国公労新聞2019年12月25日号(第1535号)

【データ・資料:国公労新聞】2019-12-25
第154回拡大中央委員会
「ひとり一行動」で賃金・労働条件の改善、行政体制の拡充、仲間づくり進めよう


 国公労連は12月20日、第154回拡大中央委員会を東京都内で開き、中央委員23人、特別中央委員41人が出席しました。拡大中央委員会では、①国民本位の行財政・司法の確立、②すべての労働者の賃金引き上げと雇用の確保、③憲法を守り、戦争する国づくりを許さない、④職場で働くすべての仲間を視野に入れた組織拡大・強化の4つの柱を打ち出している春闘方針案を議論し、「2020年春闘方針」と「2019年秋季年末闘争のとりくみ経過と到達点について」を満場一致で決定しました。全労連の岩橋祐治副議長、日本共産党の塩川鉄也衆院議員から激励あいさつを受けました。
 冒頭、あいさつに立った岡部委員長は、モリカケ問題に続き「桜を見る会」で国政の私物化が極まり、行政府に対する国民の不信が渦巻くなか、現場第一線で行財政・司法を支えている国公労働者の誇りを傷つけ、働きがいを奪っていることを指摘。「徹底的な真相解明、抜本的な再発防止策が急がれる。行政民主化のとりくみをすすめ、『公正で民主的な公務員制度の確立をめざす提言』の補強も行い、政府に要求として迫っていきたい」と述べました。
 また、岡部委員長は、①世論・政治・労使関係を変える『3つのチェンジ』で行政体制の確保、増員の実現、②「春闘相場」は私たちの要求に対する社会的な第一次回答。私たち公務員にとっても春闘がたたかいのメインステージ。国民春闘に「ひとり一行動」で職場・地域から結集しよう、③年明けの通常国会に定年延長の関連法案が提出される。解散総選挙の可能性もあるなか、主権者としての権利を行使しよう、④「再び戦争の奉仕者にならない」ために、改憲発議反対署名で国会を包囲し、平和で誰もが尊重される社会をつくろうと呼びかけました。続いて九後書記長が、2020年春闘方針案を提案しました。
 討論では20人から発言がありました。
 賃上げ・労働条件課題では、「大企業が富を積み上げる一方で、労働者の暮らしは悪化、貧困が拡大している。春闘にひとり一行動で結集する」(国土交通労組)、「同じ省庁でも非常勤職員の労働条件が違い、同じ仕事をしていても賃金が異なる。非常勤職員の要求をつかみとりくみを前進させたい」(国公一般)、「増え続けている大企業の内部留保を賃上げや社会保障拡充にあてさせる必要がある。公務員の賃金にも影響する最低賃金の引き上げに奮闘する」(京都国公)、「ビクトリーマップ宣伝を毎月実施している。来年2月に開催する春闘討論集会では意思統一に加え、単組間で非常勤職員の課題を交流する。SNS通信員制度は良いとりくみ。春闘で発信を強化しよう」(青森県国公)、「4月からの超勤上限規制で持ち帰り残業など隠れ残業が増え、仕事は減っていないのに申告する残業が減っている。実効ある超勤縮減にとりくむ」(広島県国公)、「社保庁不当解雇撤回の裁判では秋田事案が最高裁上告不受理の不当決定。この間の支援に感謝。不受理は、最高裁が門前払いをしたもの。年金不信をあおった記録問題について、司法の判断が必要だった。東京地裁で一部勝利を勝ちとったり、人事院では10人の処分取り消しを勝ちとるなど成果もあった。仲間の名誉を回復し分限免職の不当性を明らかにするためにたたかう。引き続きのご支援を」(全厚生)、「当局交渉にこだわった春闘にし、すべての支部が統一要求の提出と当局交渉を実施することをめざす。上限規制によって隠れ残業が増えた、申請しにくいなどの声がある。客観的な時間管理の仕組みが必要。実効ある超勤縮減にむけた役割を発揮したい」(全法務)、「赴任旅費の持ち出しが多く改善が必要。60歳になると賃金が7割に減るという定年延長は憲法違反だ。民間は6割が59歳の賃金と変わらない。安心して働ける職場の観点からのパワハラ防止が必要」(全労働)などの発言がありました。
 「国民の権利と安心・安全をまもる運動」では、「モリカケ、桜を見る会などで公務員批判が広がっているが、だからこそ春闘に結集し、民間の仲間と一緒になってとりくみをすすめ、公務労働組合の姿を見せることが重要だ」(国土交通労組)「公共サービス拡充の国会議員要請を2月に実施する。またシンポジウムも開催し行政体制拡充をアピールする」(愛知国公)などの発言がありました。
 組織強化の課題では、「青年フォーラムにかかわって、親しみやすい労働組合、青年組織づくりをめざしている。青年層の盛り上がりは組織存続のために重要。青年フォーラムでは役員が職場の仲間と直接話すことをめざしている。魅力があり、楽しくなければ結集は難しい。組織拡大では、青年自らが新規採用者に声をかけることが大事だ」(国土交通労組)、「国公青年交流集会に全司法から30人が参加。単組、地域を超えた交流ができ有意義だった。次世代育成のため、司法制度研究集会を3月に開催する」(全司法)などの発言がありました。



 
公的年金の役割放棄、「信頼回復」ほど遠い
年金機構発足10年を検証するシンポを開催


 国公労連と全厚生は11月28日、「日本年金機構発足から10年を検証するシンポジウム」を東京都内で開催し、約100名が参加ました。
 コーディネーターの加藤弁護士は、「社保庁職員の不当解雇撤回での最高裁の結果は残念だが、大きな成果も勝ち取ってきた。一方で政府は、年金大改悪と年金機構で公的年金で最低限の生活を支える立場を完全に放棄した。525名の大量解雇で年金業務の停滞や記録流出、間違いが多発している。諦めずに働く権利を回復し、職場復帰を追及することと、国の責任によって年金で暮らしを守る方向に転換させるたたかいが求められている」と語りました。

政府に責任を取らせる
 毎日新聞の東海林記者は「職員のクビを切っても何の解決にもならない。職員に責任転嫁して逃げるだけのもの」「朝日新聞は『政治のパワハラ』を掲載したが、その前には労働安全衛生法による労使協定を『社保庁労組、100のヤミ協定』とバッシングしていた。それほど酷い状況だった。裁判では負けたが、この闘争があったから、政府の異常さが明らかになったし、全厚生の仲間10人の職場復帰を勝ち取る大きな成果も得た。裁判では負けたが、政府に責任をとらせるやり方はある」と強調しました。

政権の奉仕者ではない
 専修大学の晴山名誉教授は、「戦後50年余、国公法第74条4号による免職がなかったのは、公務員の全体の奉仕者性に一番の根拠がある」、「国公法による身分保障の憲法上の根拠は、15条2項の全体の奉仕者にあるとの憲法学説は定着している。全体の奉仕者とは、スト権などの権利制限の根拠ではなく、公務員が国民全体の奉仕者である独自の憲法上の地位を定めたもので、政権の奉仕者ではない」と述べました。

専門家の職員が激減
 年金者組合の吉田副委員長は、「年金機構と協会けんぽに分離され、相談業務で両方に行く必要があるなど、手間がかかるようになった」「6カ月契約のパート職員が窓口対応するため、いちいち上司に相談に行き時間がかかる。専門家である職員が激減している影響だ」「閉鎖主義、秘密主義がでてきた。例えば、以前からとりくんでいた不服審査請求で訪問した際、新聞記者を締めだしたり、写真を撮らせなかった」と機構のデメリットを指摘しました。

ノルマに追われる現場
 全厚生の平丸副委員長は、「年金窓口の対応は悪くなっている。その原因は雇止めを繰り返し、人材育成ができないことにある。今は6割が非正規職員だ。職場では実績主義できびしいノルマが課せられ、幹部は部下を怒鳴り、責任をとろうとししない。年金業務を国に戻し、本当の住民サービスを考えた組織運営とすべき」と機構の問題を指摘しました。
解雇撤回と年金改善を
 シンポジウムの最後に加藤弁護士は、「仕事のやり甲斐、誇りは、そこで働く労働者の権利が保障されてこそだ。解雇解決と職場を良くしていくことと、年金制度や年金行政を正すことを運動の両輪としてたたかう決意が改めて確認できた」と述べました。
 

 



くらし・営業守る市政へ
福山和人氏を支援


 国公労連は、京都国公の支援要請をふまえ、12月24日の第17回中央執行委員会において、京都市長選挙(1月19日告示、2月2日投票)に「つなぐ京都2020」が擁立し、立候補を決意した福田和人氏(京都弁護士会)の支援を決定しました。
 この市長選挙は、大企業優遇で街並みも市民の生活も悪化させる「京都市基本計画」の推進や、「業務のアウトソーシング」「中小企業への助成削減」「51もの小中学校統廃合」など、市民のくらしや営業を切り捨てる市政を転換するチャンスです。同時に、政治を私物化し、現市長を支援する安倍自公政権への審判ともなるものです。
 京都市内に居住している友人や知人、親類などに全国から支援の輪を広げるようお願いします。