政府に使用者責任を果たさせ、安心して働ける職場を実現しよう
――2019年統一要求に対する政府・人事院回答を受けて(声明)

【私たちの主張:私たちの主張】2019-03-25
2019年3月25日
日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)
第1回中央闘争委員会
 
1、政府および人事院は25日、国公労連が2月に提出(政府:15日、人事院:19日)した「2019年国公労連統一要求書」及び「非常勤職員制度の抜本改善にむけた重点要求書」並びに「定年延長の実現など高齢期雇用のあり方に関する要求書」(人事院あて2018年2月20日提出)と「定員管理に関する要求書」(政府のみ11月5日提出)について、最終回答を行った。
 安倍政権の進めてきた経済政策の失敗が、毎月勤労統計の不正発覚などを発端に「アベノミクス偽装」として明らかになり、朝日新聞が3月16・17日に実施した世論調査でも49%が「景気が悪くなった」と回答するなど景気の閉塞感が広がる中、10月からの消費税引き上げが狙われている。こうした状況の下で、19春闘は景気回復には労働者の賃上げが必要であるとの認識が共有され、地域間格差や人口減少などを背景に全国一律最低賃金制度を求める世論も高まり、生活実感に基づく大幅賃上げをめざしたたたかいが全国各地で展開された。国公労連も月額23,000円以上の賃上げ要求や地域間・世代間格差の解消などを掲げ、政府・人事院追及を重ねるとともに、「社会的な賃金闘争」の一翼を担って職場・地域から奮闘してきた。
 しかし、私たちの要求に対する回答は、「人事院勧告も踏まえ、国政全般の観点似たって総合的に検討」(政府)、「情勢適用の原則に基づき、必要な勧告を行う」(人事院)とする従前の回答を踏襲したものであった。こうした姿勢は、政府・使用者あるいは労働基本権制約の代償機関として組合員の生活と労働の実態を顧みず、賃上げで景気回復を実現しようという社会一般の情勢から目を背けたものに他ならない。
 
2、国公労連は、今春闘で賃上げ要求とともに重点課題の要求前進をめざし奮闘してきた。人事院勧告をはじめとした制度的な制約もあり、春闘期での決着はかなわなかったが、引き続き要求実現に向けてたたかいを強める必要がある。
 非常勤職員の雇用の安定・処遇改善について、政府による「申合せ」や人事院が改正した「指針」により、一時金の支給など一定の改善は図られているものの、正規職員との賃金格差や休暇制度における差異は解消されておらず、「郵政20条裁判」の判例や「同一労働同一賃金」の観点に立った処遇の改善が求められる。加えて、期間業務職員の公募要件撤廃については従来どおりの回答を繰り返すのみであったが、民間では無期転換権が発生していることや、非常勤職員の人権擁護、円滑な行政運営の観点からも公募要件の廃止に向けて追及を強める。
 4月から、超過勤務時間の上限に関わる人事院規則が施行されるが、その内容は民間法理における罰則規定に匹敵する強制力を持たないうえ、超過勤務時間が上限を超えた場合の分析・検証についてもその責任や活用方法があいまいにされている。相次ぐ新規施策・業務が展開される一方で、長時間労働や「かくれ残業」、健康破壊などが職場に働く公務員労働者と行政運営に深刻な影響をもたらしている。こうした状況を解消するには、人事院規則の履行を職場で監視するとともに、定員の大幅増員を実現することが必要であり、政府の人事管理政策を転換させ、新たな定員合理化計画の策定を許さないとりくみに全力をあげる。
 定年延長をめぐっては、国公労連が退職手当や定員管理を含めた全体像とスケジュールを早期に示したうえでの協議を求めてきたにもかかわらず、「人事院の意見の申出も踏まえつつ、国民の理解が得られるよう検討を重ねていく」として、未だ具体案を示していない。年金支給開始年齢が65歳に引き上げられる下で、高齢期の働き方は、年金支給までの生活設計に重大な影響を与えるものであり、賃金水準や退職手当、勤務形態などを早急に明らかにさせ、制度化にあたっては国公労連との協議を尽くし合意のうえで行うよう、引き続き政府を追及していく。
 
3、国公労連は19春闘にあたり「公正で民主的な公務員制度の確立をめざす提言」に基づいた、「国家公務員制度等に関する要求書」を確立し、労働基本権の回復や人事評価制度の見直し、行政の公正・中立・透明性の確保などを求めて政府に提出した。とりわけ、労働基本権の回復について、昨年の第107回ILO総会の勧告で「社会的パートナーとともに期限を区切った行動計画を策定する」ことが盛り込まれたことを踏まえ、国公労連として再三に渡りの交渉・協議の場を求めてきたが、これにまともに応えようとしないばかりか、要求書に対する具体的回答も行わなかった。他方、6月10日から開催されるILO第108回総会に向けた条約勧告適用専門家委員会の報告では、日本政府に対し、具体的な協議や行動計画の策定などについて今年中に完全な回答を求めるなど、政府の不誠実な姿勢を批判している。
 森友・加計問題や統計不正など「歪められた行政」の下で、行政への信頼が揺らぎ、国公労働者の働きがい・生きがいが奪われている今こそ、公正で民主的な公務員制度の確立が必要であり、引き続き政府への追及を強めていく。
 
4、国公労連は、春闘期のたたかいをさらに発展させ、最低賃金の引き上げをはじめとしたすべての労働者の賃金引き上げ、国家公務で働く非常勤職員や中高年齢層職員、障害を持つ職員をはじめ、公務・民間を問わず誰もが安心して働き続けられる社会の実現、大幅増員による国民の権利保障を担保するにふさわしい行財政・司法の確立、憲法を守り「戦争する国づくり」を許さないたたかいなどに引き続き奮闘する。
 国公労連中央闘争委員会は、「ひとり一行動」のスローガンの下、19春闘の諸行動に結集して奮闘されてきた全国の仲間に心から敬意を表するとともに、引き続くたたかいへの結集を呼びかける。