国公労新聞2020年3月25日号(第1540号)

【データ・資料:国公労新聞】2020-03-25
2020年春闘統一要求に対する政府・人事院回答を受けて
働きがいある職場づくりにむけて引き続き奮闘しよう

 国公労連は3月23日、政府と人事院との春闘期の最終交渉を実施しました。最終回答を受けて、国公労連は中央闘争委員会を開催して声明を発表しました。声明の内容を要旨で紹介します。
 昨年10月の消費税増税によって昨年10〜12月期の実質成長率が大幅なマイナスとなり、この1〜3月期もマイナス成長が予想されています。さらに新型コロナウイルスの感染拡大によって経済活動の停滞が懸念されるもと、内部留保を活用した賃上げが求められました。しかし、一部の企業を除く大企業は莫大な内部留保を抱え込んだまま、今春闘における賃上げ回答はベアゼロ・低額にとどめるなど労働者に犠牲を強いています。

政府・人事院の最終回答
 政府・人事院の回答は「人事院勧告もふまえ、国政全般の観点に立って総合的に検討」(政府)、「情勢適応の原則にもとづき、必要な勧告を行う」(人事院)とこれまでの範疇にとどまる内容でした。そもそも現在の不況の発端はアベノミクスによる格差と貧困の拡大によって生み出されたものです。これを打開するためには労働者・国民の所得を改善し、消費拡大をはかることこそが必要です。
 賃金の地域間格差は、国公労働者の生活や働きがい、人事管理など部内にとどまらず、最低賃金とも相まって地域経済にも少なくない影響を与えています。与党内に全国一律最低賃金制をめざす議員連盟が結成され、日弁連も意見書をとりまとめるなど世論が高まっており、賃金の地域間格差を解消することこそが求められています。

 非常勤職員の処遇改善と雇用の安定
 非常勤職員の処遇改善は、政府「申合せ」や人事院「指針」により、給与水準の引き上げ、通勤手当や一時金の支給などの改善が行われています。しかし、非常勤職員の定員・処遇は「予算の範囲内」という制約があることから、賃金単価は改善されても年収が変わらないなどの問題が生じています。パートタイム・有期雇用労働法により、同一労働同一賃金の実現が社会的な要請となり、民間では無期転換権が保障されているなかで、国家公務員だけを対象外とする不誠実な国の姿勢は許されません。

パワー・ハラスメント対策のとりくみ
 人事院は、公務職場におけるパワー・ハラスメント防止対策として、規則を制定し6月1日から施行するとしています。行政利用者による言動もパワー・ハラスメントと位置づけるなど私たちの要求を反映した部分もあります。具体的な運用にあたっては、被害者が泣き寝入りしなければならない事態を生じさせない相談対応の実現などを求め、引き続き職場からとりくみを進める必要があります。

 定年延長の法案が国会に提出される
 定年延長をめぐって、3月13日に国家公務員法「改正」案が閣議決定され、今後は国会審議や人事院規則制定にむけたとりくみが重要となります。国家公務員の定年延長が地方公務員や民間労働者に与える影響をふまえ、広範な労働者と連帯して要求実現にむけたとりくみを進めていきます。同時に、再任用制度を含めた雇用と年金の確実な接続、処遇改善にむけたとりくみも強化する必要があります。

定員確保をめざして
 昨年4月から超過勤務命令の上限規制等がスタートしています。しかし、超勤縮減の具体的方策が示されない中で上限規制だけが先行していることなどによってサービス残業やかくれ残業が増加しています。
 この長時間労働の是正や、非常勤職員制度、ハラスメント、定年引き上げと高齢期雇用、女性活躍とWLB(ワーク・ライフ・バランス)の推進、障がい者雇用などの問題の根底にあるのは定員問題に他なりません。政府は「業務見直しや定員の再配置を進めていく」「WLB定員などできる工夫を行っている」としていますが、現在の定員管理政策が破綻していることは明らかです。国公労働者の働きがいが実感できる職場の実現、国民本位の行財政・司法を確立するうえでは、総定員法の廃止や定員合理化計画の中止による定員確保が必要なことは明らかです。

公正で民主的な公務員制度の確立
 「国家公務員制度に関する要求書」を提出し、労働基本権回復にむけてILO勧告にもとづく交渉・協議の場の設定や民主的公務員制度を早急に確立するよう強く求めてきました。しかし政府は、私たちの再三再四にわたる要求に背をむけ、具体的な回答すら行いませんでした。森友・加計問題をはじめ、「桜を見る会」や検察官の定年延長問題など安倍政権による行政と税金の私物化が極まる中、問題の真相解明と公正で民主的な行政運営・公務員制度の確立こそが求められており、引き続き政府への追及を強めていく必要があります。

 春闘の到達点ふまえ人事院勧告期の要求実現にむけて
 国公労連は、今春闘で賃上げとともに重点課題の要求前進をめざし奮闘してきました。人事院勧告をはじめとした制度的な制約もあり、春闘期での決着はかないませんでしたが、引き続き要求実現にむけてたたかいを進める必要があります。
 20年春闘のたたかいをさらに発展させ、最低賃金の引き上げや全国一律最低賃金制の実現と結合した公務員の賃金改善、非常勤職員や再任用職員、障がいを持つ職員など国家公務で働くすべての職員はもとより、公務・民間を問わず誰でも安心して働き続けられる社会の実現をめざします。また、憲法に保障された権利を守るための国民本位の行財政・司法の確立に必要な大幅増員、憲法9条「改正」をはじめとした「戦争する国づくり」を許さないたたかいなどに引き続き奮闘していきます。
 国公労連中央闘争委員会は「ひとり一行動」のスローガンの下、20年春闘に結集されてきた全国の仲間に敬意を表するとともに、春闘最終盤までの奮闘と人事院勧告期へと続くたたかいへの結集を呼びかけます。

4〜6月は組織強化・拡大月間
一人残らず声をかけ仲間づくり進めよう

 4月には新規採用者をはじめ、人事異動などで多くの職員が職場に着任します。国公労連は、3月を準備期間、4月から6月の3カ月間を組織強化・拡大月間として、仲間づくりをおおいにすすめようと呼びかけています。現在、新型コロナウイルスの影響で新規採用者の研修が従来の形では開催できないなど、イレギュラーの状況もあるため工夫したとりくみが求められています。国公労連が仲間づくりの資材として毎年作成している「Join us!」を職場で声をかけるツールとして活用しましょう。各単組は、すべての新規採用者の組合加入にむけた準備をすすめています。そのとりくみの状況を紹介します。
 全司法は、新規採用職員歓迎パンフレットと全司法青年協議会の加入呼びかけチラシを作成しています。パンフレットでは、労働組合の役割や裁判所で唯一の労働組合「全司法」を紹介し加入を呼びかけています。
 全経済は、「あなたも全経済へ」との新規採用職員歓迎リーフレットを作成しています。リーフレットでは、全経済の紹介とともに「青年交流会in沖縄」や「しゃべりば・ユニオンカフェ」などで青年組合員がいきいきと交流している様子を紹介。全国各地の職場の青年からのメッセージとともに、労働組合への加入を呼びかけています。
 全労働は、新規採用職員、組合未加入職員にむけたリーフのほかに、今回は監督官むけの加入呼びかけリーフを作成しています。また、全労働青年協議会もリーフを作成しています。
 全医労は、正規職員用、非常勤職員用のパンフレットを作成し、働くうえでの悩みなどを解決する全医労の魅力を紹介しています。各支部が2月中には青年組合員を中心に新歓プロジェクトチームを立ちあげ、組合説明会や歓迎会などの企画を準備しています。また、新型コロナウイルス感染症対応によって、組合説明会の方法などでの慎重な対応と、イレギュラーな事態に備え、用意周到な準備をはかろうと意思統一しています。
 全法務は、新規採用職員歓迎リーフを作成し、先輩からのメッセージを掲載して「あなたも全法務の仲間に」と呼びかけています。
 全厚生は、職場の仲間のメッセージを掲載したリーフを作成し、職場の門前での宣伝や机上配布を行い、仲間づくりをすすめています。
 国土交通労組は組合紹介パンフ「We are kokkoroso!」を活用するとともに、職場の掲示板にポテッカーを一斉に貼りだしています。パンフでは国土交通省の各職場で奮闘する青年が組合加入を呼びかけています。また、職場活動の進め方をわかりやすく解説したパンフレット「なかまづくりのススメ!」を作成し組織拡大を推進します。
 4月には、人事異動によって多くの仲間が新しい職場に転勤してきます。組合への継続加入を実現するためには、送りだし職場と迎える職場のコラボが大切です。送りだす組合は転勤先での継続加入を働きかけ、受け入れる組合は「職場を良くするため、あなたの力が必要。引き続き組合へ」と呼びかけましょう。

原告を支えた10年の役割に終止符
全厚生闘争団を支える会が解散

 全厚生闘争団を支える会は3月18日、第10回総会を東京の全労連会館で開催しました。
 全厚生闘争団支える会(以下「支える会」)は、社会保険庁不当解雇撤回闘争が始まった2010年に結成され、これまでの10年間、当事者(原告)の生活と活動を物心ともに支える重要な役割を担ってきました。
 総会では冒頭、代表世話人の小田川全労連議長と小部弁護士があいさつ。小田川議長は「突然の解雇で労働者としての尊厳を傷つけられ、生活の基盤を奪われたなかでも、くじけずにたたかいに奮闘してきた仲間に敬意を表する。今後もこのたたかいを語り継いでいかなければならない」、小部弁護士は「この事件は戦後初の国家公務員の大量解雇事件。それなのに最高裁が何の指針も示さなかったのは大変な問題だ。裁判闘争が終結して弁護団としてはひとつの役割を終えたが、仲間を職場に戻すまでみなさんと一緒にがんばっていきたい」と力強く述べました。
 その後、全厚生闘争団の中本事務局長(国公労連書記次長)が、たたかいの経過と議案を提案。裁判闘争の終結で役割を終えた支える会は、この総会をもって解散することを提案しました(全会一致で承認)。
 また、全厚生闘争団の盛田団長(全厚生委員長)は、「解雇された仲間たちは激しいバッシングのなかで勇気をもって立ち上がったが、多くのみなさんの支えなしにはたたかえなかった。裁判では解雇の正当性が客観的に何も明らかにされていない。これからも、全面解決を勝ちとるまであきらめずに堂々とたたかい続ける」と決意を表明。さらに、この総会に参加した3人の当事者(東京原告の松本さん、京都原告の平野さん、中本さん)も、これまでの支援への感謝と、引き続きたたかいに奮闘していく決意を述べました。
 最後に、代表世話人の岡部国公労連委員長が、「この総会が、勝利解決ではなく解散というかたちで迎えることになってしまったことは残念で忸怩たる思いだ。しかし、今後も社保庁不当解雇撤回のたたかいは続く。引き続き国公労連として全厚生闘争団をしっかり支援していきたい」と述べ、最後の開催となった支える会総会を締めくくりました。
 
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