あらたな「定員合理化目標数」の決定に抗議する(談話)

【私たちの主張:私たちの主張】2019-06-28
2019年6月28日
日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)
書記長 九後 健治
 
 政府・内閣人事局は、本日(6月28日)、「令和2年度から令和6年度までの定員合理化目標数について」を各府省に対して通知した。
 各府省は、この通知に基づき、①毎年度の予算編成過程において、所要の定員合理化の要求を行う、②「国の行政の業務改革に関する取組方針」(総務大臣決定)に基づいて業務改革を推進し、定員合理化目標数のうち掲げる数の範囲内で、定員の再配置の要求を行うことができる、③業務改革に係るものについては、5年の計画期間内において、各府省における業務改革の取組状況等を踏まえ、各年度に実施する合理化の員数を定める、④「経済財政運営と改革の基本方針2019」(令和元年6月21日閣議決定)に基づく既存業務の抜本見直しの結果を踏まえ、新たな機構・定員管理体制について検討を行うなどとしている。
 国公労連は、この間、政府に対して6・21官邸前行動をはじめ、交渉などを通じて国民のための行財政・司法の拡充を求めていたにもかかわらず、何らの説明もなく、あらたな「定員合理化目標数」を通知した政府の姿勢に断固抗議する。
 
 今回の通知は、2014年7月25日に閣議決定した「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針(以下、「機構・定員管理方針」)」を具体化したものであり、あらたに2020年度から2024年度までの5年間の「合理化目標数」を決定している。
 「機構・定員管理方針」では、機構管理について、「政策の重要度等を踏まえた機構の重点配置及び府省の枠を超えた機構の再配置を推進する」として、府省の枠を超えた機構管理の方針を打ち出した。
 定員管理については、「5年ごとに基準年度を設定し、府省全体で、対基準年度末定員比で毎年2%(5年で10%)以上合理化する」として、各府省の5年ごとの「合理化目標数」を内閣人事局が通知する「合理化計画」を継続し、永続的に「定員合理化計画」を策定することを盛り込んだ。「合理化目標」率は、省庁によって様々であるが、その根拠については、明らかにしていない。
 また、各年度の定員管理については、新規増員は「特に必要な場合に限る」とし、既存業務の増大に対しては「自律的な組織内の再配置によることを原則とし、新規増員は厳に抑制する」としている。さらに、内閣人事局が「重要政策に対応した戦略的な定員配置を実施する観点から、府省の枠を超えた大胆な定員配置を推進する」としているなど、府省間の定員再配置を強調している。
 機構・定員の査定にあたっては、各府省に「行政事業レビューや政策評価の結果、行政評価等による勧告等を反映し、定員配置の最適化を図る」ことを求めるとともに、それを促進させるために総務省が策定した「国の行政の業務改革に関する取組方針」を各府省が踏まえて要求を行い、内閣人事局が「審査に適切に反映させる」としている。そのうえで、各府省の業務改革のとりくみと査定への反映状況を総務省と内閣人事局が公表するとしており、査定官庁の影響力を強めている。
 「働き方改革」や震災復興、相次ぐ自然災害への対応など公務に対する期待は高まっている中で、その期待に応じて複雑・困難化する業務、職員の健康管理問題など、現実に深刻化している職場の実態を顧みず、総人件費抑制と使用者権限の強化のみに焦点をあてたものと言わざるを得ない。
 
 これまでも直接国民と対応を行う地方の職場を中心に、連年、定員削減が押しつけられている状況において、これ以上の総人件費抑制による定員削減は、さらなる行政機関の機能の脆弱を招き、国民の権利保障機能を低下させ、職員の健康破壊を加速させるものである。いま政府がなすべき課題は、行政分野の実態に着目して、行政需要にみあった定員の大幅増員による体制確保とそれによる公務・公共サービス機能の向上である。
 総定員法が施行された1969年当時、約90万人配置されていた行政職員は3分の1以下にまで減少しており、各府省は純減を食い止めるために新規施策による増員を要求しているが、行政ニーズに応えるために既存の業務を減らすこともできず、結果として、定員削減と業務量増がセットで負荷され、年々繁忙度合いが増加し、業務の繁閑に応じてメリハリをつけて定員を再配分することは、すでに限界を超えている。また、定員の縛りが、フルタイム再任用の確保、非常勤職員の無期雇用化、障がい者雇用、両立支援制度を活用できる職場、ハラスメントの無い職場など、誰もが安心して働くことができる環境整備を妨げていることからも、政府は、従前の定員管理の手法を永続化するのではなく、総定員法を廃止など、定員管理政策を抜本的に見直すべきである。
 
 国公労連は、今回の通知に断固抗議するとともに、国民のための行財政・司法を確立する立場から、国民の権利保障機能の後退をまねきかねない政府方針の中止・撤回を強く求めるとともに、行政需要にみあった定員の大幅増員による体制確保を求めるものである。
 一方で、この間の全国の仲間の「国民の権利と安心・安全をまもる運動」で、国民の権利と安心・安全をまもるために公務・公共サービスの拡充が必要であることの世論は確実にひろがっている。このことを確信に引き続くたたかいへの結集を呼びかける。