賃上げはどうでしょうか。
 会社の儲けは労働者の努力によって生み出されたものです。株主や役員報酬、内部留保への積み増しを厚くするのでなく、労働者に振り向けるべきですし、その際、初任給だけではなく、中高年層の職員をはじめすべての労働者に配分すべきです。
 中高年層の職員の賃金抑制や非正規労働者への置き換えにより人件費を抑制している現状を変え、すべての労働者が生活改善できる大幅な賃上げを行い、安心して働き、暮らせる環境を整備すべきです。
 私たち国家公務の職場でも同様です。初任給は上がるけれども、中高年層職員の賃上げは物価上昇にまったく追いつかず、「給与制度のアップデート」によってアップどころかむしろダウンし、賃下げとなる職員も少なからず発生します。政府が賃上げをめざしているなかで、足下で賃下げが起こるのは、あまりにも理不尽です。こうしたことを払拭する春闘にしなければなりません。私たちの要求も春闘の前進なしにはあり得ません。
 25春闘勝利に向けては、組合の力を大きくする=組合員を増やして賃上げの世論を大きく広げることが不可欠です。仲間を増やしながら要求を前進させていく決意を述べて発言を終わります。ともに頑張りましょう。

ビクトリーマップ運動を全国で

 国公労連は、25春闘において、すべての労働者の大幅賃上げの実現と、貧困と格差の解消をめざして、大企業の内部留保の取り崩しを求める「ビクトリーマップ」運動を全国で展開します(ビクトリーマップビラひな形参照)。各県国公やブロック国公で作成したビクトリーマップを活用した地域での宣伝行動を展開しましょう。

【性的マイノリティ】誰もが働きやすい職場へ
ジェンダー平等オンライン学習会ひらく

 国公労連は1月10日、「みんなで学ぼうジェンダー平等」第3回オンライン学習会を開催しました。今回の学習会は、性的マイノリティに関する課題をテーマに、トランスジェンダー当事者の遠藤まめたさんをお招きして、「多様なセクシュアリティについて考えよう〜誰もが働きやすい職場環境をめざして〜」と題したご講演をいただきました。

学びを深め誰もが働きやすい職場へ

 国公労連は昨年12月21日に開催した第163回拡大中央委員会において、「性的マイノリティをめぐる職場環境の改善等に関する要求書」を確立しました。これに伴い国公労連では、性的マイノリティ当事者の職員が働きやすい職場環境の実現をめざし、職場でのジェンダー学習をすすめ、政府及び人事院への要求を強化していくこととしています。この学習会は、そのための第一歩のとりくみとして開催されました。
 講演で遠藤さんは、「性の多様性については、多くの大人があまり習ってこなかった分野」であり、「たとえ悪意が無くても、知識がないことにより当事者を傷つけてしまったり、アウティングなどのトラブルを生じさせてしまうことがある」と説明。誰もが働きやすい職場環境づくりに向けて、必ず知っておくべきことだと強調しました。

「いる前提」と「肯定的な言及」を

 そして、性を構成する要素として、性的指向(どんな性別の人を恋愛や性的関心の対象とするのか)及び性自認(自分をどのような性別と認識するのか)について解説し、それは血液型のように誰もが持っているものであり、「同性を好きな人は少なくとも30人に1人はいるといわれている」と紹介しました。そのうえで、「当事者は身近に必ずいるという前提で過ごすこと、そして普段から肯定的な言及を心掛けることが大切だ」と呼びかけました。

労働組合としての役割発揮を

 参加者からは、「これからは、自分が気付いていない当事者も近くにいるという前提で、普段の話し方などを配慮していきたい」「自分の中のジェンダーバイアスに気付かされた」「労働組合がこうした問題の相談相手として役割発揮するためにどのようなとりくみをすすめるかが課題」などの感想が寄せられました。
 遠藤さんからお勧めの映画として『トランスジェンダーとハリウッド:過去、現在、そして』『リトルガール』が紹介されました。

公務公共サービス拡充署名要請

【北海道国公発】
 北海道国公は公共サービス拡充署名を広げるため、恒例の他団体への要請を1月28日に実施しました。
 全労働、国土交通労組など各単組の署名も携えて、道労連、札幌地区労連といったローカルセンターや、道高教組、道農協労連、北海道医労連など各産別労組8団体を訪問し、国家公務員の体制の窮状を訴え、署名への賛同を求めました。対応して頂いたみなさんからは、「リアルな話が聞けて、実情と危機感が実感を持って伝わってきた」など、訪問を歓迎されました。また、人事院勧告準拠としてきた公務関連職場において、「据え置き、悪いところ取りが横行している。国のリアルな制度運用に係る情報収集が必要」と、一層の連帯を求めたいとの声もあり交流も深まりました。北海道国公では2月末に地元議員要請を予定しています。

国公労連本部に新職員 鎌田 亘さんが着任

 2025年1月から国公労連本部(教宣部)に職員として着任した鎌田亘(かまたわたる)さん。趣味は、バドミントンと読書。いまは労働組合や国公労働運動についての学習に奮闘中です。

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