国公労新聞2019年6月25日号(第1525号)

【データ・資料:国公労新聞】2019-06-25
夏季交渉スタート
非常勤
夏季休暇、有給の病休実現せよ
 
 国公労連は6月17日、2019年人事院勧告にむけた重点要求書を人事院に提出しました。また、政府・内閣人事局に対しては概算要求期重点要求書とこの間職場からとりくんできた「定年年齢の引き上げに関する要求署名(2万2161人筆)」「国家公務員の『定員合理化』計画の撤回を求める団体署名(1219団体)」を提出し、夏季闘争における交渉をスタートさせました。
 人事院に対しては、①地域間格差の解消と内需の拡大で景気回復を実現するためにも、すべての職員が生活改善できる賃上げを行う必要があること、②住居手当、通勤手当を実態に即して改善すること、③非常勤職員の安定雇用と均等待遇を実現すること、④実効ある超過勤務縮減にむけて、客観的な勤務時間管理と少なくとも超過勤務の上限規制を徹底すること、⑤あらゆるハラスメントを根絶することなど、重点要求を説明し、その実現を求めました。
 人事院は、「本年の勧告にむけて、要求された課題についてみなさんの意見も聞きながら、検討をすすめていく」と回答しました。
 政府に対しては、人事院へ追及した課題のほか、①高騰する引っ越し費用を賄うための赴任旅費の改善と、赴任期間の取扱い等について基準を設けることなど職員の負担を軽減すること、②現行の定員管理を抜本的にあらため、2020年度からの新たな定員削減計画は策定しないこと、③定年延長の全体像を早期に示し、国公労連との協議を速やかに実施すること、④ILO勧告やILO第108回総会にむけた条約勧告適用専門家委員会の報告をふまえて、労働基本権の全面回復と民主的公務員制度の確立にむけ、早急に国公労連との具体的協議を開始することなどを求めました。
 政府は、「要求事項は多岐にわたっているため、検討させていただいた上で、各要求事項に対する回答については、しかるべき時期に行いたい」と回答しました。
 
住居手当の改善を
 住居手当について人事院は、昨年8月の「職員の給与に関する報告」で「公務員宿舎の削減等により受給者の増加が続いている。引き続き、住居手当の受給状況を注視しつつ、職員の家賃負担の状況、民間における住居手当の状況等を踏まえ、宿舎使用料の引上げも考慮して、必要な検討を行っていく」と言及しています。
 住居手当の支給と水準の考え方は、民間の住宅手当の状況と、一義的には公務員宿舎に入居している職員とそうでない職員との均衡が基礎とされています。
 この間の宿舎使用料が段階的に引き上げられてきたことからすれば、そのことに対応し、具体的には、公務員宿舎入居者との均衡をはかるためにある基礎控除額(現行1万2千円)が引き上げられることが想定されます。しかし、そうなれば住居手当全体が改悪となってしまいます。
 一方、昨年の民調では、住宅手当の最高支給限度額の中位階層が3万円以上3万1000円未満となっており、公務の現行の2万7000円より約3〜4000円高くなっていることから、「民間準拠」の観点から最高支給限度額を改善するよう追及しています。しかし、住居手当の受給者が増えている状況や19春闘の結果も昨年並みということからすれば、最高支給限度額を引き上げる原資が今年の官民比較ででてくるのかどうかもわからない状況です。官民較差の問題や国策によって公務員宿舎が大幅に削減されてきたことからすれば、住居手当は較差外手当として、住居手当全体を改善する予算を確保すべきです。
 
非常勤職員の安定雇用と均等待遇の実現を
 総定員法や定員合理化計画によって定員が限られているなかで、経験を重ねた非常勤職員抜きには、安定した公共サービスの提供は困難な状況にあります。
 しかし、その非常勤職員は不安定な雇用と劣悪な処遇におかれています。民間労働者に認められた無期転換権もなく、社会的に当たり前の夏季休暇すらないのが実態です。毎年秋に人事院が実施している「民間企業の勤務条件制度(平成29年調査結果)」でも、夏季休暇は調査対象企業の58・3%で制度がある結果となっています。民間準拠ということであれば、今夏の勧告で直ちに措置すべきと追及を強めています。
 正規職員と非正規職員との労働条件格差の是正を求める裁判(郵政労働契約法20条裁判)では、諸手当などの労働条件の不合理な格差は労働契約法20条違反とされています。有給の病気休暇に関する措置や3年一律での公募要件の撤廃をはじめ、国公労連の重点要求にもとづいた要求の実現を求めています。
 
定員削減ではなく増員を
 政府は、「骨太の方針2019(原案)」の「行政分野への働き方改革の徹底」との項において、「内外の諸課題に即応できる質の高い行政サービスの確立に資するため、必要な推進体制を整備し、現場業務の実態把握とそれを踏まえた既存業務の抜本見直しを着実に実施するとともに、幹部・管理職員の職責としてそれを明確にし、その成果を人事評価に適切に反映する。当該見直しの結果を踏まえ、新たな機構・定員管理体制について検討を行う」としています。現場実態からすれば2020年からの新たな定員削減計画の策定は許されません。いまの定員管理政策を抜本的に見直し、国民の権利や安心・安全をまもるために必要な体制を確保することを求めて追及を強化していくことが必要です。
 



職場支える行(二)職員の処遇改善を

 国公労連は6月10日、賃金改善、部下数制限撤廃、定年延長実現など、行(二)職員の要求実現と労働条件の改善を求めて人事院交渉を実施しました。交渉には、行(二)組合員6人を含む13人が参加しました。
 交渉では、参加者から「付加業務という言葉では片づけられないほど行(一)職の業務をしているが、配分された別定昇格数はゼロであり、これが職務・職責に対する正当な職務評価なのか。現場の実態に見合った対応を求める」「2つの施設をまたがって10年以上担当した電気士がいた。その人しか対応できない業務にもかかわらず、昭和58年の不補充政策があるがために、昇格ができずに退職した。その業務は民間委託されたが、災害で停電等があるといまもその人が駆けつけている。人工呼吸器なども使っているので、停電が生じると命かかわる。部下数要件は撤廃すべきだ」「定年延長の議論はどこまで進んでいるのか。定年延長になったときに給与が3割減ると言われているが、もともと行(二)は給与が低い上にさらに下げられれば非常に生活がきびしい」「短時間再任用で3年目に入った。フルタイムを希望したが、かなわず短時間勤務となっている。2年間は貯金を切り崩して生活していた。短時間再任用だと共済組合から抜かれるため、特例措置からも外れた。生活できる賃金・処遇を求める」など、職務と生活の実態を突きつけました。
 人事院は、「行(二)職員の昇格基準としての部下数要件は、ある職務の級を役付級として位置づけるための客観的な基準であり、その撤廃は困難であることをご理解いただきたい」、「付加業務については、個別にうかがいながら評価できるものについては評価していく必要がある」と回答。また、定年延長、再任用職員の処遇改善などについては担当課に伝えると回答しました。
 国公労連は、行(二)職員の要求と本日訴えた実態を真摯に受け止め、処遇改善にむけて最大限の努力を求めました。




私たちの要求〈定員増・賃上げ・くらし改善〉を前進させるため参議院選挙の投票に行こう

 7月に参議院選挙が予定されています。私たち国公労働者の労働条件は法律で定められるため(勤務条件法定主義)、国会の議席構成と政治のあり方が大きく影響します。国公労連は参院選の重点要求として、①公務員総人件費削減に反対し、定員増と労働条件改善、国民本位の行財政・司法の拡充、②公文書改ざんや統計不正など起こらない民主的な公務員制度の確立、③消費税増税反対、社会保障拡充、8時間働けば人間らしく暮らせる社会の実現、④憲法改悪阻止、米軍普天間基地の無条件撤去、辺野古新基地建設反対など日本と世界の平和の実現を掲げています。私たち国公労働者の要求に照らしあわせて今回の参議院選挙の投票に行きましょう。
 
大企業・富裕層・自民党に富が集中
労働者には賃下げ・家計消費マイナス・過労死
 安倍晋三首相(自民党総裁)は、アベノミクスの6年間で景気が回復し、くらしも良くなったと言っています。しかし、世論調査で84・5%が「景気の回復を実感していない」と回答(共同通信3月調査)しています。また、主要企業100社の68%が、景気「足踏み」「後退」と回答しており(朝日新聞6月調査)、国民も企業も景気回復を実感していません。
 図表①は、安倍政権の6年間で増減が著しいデータの推移を見たものです。安倍首相が政権に復帰したのは2012年12月26日なので2012年の数字を100とした指数で示しました。出典は図表②を参照ください。
 安倍政権で大きく増えたのは、①大企業の役員報酬・経常利益、②富裕層の金融資産、③自民党への企業・団体献金です。
 一方、労働者には賃下げ・非正規化・過労死・家計消費マイナスが襲っています。
 こうした貧困と格差をなくし、誰もが人間らしく暮らせる社会を実現することが今回の参院選で求められています。
 
実質賃金は22年間で最低、非正規雇用は過去最大
8時間働けば人間らしく暮らせる社会へ
 安倍政権は賃金や雇用の改善が続いているかのように宣伝しています。しかし、図表③にあるように実質賃金はこの22年間で最低になるとともにOECD(加盟国36カ国)の中で日本だけ賃金が下がり続けています。
 雇用の面でも図表④にあるように安倍政権下で非正規労働者が304万人も増え、非正規雇用率も37・9%と過去最高になっています。しかも非正規労働者の75%が年収200万円未満のワーキングプア状態におかれています。
 また、最低賃金の地域格差はこの14年間で2・4倍も拡大し、年収にすると45万円もの格差となっています(図表⑤)。地域間格差による人口流出や労働力不足を解消するため、最低賃金を全国一律で大幅に引き上げ、8時間働けば人間らしく暮らせる社会を実現することが今回の参院選の争点となっています。
 
国家公務員の定員削減・人件費削減を推進する
自民党・公明党・日本維新の会
 国家公務員の定員増は私たちの重要な争点です。自民党や日本維新の会などは公務員人件費が財政赤字の原因であるかのように主張しています。しかし、国家公務員は減り続ける一方で、財政赤字は増え続けています(図表⑥)。また、日本の公務員人件費はOECD加盟36カ国の中で11年連続して最低です。
 また、自民党や日本維新の会は公務員人件費は増やせないかのように主張していますが、例えば、兵器の爆買いを少しやめるだけで公務員を約1万人増やすことができます(図表⑦)。また、大企業や富裕層の優遇税制(図表⑧、図表⑨)を是正するだけで17兆円の財源が生まれます(国公労連「税制改革の提言」)。安倍政権が今年10月に強行しようとしている消費税増税(税収5・6兆円増)も必要ありません。
 今回の参院選にあたっての野党4党1会派の13項目の「共通政策」(図表⑩)や、これまでの各政党の法案への態度(図表⑪)と、私たちの要求を照らしあわせて参院選の投票に行きましょう。



 
草の根でつながりセクハラなくそう
第49回国公女性交流集会in晴海ひらく
 
 国公女性協は、6月1〜2日に東京都中央区晴海において第49回国公女性交流集会in晴海を開催しました。集会には、20歳代〜60歳代の幅広い年代の仲間が、北は北海道、南は沖縄から174名が参加しました。
 
 今年の集会は、前財務事務次官のセクハラ発言に端を発し、日本でも#MeToo運動が広がっていることや、6月のILO総会で労働の世界における暴力・ハラスメントを禁止する条約採択が予定され、今通常国会でも、パワー・ハラスメント対策法が審議されている情勢をふまえて、私たちの職場や地域からどうしたらハラスメントをなくすことができるか、そのために何をすべきかなどを考えることをテーマにしました。
 
メディアの体質の古さに驚き
 記念講演では、「そのひと声からはじまる 草の根の連帯でつくるセクハラのない社会」と題して、ジャーナリストの松元ちえさんにお話していただきました。講演では、女性新聞記者へのセクハラ事件を受け、日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)が行ったハラスメントのアンケート調査や電話相談などの具体的なとりくみを話していただきました。松元さんは、職場実態をアンケートに反映させるために設問事項に気をつけることや、女性のはたらきやすさやハラスメント被害について組合のなかで議論できていなかったため新聞労連中執に「女性枠」を創設し、決定権を持つところに女性の声をくみ上げることにしたことなどを話しました。また、講演中、隣の人と意見交換をするペアワークという手法を用いていただき、「隣同士の話し合いが新鮮」など、参加者からは好評でした。松元さんは最後に、仲間を組織化していくことは隣の人の話を聞くことと話し、「なにか問題ある?」ではなく、「仕事はどう?」から声かけして仲間の要求を掘りだそうと呼びかけました。
 
声にならない声をどう聞くか
 参加者からは「職場の中にハラスメントが隠れている。その隠れた声を拾い上げる役割を女性部が担っていこうと思った」「ハラスメントを受けても気づいていない、気づいても声をあげられない実態がたくさんあることがわかった」「組合の執行部への女性の参画が重要。女性が活動しやすいスタイルにしていていかなければならないと思う」などの感想が寄せられました。
 女性協からの基調報告に続いて、旧社保庁職員不当解雇撤回闘争について全厚生闘争団から構成劇による報告をいただきました。「初めて話を聞き、皆さんの思いが伝わってきた」「たたかいの概要がよくわかった」「このたたかいを風化させてはならない」などの感想がありました。また「女性にすすめたい国公共済会」と題して、昨年の交流集会に引き続いて国公共済会の学習を行いました。
 
集まり、つながる機会が大切
 2日目は、「ハラスメント」「休暇制度」「しゃべり場」という3つの分科会と「靖国神社へのフィールドワーク」で学習と交流を深めました。
 集会開催にあたっては、12年ぶりの東京開催で各単組本部を中心に実行委員会を立ち上げ、企画・運営、物販、広報などにとりくみました。参加者からは「あらためて女性のパワーはすごい」「グチをこぼす相手、はげましてくれる人がいるってありがたい」などの感想とともに、実行委員会への感謝の声が多数寄せられました。
 実行委員会が呼びかけ、全国から700枚を超えて寄せられた「ひと言メッセージ」は、女性協が7月に行う人事院交渉で提出する予定です。