国公労新聞2017年7月25日号(第1487号)

【データ・資料:国公労新聞】2017-07-25
職場・地域からの押し上げで要求前進を

 8月上旬に人事院勧告が想定され、夏季重点要求に関する交渉も最終局面を迎えています。
 2017年人事院勧告にむけた重点要求に関しては、各級機関での上申交渉を背景に、国公労連本部・各ブロック国公と人事院の間で交渉が積み上げられています。7月14日には各単組の書記長が参加して、職場の声もとに人事院を追及しました。
 24日には、人事院職員福祉局長・給与局長との交渉を実施し、①生活改善できる大幅な賃上げ(現給保障にかわる措置を含む)、②非常勤職員の均等待遇と安定した雇用の実現、③労働時間短縮、休暇制度改善等、④定年延長など雇用と年金の確実な接続を中心に要求の実現を迫りました。
 人事院は、勧告について「例年とおおむね同様の日程を念頭に、鋭意作業を進めている」、給与制度の総合的見直しについては「平成30年4月の完成に向けて、鋭意検討しているところ」、高齢期雇用については「定年の引上げで対応することにより、職員の意欲と能力に応じた配置・処遇も可能となる。皆さんのご意見もお聴きしながら、検討すべき課題や論点の整理など必要な検討を鋭意進める」など、具体性に欠け、不満な回答に終始しました。
 非常勤職員の処遇改善については「先般、給与に関する指針の改正を行ったところ。早期に改正内容に沿った改善が行われるよう、各府省に要請・指導していく」、休暇については「民間における同一労働同一賃金の実現に向けた議論を踏まえ、慶弔に係る休暇等について、検討を進めていく」など、同様の回答ですが、慶弔に係る休暇等に触れられています。
 鎌田書記長は、「すべての職員が生活改善となるような賃上げと人事院の施策で賃下げとなる職員を生じないように措置を講じるべき」「非常勤職員の給与指針にとどまらない改善と公務にも雇用の無期転換制度をもうけるべき」「国家公務員は時間外労働を命ずるための最低限の要件である36協定の締結も政府は認めていない。したがって、労働基本権制約の代償として上限規制等の方向性を打ち出すべき」「定年延長実現にむけて、労働組合との協議を開始させることを政府に働きかけるべき」などを強調しました。
 一方、概算要求期重点要求では、政府・内閣人事局との交渉を7月14日に実施しています。
 各単組からは、定員削減計画中止など現行の定員管理の抜本改善と超過勤務縮減、健康・安全確保、定年延長実現と再任用職員職員の処遇改善、非常勤職員の処遇改善と雇用の安定などを訴えました。
 これに対して内閣人事局は、「再任用について、政府全体で適切な対応をするのが基本。勤務条件は人事院であるが、政府としても適切に対応」「非常勤職員の処遇については、人事院の指針も踏まえ、各府省に促していく」「定員管理の問題は、今後も皆様の意見を担当に伝えつつ、検討していきたい」とこれまでの回答を繰り返しました。
 国公労連は、最終交渉にむけて、定員管理が種々の問題の背景になっており、今こそ合理化計画を中止すること、定年延長の実現とその議論においては、退職手当とセットで検討すること、非常勤職員の処遇と制度を抜本的に改善することなどを強く求めました。
 今後も17人勧と概算要求にむけて、署名や交渉など職場からのとりくみの追い上げを追求していくことが求められています。この夏季闘争での要求前進にむけていっそう奮闘していくことを呼びかけます。

 

 
開建労・仲里さんへの不当処分は言論の自由侵害、労組活動への不当介入
政府・当局は権力私物化やめ不当処分撤回と不利益回復を


 沖縄総合事務局開発建設労働組合(開建労)前執行委員長の仲里孝之さんが政権を批判する発言をしたとして訓告処分された問題で、開建労と沖縄県国公は6月30日、訓告処分が不当であるとして、処分の撤回を求める要求書を内閣府沖縄総合事務局長に提出しました。また、沖縄県国公は7月6日、不当処分に抗議する緊急集会を那覇市の沖縄総合事務局前で開催。集会で仲里さんは、「労組の立場での発言すら認めない、見せしめのような処分だ」と怒りをあらわにしました。

執拗な再調査で不当処分
 処分の発端となったのは、仲里さんが2015年8月31日の休暇中、辺野古新基地建設に反対する集会に参加した際の開建労役員としての発言です。
 仲里さんの発言は、辺野古新基地建設の強行が県民の意思を無視したものであり、新基地建設に反対する住民による集会や座り込み行動等に対して、沖縄総合事務局が土日を含む24時間体制で道路を監視していることは、職員に多大な負担がかかり過剰な対応であるという趣旨でした。
 それが翌日の沖縄タイムスに「本来の仕事ではない。県民のための仕事がしたい」と掲載されたことで、「誤解を与えかねない軽率な行為」として北部国道事務所長が9月2日付で厳重注意処分を行いました。
 しかし、仲里さんの発言は、事実にもとづいて一市民としての意見を述べたものであり、その発言を厳重注意処分すること自体、言論の自由を侵害する不当なものです。そして、その時点で事態は収まっていました。
 ところが翌年、国会で発言が取り上げられてから事態は一変しました。3月9日の参議院予算委員会で和田政宗参院議員は、前述の集会での発言が政治的行為にあたるのではないかと質問し、政府は「政治的行為にあたらない」と回答しました。しかし、和田議員は、4月28日に同趣旨の質問主意書を提出し、政府は5月24日に一転して、国公法・人事院規則にもとづく政治的行為の運用方針の「政策の目的の達成を妨げる」につながりかねない恐れがあるとして「当該職員に対する措置の内容を含めた事務局の対応の妥当性について、関係法令に照らし、検証しているところである」と、調査中との姿勢を示す答弁書を閣議決定しました。
 その後、2016年10月1日付の「しんぶん赤旗」に先の集会と同趣旨の発言が掲載されたことも含めて、内閣府による再調査が執拗に行われた結果、政治的行為とは認定されなかったものの、訓告処分が行われました。

権力の私物化で歪む公正・中立性
 こうした経過を見てもわかるように発言は、政治的行為にはまったく該当せず、一市民としての意見と労組役員としての当然の発言であり、処分書の「国民に誤解を生じさせる」どころか、沖縄県民の多くが承知・納得できる内容です。それを強引に処分した経過から、政治的圧力による不当な処分であると言わざるを得ません。
 この背景には、辺野古新基地建設や高江ヘリパッド建設に対する県民の強い反対世論への政府・当局の過剰な対応があります。これは政府が翁長沖縄県知事を先頭に強い反対を示した沖縄県民の意思を無視して強引に新基地建設に着手したり、高江で反対派を強制排除してきたことからまねいた事態であり、県民排除・弾圧との懸念を抱かせたのも政府自身です。こうした問題点を集会で指摘した労組役員を処分することは、言論の自由を侵害し、労組活動や反対派を萎縮させる不当な対応です。
 他方で、稲田朋美防衛大臣が6月27日に東京都議選挙の自民党候補の応援演説で「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と述べましたが、これは、「全体の奉仕者」として公正・中立性が求められる公務員を政治的に利用しようとするものであり、公職選挙法や自衛隊法に明らかに違反するものであるにもかかわらず、安倍政権は、それを不問にするなど政権内部ばかり擁護しています。
 仲里さんの休暇中の発言は、政治的行為にもあたらないにもかかわらず、執拗な調査で処分に及んだことは、権力を私物化して行政の公正・中立性を歪めるとともに、言論の自由の侵害と労働組合活動への不当な介入であり、国公労連は不当な処分に厳重に抗議するとともに、処分の撤回を求めていきます。
 
非常勤制度の抜本改善へ力集め非常勤組合員集会を開催
 7月7日、非常勤組合員集会を開催し、全国から非常勤組合員12人を含む30人が参加。また、非常勤課題で昼休みに人事院前要求行動を、午後には人事院交渉を配置し、非常勤職員の処遇改善に向け当事者を中心に人事院を追及しました。
 開会にあたり、鎌田書記長は、非常勤職員の処遇と任用制度の主な問題点について、①法制度の狭間におかれている、②採用手続きに明確な基準がなく恣意的な運用が可能、③不十分な身分保障と「雇い止め」、④給与が各省任せで均等待遇とほど遠い、⑤常勤職員と異なる勤務時間・休暇等を挙げ、国公労連の運動と要求、1年間の到達点を報告しました。
 その後、各職場の実態や思いを話し合いました。「今年度から3年一律の雇止めは撤回させることができた。しかし1年更新のままで雇用の安定には至っていない」(国交)、「雇い止めにあった立場から、非常勤職員の不安定な雇用や思いを共有したいと思って参加した」(国税)、「ハローワークの期間業務職員は4月以降、6・5時間勤務者と7・5時間勤務者に分かれた。私たちは時短を求めていないし、時短のため窓口は歯抜けになり業務に支障がでている」(労働)など、様々な実態を交流しました。
 笠松調査政策部長から、私たちの運動で非常勤職員の処遇・雇用の問題が国会でも多くの会派から追及され、情勢が変わってきたと報告されました。
 
非常勤も家族持つ同じ労働者
 決意表明では、全労働千葉支部の石井さんが、「子供の幼稚園・保育園のお父さんやお母さんから、ハローワークで勤めているのはすばらしいと言われるし、私もそう思う。だが家族は『旦那はしょせん非常勤で、来年の雇用は分からないんです』と言わないといけない。私は笑われるような仕事はしていない。求職者のために日々奮闘している。家族をもつ同じ労働者として、非常勤制度の問題を真剣に考えてほしい」と語りました。
 国交労組建設研究機関支部の薄井さんは、「常勤職員も非常勤職員に気兼ねなく夏季休暇をとりたいはずだ。そのためにも私たちに夏季休暇を」と訴えました。
 
【人事院交渉】
 非常勤重点要求にもとづく交渉では、冒頭、全国から集約した「非常勤職員制度の抜本的な見直しを求める署名」1万4156筆分を提出しました。
 人事院の回答は「公募要件撤廃は考えていない」「民間の状況との権衡を考慮」など、従来回答にとどまりました。

 これに対し参加者は、職場実態を詳細に伝え、公募要件の撤廃、夏季休暇や病休を有給とすること、寒冷地手当の支給など、均等待遇の実現を強く求めました。



国民のくらしと安心・安全をまもるシンポジウムひらく
北海道・中部・四国



北海道
「壊れゆく公務」職場から証言
 北海道国公は7月5日、国公労連の提起する「国民の権利と安心・安全を守る運動」としてシンポジウム「壊れゆく公務」を開催。国公の仲間をはじめ、ローカルセンターを超えた民間労組、市民団体のほか、一般の市民参加など88名が参加しました。
 シンポジウムは、家田愛子札幌学院大学名誉教授の基調講演「切り売りされる公務」のほか、非正規化・外部委託化の課題を「北海道版公務員酷書」として発信する「職場からの証言」、「市民が求める公務のあり方」を考えるパネルディスカッション、フロア発言の構成で行われました。
 「職場からの証言」では、全労働から監督官・職安の非正規化の課題、国土交通労組から航空部門の人員不足、運輸部門の監査要員不足、気象部門の外部委託化の問題を報告。また、地方自治体の非正規化(高教組)、運営費交付金削減による大学の疲弊(全大教)、民営ではゆきとどかない福祉(福祉保育労)などの発言がありました。参加者から「現場の生の声が聞けて良かった」「公務と民間の仲間が一緒になってたたかいたい」との感想が寄せられました。

中部
地域を味方に巻き込む公務労働運動へ
 7月8日、中部ブロック国公は愛労連、愛知公務共闘との共催で「疲弊する公務職場のリアル」とサブタイトルに打ち出したシンポジウムを67名の参加で開催しました。
 基調講演の尾林芳匡弁護士は、公務の民営化問題と公共サービスの役割の重要性を指摘し、公務員バッシングを打破するためには海外の労働運動から学び、地域に打って出て、地域を味方に巻き込むとりくみが必要と指摘しました。
 パネルディスカッションでは、保育園での給食調理員、高校教師、労働基準監督官と多様なパネリストを迎え、各職場の実態報告、民間と公務の違い、監督官の一部業務民間委託、職員削減と過密労働の問題について理解を深めました。保育や教育、安全に関わる職場では安定性、継続性が求められること、公務職場の拡充には、地域一体型のとりくみが突破口になるとの方向性が討論の中から見い出されました。

 
四国
国公職場の実態と公務の役割を知らせよう
 四国ブロック国公は6月24日、高松市内でシンポジウムを開催しました。
 関西勤労者教育協会の妹尾知則氏が「アベ『働き方改革』のごまかしにだまされるな」と題して基調講演を行いました。
 パネルディスカッションでは、教育職場から長時間労働による健康破壊の問題や国公職場での深刻な職員不足による行政サービス低下の問題などが報告され、公務職場の実態とともに公共サービスの役割を広く国民に知らせることの重要性が語られました。