国民の信頼を裏切った国の機関による障害者雇用数水増しに抗議する(談話)

【私たちの主張:私たちの主張】2018-09-27
2018年9月27日
日本国家公務員労働組合連合会
書記長 九後健治
 
 今年8月、国の機関において障害者の雇用数が水増しされており、実際は法定雇用率を大きく下回っていることが明らかになった。「障害者の雇用の促進等に関する法律」では、民間企業、国、地方自治体は定められた法定雇用率(国の機関は2.5%)に相当する数以上の障害者を雇用しなければならないとされているが、障害者手帳を持たない職員はおろか、死亡した職員まで算入していたことは、「共生社会」の実現を掲げてきた政府による、国民への裏切りだといっても過言ではない。
 国は本来国民に対して範を示すべきであるにもかかわらず、今回の障害者雇用率をめぐる問題をはじめ公文書の改ざんやセクハラなど、中央省庁や一部官僚による不祥事が後を絶たない。このことは、公務の公正・中立性の確保と民主的運営という憲法と国家公務員制度の根幹に関わる重大な問題だと言わざるを得ない。また、国民の権利保障や安心・安全を守る公務に使命感を持って日々奮闘している第一線の国家公務員の誇りと働きがいに直結する問題でもある。
 
 障害者雇用水増し問題の背景には、国の総人件費抑制政策と定員管理方針がある。2009年に政府の障害者施策推進本部がとりまとめた「公務部門における障害者雇用マニュアル」(以下、マニュアル)では、「障害のある職員が、障害を乗り越えて、自らの能力を発揮できるよう支援態勢を整えていくことが肝要」だとしている。「支援」には受け入れる側の理解や援助も当然含まれるが、一方で政府の定める定員合理化計画により国家公務員の定員数は年々減り続けており、どの職場もギリギリの体制で余裕があるとは到底言えない。限られた人員体制の下で、障害者を定員内で雇用することが困難となっていることは、障害者雇用状況の再点検の結果、半数以上の行政機関において実雇用率が1%以下であったことにも表れている。また、人事評価制度と成績主義の原則に基づく人事管理の徹底により、同僚のサポートや部下へのフォローなどより、自分の評価を上げるための仕事が優先される傾向も強まっているなど、受け入れる側の認識や制度の見直しも必要である。
 
 今回の問題を契機に、国の機関における障害者採用枠の設定の検討も取りざたされているが、障害を持つ人が公務員として働く機会を増やすという点では評価できる。しかし、採用枠を設ける上で必要な定員・定数の確保については不透明である。また、特定の障害が排除されることがあってはならない。他方で、マニュアルでは障害のある人を非常勤職員やチャレンジ雇用で採用することも示しているが、「ニッポン一億総活躍プラン」で、障害者の職場定着支援を推進していることを踏まえれば、非常勤職員であったとしても有期雇用ではなく、無期雇用の職員として採用するべきであり、そうした点でも政府としての障害者雇用に対する姿勢が問われている。もとより、障害のある人を非常勤職員として雇用することを理由に、現在公務職場で働いている非常勤職員を雇い止めすることがあってはならない。
 
 国公労連は、憲法に保障された国民の権利が十全に保障され、障害者のみならず「誰もが安心して暮らせる社会」をめざすとともに、国の機関で働く公務員労働者の要求を実現する立場から、国の機関における障害者雇用率の改善をはじめとした政府としての責任を果たすよう求める。
 
以 上