4年連続プラス勧告も生活改善ならず
現給保障の終了で多くが賃下げとなる勧告に抗議する(声明)

【私たちの主張:私たちの主張】2017-08-08

2017年8月8日
国公労連中央闘争委員会

 人事院は本日、政府と国会に対して、国家公務員の給与に関する勧告及び公務員人事管理に関する報告を行った。官民較差は、月例給、一時金ともに4年連続でプラスとなり、俸給表の水準は631円(0・15%)の改善、一時金0・1月分の改善を勧告した。
 較差については、俸給表を改定して、初任給を1000円引き上げ、若年層についても同程度の改定を行い、その他は400円の引き上げを基本とし、すべての号俸を引き上げるとした。それによって、再任用職員や非常勤職員の賃金水準、退職金にも波及することは、要求を一定反映したものである。

 しかし、給与の改善額は、生活改善に遠く及ばない極めて低額であり、とりわけ「給与制度の総合的見直し」による現給保障を受ける職員の多くが、実際の支給額が改善されることなく、賃金がここ数年据え置かれたままとなる。また、勧告ではその原資を用いて本府省業務調整手当を遡及して改善するとしていることは看過できない。これは、「給与制度の総合的見直し」の廃止を強く求めるとともに、官民較差の原資を初任層と高齢層に厚く配分するなどで、今年度末の経過措置終了にともなう賃下げを回避すべきとの国公労連の要求に背を向けるものである。昨年勧告による給与改善によっても行(一)職員の約44%・6万人が現給保障を受けていたが、今回の不十分な勧告では、来年度多くの職員が賃下げという不利益を被ることとなる。職員の労働条件を確保し、その不利益を回避することは労働基本権制約の代償機関たる人事院としての当然の責務であり、これを放棄する姿勢について厳重に抗議するものである。

 非常勤職員に関して国公労連は、重点要求書を提出して、均等待遇や雇用の安定などの制度の抜本改善と処遇改善を強く要求してきた。人事院は、給与決定の指針を改定したものの、勧告にともなう報告では「勤勉手当の支給に努めることを追加した指針に沿った改善が行われるよう各府省を指導する」、「慶弔に係る休暇等の検討」にとどまっており、改正労働契約法で来年4月から導入される無期転換制度の公務への導入や公募要件の廃止などの要求に全く応えていない不十分なものである。
 再任用職員に関しては、月例給・一時金ともに改善するとしたものの、私たちが要求してきた生活関連手当等の支給や年休の繰り越しなどには応えず、「民間企業の再雇用者の給与の動向、運用状況等を踏まえ、定年の引上げに向けた検討との整合性にも留意しながら、必要な検討」にとどめたことは、再任用職員の職務と生活の実態を顧みないものである。
 また、職場からの要求が強い住居手当の改善要求については、「受給者の増加の動向と職員の家賃負担の状況等を踏まえ、必要な検討」を行うとし、通勤手当の改善要求とともに、今回も改善を見送ったことは、代償機関としての姿勢が問われる。

 公務員人事管理に関する報告では、政府が重い腰を上げて定年延長の検討を開始したことで「論点の整理を行うなど必要な検討を鋭意進める」と前向きの姿勢を示すとともに、昨年に続いて「フルタイム中心の再任用が実現できるような定員上の取扱い」に言及したことは、要求を反映したものである。
 他方で、長時間労働の是正については、マネジメントの強化や業務削減・合理化などの従前の施策を強調し、それでも改善されない場合に「業務量に応じた要員の確保が必要」との認識を示すにとどまった。また、是正に必要な制度の整備については、「検討を進める」などと具体策を示さなかったことは、職場の期待に背を向けるものである。上限規制や窓口受付時間設定の制度化など、長時間労働を是正する実効性のある対策を引き続き求めていく。

 国公労連は、春闘期からすべての労働者の賃金引き上げをめざして、幅広い団体との共同をすすめてきた。同時に、職場からのとりくみを背景に中央・地方で人事院を追及してきたが、今後のたたかいは、政府との交渉へと移る。また、人事院勧告は770万人の労働者の賃金に直接影響し、地域経済にも多大な影響を及ぼすもので、今後は、地域最低賃金の改定、地方公務員や独立行政法人で働く労働者の賃金・労働条件確定闘争も本格化する。
 国公労連は、給与改善勧告の早期実施、「給与制度見直し」の廃止などを求めるとともに、すべての労働者の賃上げと雇用の確保にむけた官民共同のたたかいにいっそう奮闘する。
 この間のたたかいに奮闘された全国の仲間のみなさんに心からの敬意を表するとともに、引き続くたたかいへの結集を呼びかけるものである。