国公労新聞2017年9月25日号(第1491号)

【データ・資料:国公労新聞】2017-09-25
国民本位の政治・行財政・司法へ
鎌田書記長に聞く 秋年闘争のポイント

国民本位の政治への転換をめざそう
Q 解散・総選挙がとりざたされていますが、どの様に対応するのですか。
A 安倍首相は、秋の臨時国会の冒頭(9月28日)に衆議院の解散・総選挙を行う意向を固めたことが報道されています。森友・加計学園問題などの疑惑について、安倍首相は「国民への説明責任を果たす」などと公言しながら、野党が要求してきた証人喚問や臨時国会の召集を頑なに拒み、国家公務員の給与の取扱などが議論される臨時国会さえも飛ばして、国民の批判をかわそうとしていることを見過ごしにはできません。
 何より解散には何の大義もなく、真のねらいが戦争する国づくりを完成させる9条改憲にあることから、この秋の最大の焦点は、総選挙で国民本位の政治へと転換させることにあります。そのため国公労連は、今年1月に確立した総選挙闘争方針「憲法改悪反対、くらしと行政に憲法生かす政治の実現を」にもとづいて、改憲阻止や労働法制改悪阻止などの一致した要求での幅広い市民との共同や市民と野党との共同のとりくみを推進するとともに、公務員労働者として、政治的無関心に陥るのではなく、自らの生活と権利や要求に照らした選択と投票権の行使、憲法で保障された政治活動への参加を呼びかけます。
 
人勧取扱い、退職手当改悪阻止
政府追及と国会闘争を展開
Q 人勧と退職手当はどうなるのですか。
A 
この時期は、政府の人事院勧告の取扱いが決定され、それにともなう給
与法「改正」案が国会で審議されます。今年はそれに加えて、退職手当の引き下げの取扱いも焦点となります。そのため国公労連としては、勧告の改善部分の早期実施をめざすとともに、経過措置終了に伴う賃下げ回避策の実施を政府に求めていきます。
 また、退職手当は、労働条件であることから、一方的な不利益変更を許さない立場で政府との交渉を強めます。いずれも国会での法改正が必要になることから、国会闘争も視野に運動を展開します。

増員による体制整備、民主的な公務員制度へ
Q 定員削減は止められないでしょうか。

A この時期は、年末に向けて来年度予算案が編成されます。予算案には、各府省が要求した定員の査定結果が反映されます。そのため国公労連は、「国民の権利と安心・安全をまもる運動」を進め、国民本位の行財政・司法を確立するために増員による体制整備をめざすとともに、それを阻害している定員削減計画と総定員法の廃止を求めて、増員国会請願署名などのとりくみを進めます。
 また、中立・公正な「全体の奉仕者」としての役割が発揮できる民主的な公務員制度の確立を重視して、11月22日に都内で「歪められた政策決定と民主的な公務員制度の確立をめざすシンポジウム」を開き、提言等を内外に示します。

非常勤職員の均等待遇と雇用の安定を
Q 非常勤職員の処遇はどうなりますか

A 来年度予算案には、非常勤職員の労働条件と人員が盛り込まれることから、均等待遇の実現と雇用の安定を政府に求めていきます。
 そして、少なくとも今年政府と人事院が示した労働条件の確保を求めるとともに、更新に係る公募要件の廃止と民間で導入される無期雇用転換制度の導入を求めていきます。
 
定年延長の実現へ
要求確立し政府交渉強化
Q 定年延長への対応はどうするのですか。
A 政府は、定年延長にむけた検討会を発足させていますが、その方向性は明らかにされていません。
 国公労連としては、定年延長の実現を求めるとともに多様な選択肢の確立、職務に応じた労働条件の確保と柔軟な定員管理の実現、退職手当の改善等の要求を確立して交渉を強化します。



沖縄県国公 又吉康和 事務局長
オール沖縄訪米団に参加して


 8月12日、炎天下の沖縄県民大会で4万5千人の熱い激励を受け、伊波洋一参議院議員を団長に21名で構成するオール沖縄訪米団は、8月16~24日の日程でカリフォルニア州の主要都市を訪れ、連邦議会議員や労働組合などへ日米両政府が強行する辺野古新基地建設反対を訴えました。私は労働組合枠の一員として始めて訪米団に参加しました。
 訪米団は8月17~19日、ロサンゼルス近郊のアナハイム市で開催されるアジア太平洋系アメリカ人労働連盟(APALA)の結成25周年大会に正式に参加し、沖縄の現状そして辺野古新基地建設を止めるための支援を要請しました。APALAは、米国最大の労働組合「米労働総同盟・産業別組合会議(AFL-CIO)」の構成団体で、ワシントンの本部を拠点に全米に20余りの支部と約66万人の組合員を組織し米連邦議員らとも密接な関係を築いています。APALAの創設者で、一昨年10月に来沖し、米軍基地問題で日米両政府に抗う沖縄の人々に衝撃を受けたケント・ウォン氏の呼びかけによって、今回のオール沖縄訪米団が実現したのです。
 19日の総会でケント氏は、APALA全会員に所属組合や地域評議会、州評議会、AFL-CIO、コミュニティに沖縄での米軍基地拡張に反対する決議を働きかけるといった趣旨の「沖縄県民との連帯」決議案を提案し、伊波洋一団長が辺野古新基地建設反対の支援を訴えました。また、決議採択に向けて会場入口付近に沖縄展示ブースを設置して、紅型衣装やジュゴンの被り物で装い、大会代議員・参加者へロビーイングを行いました。
 決議では、全米各地域から集まった代議員約600名の満場一致で採択されました。その瞬間、訪米団は拳を突き上げガッツポーズ、会場全体からの祝福と連帯の拍手を受けました。
 その晩、APALAの祝賀夕食会では、全員で沖縄民謡を披露。そしてカチャーシーを踊り出すと会場からも多くの参加者が加わり大いに盛り上がりました。最後に、学生代表が大会スローガン「RESIST! ORGANAIZE! FIGHT!(抵抗せよ、組織化し闘え)」を叫んだのに呼応して会場が一体となりました。 翌朝、APALA決議という大きなお土産を手にした訪米団は、昨夜の余韻が(お酒も)覚めぬままアナハイム市からサンフランシスコへと移動。そこからは議員、環境団体、労組、女性、若者のチームにわかれ、現地関係者への要請や意見交換を行いました。
 また、天然記念物ジュゴンを守るため、日米の環境保護団体が2003年に辺野古の工事中止を求めた米ジュゴン訴訟で21日、サンフランシスコ連邦高裁は原告の訴えを棄却した一審判決を破棄、審理を地裁に差し戻す判決を下しました。実に提訴から14年を経ての勝利の知らせを現地で聞けたことの感動も一際でした。
 今回の交流を通して、戦後72年経った今でも米軍基地によって苦しめられている沖縄のことを知った人々は、一様に信じられないといった様子で涙ぐむ人さえいて、我々の行動に予想以上に共鳴してくれました。それは、民主主義国家を自負するアメリカの人々の魂に触れ「沖縄のために行動したい」という気持ちを駆り立てたのだと思います。
 今後は訪米で知り合った人たちとの結びつきを継続して、辺野古新基地建設阻止に向けた運動が日米の市民レベルで広がるよう奮闘していきたいと決意をあらたにしています。


 


仲間の要求を背景に生活改善をめざそう
2018年要求組織アンケート

 国公労連は10月を集中とりくみ期間として「2018年要求組織アンケート」(3・4面に掲載、基本集約日11月13日、最終集約日12月20日)にとりくみます。組合員をはじめ、職場の労働者の要求と意識を一体的に把握し、2018春闘にむけた要求確立や今後の組合運動に活用することを目的に実施します。また、本アンケートを組織拡大・強化のツールとして位置づけ、全組合員からの集約と未加入者などへの対話をつうじて組織拡大をめざします。
 
アベノミクスで悪化する国民のくらし
 安倍政権は2012年に誕生して以降、経済政策の柱としてアベノミクスを推しすすめてきました。
 財務省の法人企業統計(2016年度)を見ると、経常利益が前年度より9・9%増の74兆9872億円、企業の内部留保にいたっても前年度より約28兆円増加し、406兆2348億円となり、過去最高を更新しています。
 こうした状況にあっても、給与の引き上げは大企業の一部社員に限られており、多くの国民は実質賃金の引き下げや、異次元の金融緩和政策がもたらした円安による生活物資の値上がりなどにより、苦しい生活を余儀なくさせられ、「経済の好循環」を実現するという主張の破たんは、誰の目にも明らかです。

国公労働者の生活も悪化
 一方、8月8日に出された人事院勧告は、月例給を631円(0.15%)、一時金を0.1月引き上げる4年連続のプラス勧告となりましたが、生活改善するまでにはいたりません。さらに高齢層職員は「給与制度の総合的見直し」にともなう現給保障に賃上げ分が吸収され、実質賃上げとはならず、その現給保障も来年3月に打ち切られ、多くの職員が賃下げとなってしまいます。
 また、来年4月からは、配偶者にかかる扶養手当が6500円に改悪され、宿舎使用料の引き上げ、くわえて退職手当の改悪も狙われており、生活悪化がすすむことは火を見るより明らかです。

要求を出発点に賃上げを勝ちとろう
 景気回復には、安定した雇用の実現と生活改善できる大幅な賃上げが不可欠です。18春闘では、官民の労働組合が共同して、その実現にむけたとりくみをすすめていくこととなりますが、その出発点として要求アンケートにとりくみます。
 アンケートをつかって、職場環境や生活実態など、共通する不満や要求を組合員一人ひとりから聞き取り、職場のみんなで話し合って、要求にまとめあげ、その要求にもとづいて運動をすすめていくことが必要です。
 また、アンケートをとりくむにあたっては、未加入者にも参加を呼びかけ、そのことなどをつうじて組織強化・拡大につなげていくことも重要です。すべての職場でアンケートを積極的にすすめていきましょう。