国公労新聞2019年10月11日号(第1533号)

【データ・資料:国公労新聞】2019-11-10
充実した3日間
国公青年交流集会2019
単組こえて学び・つながり・楽しんだ


 国公青年フォーラムは10月25〜27日、福島県いわき市で「国公青年交流集会2019」を開催し、全国から約120名の青年が参加しました。
 開会日の25日は台風21号の影響で大雨となり、開会直後から緊急避難情報メールが鳴り響くなかでの開催となりました。いわき市は台風19号で被災しており、「自然災害と公務」をあらめて意識することとなりました。
 「原発再稼働を司法の場から問う〜私が大飯原発を止めた理由」と題して講演した元福井地方裁判所部総括判事の樋口英明氏は、大飯原発3、4号機の運転差し止め判決や原発の危険性などをわかりやすく話し、「自分の仕事の責任を誰に対して負っているのか」「先例主義や上にただ従うのではなく、自分で考え、思ったことを言おう」など熱く語りました。
 単組の枠を超えた分散会では、自分の仕事と自然災害のかかわりや、被災した経験などを交流し、他単組の仲間の話に「いろいろな職場のリアルな話が良かった」「貴重な経験になった」などの感想がありました。 
 2日目のレクでは、チームごとのゲームで打ち解けあい、フリスビーによる的当てゲームや大玉運びリレーなどのチームプレーで盛り上がりました。「分散会とちがった仲間の一面が知れてとても面白かったし、盛り上がった」「一致団結して新鮮な体験ができた」「チームの団結力を高められた。これを労働組合への団結力につなげていきたい」などの声が多数寄せられました。
 最終日には、いわき市が作成した東日本大震災のDVDを視聴し、スパリゾートハワイアンズの支配人のお話を聞きました。閉会式では、森運営委員長が「国公労連に結集してみんなで要求を前進させよう」「本集会を機に自分の仕事を見つめ直し、災害について考えよう」「国民本位の行財政・司法の確立のため私たちが考え、声をあげよう」と訴えました。参加者からは、「新たな出会いと、つながりを深めることができ本当に良かった」「公務の役割の重要性を『考え、声を上げて発信する』ことの大切さを理解した」「多くの学習と交流ができ、充実した3日間」「また参加したい」「定期的に継続してほしい」などの感想が寄せられており、国公青年フォーラムの意義があらためて明らかになりました。





社保庁不当解雇撤回裁判・秋田事案
10月17日に最高裁が上告を棄却


 最高裁第一小法廷(山口厚裁判長)は10月17日、社会保険庁不当解雇撤回裁判・秋田事案について、上告を棄却し、上告受理申立てを不受理とする不当決定を行いました。
 この決定は、仙台高裁判決の問題点を明確に示した上告理由書について何らの判断を示すことなく門前払いとしたもので、到底受け入れがたいものです。
 そもそもこの不当解雇は、政府・与党による社保庁職員への報復として断行された「政治のパワハラ」です。2004年に国会議員の年金未納問題が発覚し、この年の参院選挙で大敗した自民党が、個人情報を「閲覧」したとされる職員に対する大量の懲戒処分を強要し、さらに2008年には自民党の強い要請により、懲戒処分歴のある職員を日本年金機構に一律不採用とする閣議決定を行ったものです。このような強い政治的介入の下、年金問題の責任を末端職員に転嫁するかたちで断行されたのが本件の分限免職処分です。
 三権分立のもとで、独立した立場から、不当な政治的介入により権利を侵害された者を救済することこそが司法府の役割です。この事件については裁判所による積極的に踏み込んだ審理と判断が求められていました。政権に忖度し、裁判所としての役割と使命を放棄した最高裁に、国民の信頼は得られません。
 本件上告棄却により、7つの事案(北海道、秋田、東京、愛知、京都、愛媛、広島)でたたかってきた裁判闘争は、すべて上告棄却という不当な結果となりました。
 一方で、たたかいのなかで獲得した成果もあります。東京高裁の判決では、年金問題の責任を当時社保庁の現場で働いていた個々の職員に帰すべきものではないことが明記されました。また、分限免職回避努力義務の主体を厚生労働大臣に認めさせたことも大きな成果であり到達点です。これらの成果は、原告たちが勇気を持って立ち上がらなければ得られなかったものです。
 裁判闘争が終結しても、分限免職の取消と職場復帰などを求めるたたかいは続きます。年金機構の業務運営を改善させる運動と一体で、元社保庁職員を職場に戻すたたかいを進めることが重要です。裁判闘争に奮闘してきた原告とこの闘争を支えてくださった全国の仲間にあらためて敬意と感謝を表します。
 国公労連は、全厚生の社保庁不当解雇撤回闘争の早期解決をめざし、引き続き支援を強めるとともに、公正・公平な民主的公務員制度と確立するために奮闘します。





『非常勤職員の手記』を発表


 国公労連は新しいパンフレット『非正規公務員を差別しないで! 国の非常勤職員の手記』を作成し、10月18日に厚生労働省内の記者クラブで記者発表を行いました。
 このパンフレットは、全国の非常勤組合員から寄せられた手記をもとに、更新時公募などの不安定雇用の問題や、正規職員との大きな待遇格差の問題などを分かりやすく世論に訴えるための資料として作成したもので、今後、非常勤課題での集会や公務・公共サービス拡充を求める請願署名の要請行動、メディア対応の際などに活用する予定です。
 18日の記者発表には国土交通省の非常勤組合員も出席し、寒冷地手当などの生活関連手当や休暇制度での不合理な格差によって不平等な扱いをされていると訴えました。
 記者会見には大手メディア9社以上が出席し、その日のうちにインターネットメディアの弁護士ドットコムニュースが記事(「国家公務員『4人に1人が非正規雇用』 雇止め不安や待遇格差『差別やめて』」)を配信したほか、19日付の「しんぶん赤旗」でも報道されました。
 パンフレットは9月に単組と県国公に発送していますが、追加で必要な場合は国公労連本部までお問合せ下さい。また、国公労連のHPからもデータをダウンロードできますので、活用をお願いします。



 


超勤実態アンケート結果を発表
超勤縮減には増員が不可欠


 国公労連は10月17日に記者会見を行い、「超勤実態アンケート」(2019年6月実施)の結果を公表しました。
 本調査は4月から超過勤務の上限規制等が実施されているもと、その運用実態を把握し、適切な運用と制度の改善を要求するために実施したものです。調査はアンケート形式で実施し、全体で3863人から集約しました。

超勤時間の把握は自己申告が72.3%
 「超過勤務時間の把握について(複数回答可)」の問いに対して、「課室長への自己申告(事前・事後)」が72.3%と最も多く、続いて「課室長等からの命令(伺いも含む)」が30.7%という結果になっています。一方、「客観的な記録(タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間等)を基礎として把握」は6.0%と少ない結果になりました。

平均12.4時間、最大130時間
 6月の1カ月間で行った超過勤務は平均12.4時間、最大130時間で、7割を超える職員が超過勤務を実施しています。管理職員では、平均12.5時間、最大74時間で、6割弱が実施した結果となっています。
 上限を超えた割合は、他律的な部署では7.8%で、上限を超えた理由の約9割が「日常の(通常)業務量が多いため」としています。一方、それ以外の部署では5.2%で、上限を超えた理由の8割超が「日常の(通常)業務量が多いため」としています。
 また、超過勤務手当未払いとなっている者(実際の超過勤務時間数に比べて支払われた超過勤務時間数が少ない者)は24.6%となっており、平均9.9時間、最大で120時間となっています(管理職員除く)。

日常業務にも不足する要員 
 「超過勤務縮減にむけて必要な方策は(複数回答可)」との質問に対して、「職員の増員」が78.8%と最も多く、続いて「業務のカット・簡素化」63.1%、3番目は「管理職をはじめ職員の意識改革」で32.3%となっています。
 この調査から明らかになったことは、とりわけ通常(日常)業務が多く、恒常的に超過勤務が発生していることです。そして超過勤務の縮減には、「職員の増員」が必要であるということです。国民の権利保障や相次ぐ自然災害への対応など、良質で安定した公務・公共サービスを提供していくためにも業務量に見合った人員配置が求められています。
 「公務・公共サービス拡充を求める請願署名」などのとりくみで共感を広げ、「公務員増やして」の世論を大きくしていくことが重要です。