国公労新聞2019年9月25日号(第1531号)

【データ・資料:国公労新聞】2019-09-25
破綻している政府の定員削減
国民のための行政体制の拡充を
九後書記長に聞く 秋年闘争のポイント


総定員法の廃止、定削計画の中止
給与改善部分の早期実施を

Q 秋期年末闘争で重視する課題は何でしょうか
A 8月末に来年度の機構・定員要求が各省からだされました。その中身は、「新規増員の抑制」という政府方針のもとで、新規増員要求は多くの省庁が前年を下回っているものの、業務改革にかかる再配置要求や時限増員の要求は圧倒的多数の省庁が前年を上回る結果となっています。このことは、各省庁当局も人員不足を認識していることや、政府の定員管理政策が破綻していることの証左です。したがって、各単組を中心に定員要求の100%査定をめざすとりくみを強めるとともに、国公労連として、総定員法の廃止や政府が6月に一方的に各省庁に通知した向こう5年間の定員合理化計画を中止・撤回を求めて追及を強めます。また、年末段階から各単組でも増員署名のとりくみが始まると思いますが、それとあわせて国公労連が提起する国会請願署名の集約や地元国会議員への要請等、世論と政治を変えるとりくみも重要です。

Q 人事院勧告をめぐる状況はどうなっているでしょう
A 今年の人事院勧告は6年連続で本俸・一時金ともプラスになりましたが、①ベテラン層は給与改定がないこと、②初任給は引き上げられたものの、地域によっては最低賃金を下回る水準となることなどの問題を含んでいます。くわえて、住居手当の「見直し」によって、支給額の上限は引き上げられたものの、手当が支給されている人の約4割が引き下げとなります。勧告にもとづく給与法「改正」案は10月4日開会が想定されている臨時国会に提出されると見込まれますが、給与改善部分の早期実施と住居手当改悪部分の不実施、長時間労働の是正、非常勤職員の労働条件改善と雇用の安定などの要求実現にむけ、政府・内閣人事局に対する追及を強化します。
 また、住居手当の「見直し」は家賃相場の低い地方居住者にダメージを与えることになりますが、地域手当による20%もの賃金の地域間格差とあわせ、その解消が求められています。公務員の賃金が「民間準拠」である以上、最低賃金の底上げや全国一律最低賃金制の実現、民間における大幅賃上げとセットでとりくんでいく必要があります。当面、来春闘にむけた要求アンケートをすべての組合員はもとより、未加入にもひろげることで、賃上げの必要性に確信を持ち、社会的な賃金闘争の一翼を担うことが求められています。
 
10-11月は組織拡大強化月間
職場に労働組合の風を吹かそう
 
Q 働き方などをめぐる状況も重要ですが
A 政府は定年延長について現時点でも具体的内容やスケジュールなどを明らかにしていません。一方で1961年生まれの人から年金支給開始年齢は65歳となります。現在の再任用制度では、雇用と年金の確実な接続ができないことや、定年年齢が目前に迫っている高齢層は制度が示されないことによって60歳以降の生活に対する不安が高まっています。したがって、退職金のあり方も含め、早期に具体的内容とスケジュールを示し、雇用と年金の確実な接続を実現するよう政府追及を強めます。
 また、長時間労働の解消について、組合員のみなさんにご協力いただいた「超過勤務実態アンケート」の分析を現在行っていますが、「かくれ残業」や不払い残業などの問題も明らかになっています。したがって、職場段階で不適切な運用が行われていないかの監視や問題解消にむけた管理者追及も重要です。
 マイナンバーカードの取得は個人の自由であるものの、政府は公務員などに対して2019年度中の取得を事実上強制しています。こうした動きに対し、11月5日からの「全国統一行動週間」において職場決議を確認・送付し、政府に対して取得の強制を行わないよう追及を強めます。
 
Q 10-11月は組織拡大月間でもありますね
A 言うまでもなく、要求実現の土台は職場の労働組合です。10月1日には新しい仲間を迎える職場もたくさんありますし、非常勤職員や再任用職員など組合加入を働きかけきれていない人もいると思います。ぜひ、職場に働くすべての仲間を視野に入れた組織拡大を実践してください。また、日常活動を着実にやりきることで「労働組合の風が吹いている職場」をつくっていきましょう。




高卒初任給の最賃割れ地域が拡大
初任給を抜本改善せよ

 国家公務員の初任給の低さが問題視され、そのことが「連合通信・隔日版」9月3日付にもとりあげられています。今年の人事院勧告で、初任給が月額2千円引き上げられたものの、一般職(高卒者)・行(一)1級5号俸と民間の高卒初任給を比較すると、1万4812円公務が下回っています。民間との格差は何年経っても解消せず、むしろ拡大傾向にあります。

34市町村で最賃割れ
 くわえて、高卒初任給を超過勤務手当を支払う際に使用する勤務1時間当たりの給与額算出方法(俸給の月額+俸給の月額に対する地域手当等×12月/1週間あたりの勤務時間(7時間45分×5日)×52週)で時間額を算出すると時給が897円となります。これは、地域手当が支給されない地域であれば、東京、神奈川、大阪、埼玉、愛知、千葉、京都、兵庫で地域最低賃金を下回り、最低賃金の全国加重平均901円にも届いていません。仮に地域手当が加算されても表のように5都府県34市町村で最低賃金を下回り、立川市・三鷹市(東京)、相模原市・横須賀市(神奈川)、豊橋(愛知)など一定規模の地域でも最低賃金を下回る結果となっています。
 国家公務員は最低賃金法は適用されませんが、最低賃金法が「賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的」としていることから、国家公務員の賃金であってもこれを下回って良いというものではありません。

人材確保も困難
 現状では、最低賃金を上回る地域が多いものの、政府は最低賃金を「早期に全国加重平均が1000円になることを目指す」としており、初任給の抜本改善がなければ、地域最低賃金を下回る地域がいっそう増加します。そもそも、国民の権利保障や安心・安全をまもる国家公務員の賃金水準が最低賃金スレスレの状態にあること自体が問題です。
 現在、国家公務員採用試験の申込者数が減少しているもとで、優秀な人材確保にむけても初任給や若年労働者の労働条件改善は喫緊の課題です。
 これから昇格改善などにむけたとりくみが本格化していきます。職場の中心となって奮闘している中高年層職員の昇格改善とあわせて、格付け見直しをはじめとする初任給の抜本的な改善を求めていきましょう。


 

増勢で大会を迎えた全厚生
秋の組織拡大強化月間も奮闘

 【全厚生発】2009年の社保庁解体など困難な状況が続くなか、全厚生は組合員の減少が続き、支部では組織拡大になかなか踏みだしにくい状態が生まれていました。このような状況をなんとか打開しようと、全厚生はこの3年間、「職場を笑顔に」を基本スローガンに掲げて、とりわけ職場でのとりくみにこだわって運動をすすめてきました。
 本部役員が各支部や分会に足を運び、とにかくまずは支部と一緒になって動く。職場前でのビラ配り、職場集会や掲示板の設置など、職場に組合を見せるとりくみを地道に続けました。はじめの1年間は目に見える大きな変化はありませんでしたが、2年、3年と続けていくうちに徐々に変化が生まれてきました。新たに加入した仲間がほかの職員に声をかけ、それをきっかけに加入した仲間がさらにほかの職員に声をかける…といった連鎖が生まれ、組合員が1人しかいなかった分会が8人になりました。また、非正規組合員が正規職員に声をかけて加入に結びつくといったケースも。そんななか、全労連の最重点計画へのエントリーを承認していただき、財政的支援を受けられたことが大きな後押しとなり、一気にとりくみがすすみました。各支部が粘り強くとりくみを続け、今年9月の定期大会を増勢で迎えることができました。
 この間のとりくみで感じたことは、「動くと意識が変わる」ということです。人の意識を変えることはとても難しく、そう簡単に変えることはできません。しかし、まずは一緒に動いてとりくみをすすめれば達成感が得られ、そこに拡大という結果がともなうと大きな満足感を得ることができます。そのことが、とりくみに対する意識を変えます。まずは動く。このことがとても大切だと実感しました。
 この間のとりくみをすすめるにあたっては、職場の仲間の奮闘はもちろん、全労連や国公労連本部をはじめ、各県国公、県労連、他単組のみなさんの多大なるご支援とご協力をいただきました。心から感謝するとともに、秋の組織拡大強化月間でも、職場を笑顔にするために奮闘していきたいと思います。