国公労新聞2017年6月25日号(第1485号)

【データ・資料:国公労新聞】2017-06-25
公務員・行政の私物化を許さない
加計・森友問題の徹底解明求め緊急集会

公務のあり方を根幹から揺るがす問題
 国公労連は6月13日、「加計・森友問題の徹底解明を求め、公務員・行政の私物化を許さない緊急院内集会」を参議院議員会館で開催し、一般市民やマスコミ関係者をはじめ100人が参加しました。また、院内集会の模様は、インディペンデント・ウェブ・ジャーナル(IWJ)とUPLANによるネット中継も行われるなど注目を集めました。
 主催者あいさつした国公労連の岡部委員長は、「政治の圧力によって公正であるべき行政がゆがめられたのではないか」「行政に対する信頼がゆらぐことにより公務労働者の働きがいが奪われるのでないかと危惧し、行政の私物化を許さないことを内外にアピールするために本集会を開催」「加計・森友問題は、国民の基本的人権、安心・安全を守る公務のあり方を根幹から揺るがす問題だ」と指摘しました。
 続いて、参院会派「沖縄の風」の伊波洋一参議院議員は、「『権力は腐敗する』と言われるが、加計・森友問題で行政の私物化と腐敗が明らかになってきている。蔓延しつつある腐敗を排除するよう、国民、国家公務員、労働組合とともに奮闘したい」とあいさつしました。


国民の声を力に権力腐敗の追及を
 日本共産党の宮本岳志衆議院議員は、加計・森友問題での追及とともに、「共謀罪は、一般人には関係ないと言っているが、それを誰が判断するのか。官邸と仲良しだったら逮捕もされないが、逆らえばプライバシーまで明らかにされる。その政府が共謀罪を手にしたらどうなるのか」と警鐘を鳴らしました。
 無所属の上西小百合衆議院議員は、法務大臣がまともな答弁をしないことなど、昨今の与党の目に余る横暴を報告し、加計・森友問題の真実を究明すべきという「国民の声が大きくなっている」とし、「国民の声を力に、引き続き、与党追及に奮闘する」と発言しました。

国民のための政治をとりもどすために
 東京新聞の望月衣塑子記者は、ジャーナリストの立場から、①籠池氏が安倍首相を信仰した経緯、②菅官房長官の記者会見での態度と「総理の意向」文書などの再調査への経緯、③前川喜平前事務次官の教育理念、④ジャーナリストの伊藤詩織さんの問題などから「いま世論が何に疑問をもって、何を求めているのか、記者は伝えないといけない」と国民のための政治をとりもどすために記者の立場から奮闘する決意を述べました。

公務員は「全体の奉仕者」
 国公労連の鎌田書記長は、「憲法15条が公務員を『全体の奉仕者』としているにもかかわらず、内閣府や内閣人事局の設立により、首相官邸が人事を一元管理することになり、公務員が政権の意向に従わざるを得ない仕組みになっている」状況を告発し、加計・森友問題の「徹底調査による公務の中立性の確保と公平・中立が確保される公務員制度を確立」する必要性を訴えました。
 自由法曹団の加藤幹事長は、現在の政権による情報と人事を独占した問題を指摘し、そうしたもとで「共謀罪により政権から見た今日の敵は、明日の犯罪者となるのでは」と政治の私物化や時の政権による共謀罪の乱用の危険性を訴えました。
 行財政総合研究所の永山理事長は、加計・森友問題に関して透明性・公平性の確保のために情報開示が必要であり、「国家戦略特区には欠陥がある上に、首相が主導し、他の専門の省庁からの介入を排除し、内閣による『お友達』のための行政が行われている」と指摘しました。

国家公務員に憲法違反の行為強いる安倍政権
 全経済の飯塚盛康副委員長(写真)は、首相夫人が寄せたフェイスブックのメッセージを紹介し、「憲法15条第2項で『公務員は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない』と定められているにもかかわらず、一人の公務員が安倍昭恵氏の個人秘書のように扱われた」ことを指摘し、「問題が起きれば、個人の責任にされる。国家公務員に憲法違反の行為を強いる安倍政権に対して怒りの声をあげよう」と呼びかけました。
 全厚生の大門晋平中央執行委員は、社会保険庁の職員に対して、雇用調整本部が活用されず、政治のパワハラにより不当に解雇された事例をあげ、「憲法を守らない政権に対峙し、公平・公正な行政のために奮闘していこう」と訴えました。
 全教の米田雅幸副委員長、自治労連の西芳紀中央執行委員、全大教の長山泰秀書記長から連帯のあいさつをいただきました。



国民のくらしと安心・安全をまもる
シンポジウムひらく  国公近畿ブロック


 国公近畿ブロックと近畿公務共闘は6月10日、大阪市内で「国民のくらしと安心・安全をまもるシンポジウム」を開催しました。
 シンポには、7名のパネラーと関西大学名誉教授の森岡孝二氏が登壇しました。


雇用身分社会の出現と処方箋
 はじめに、「雇用身分社会からの格差と貧困」と題して森岡氏が講演を行いました。講演では、非正規労働者の増加と格差と貧困の実態が各種統計から詳しく述べられ、雇用身分社会が出現したとご自身の著作などを紹介しながら、深刻な実態を告発しました。
 さらに、長時間労働と過労死の実態などを述べつつ、様々な運動で過労死防止法の成立につながったことを述べました。
 時間の関係で処方箋まで詳しく述べられませんでしたが、政府が進めようとしている「働き方改革実行計画」で、新たに定められようとしている時間外の上限規制を厳しく批判されました。

パネラーが職場実態を告発
 福祉職場からは、市場化と競争入札制度で事業が継続されるのに運営主体が変わっていくため、長期を見通した事業展開ができず、職員も非正規とせざるを得ない状況などがあり、結局のところ、利用者のサービス低下となっている実態が告発されました。
 教育職場からは、教育勅語や道徳を特別教科にしようという動きがあることや、非正規の講師が多いことが述べられました。さらに、多くの教員が生活指導などに追われているばかりでなく、妊娠しても休めずに流産する教員も多くいるなどの生々しい職場実態が告発されました。
 独立行政法人の職場からは、国民の目に直接触れない貴重な行政サービスを担っている職場の現状が述べられ、規制改革会議からICTの活用を求められているが、現場に混乱をもたらせるだけと批判しました。
 自治体の職場からは、ひとりが地域創生をめざす政策の問題点などを報告し、もうひとりが公共サービスの産業化による弊害などを報告しました。それぞれの報告によって、深刻な住民サービスの低下につながっていることが理解できました。
 国の行政職場からは、労働行政と防災行政の実態と問題点が告発されました。

非正規労働者を含めた組合のたたかいが重要
 森岡氏は、パネラーと会場から発言を受け「パネラーや会場からのリアルな発言は非常に参考になった」と述べた上で、「大事なのは、これからどう打って出るかです」「公務の労働組合のたたかいが重要です」とまとめられ、シンポは65名の参加で大きな成果を上げました。



概算要求期、夏季闘争本格化
政府・人事院に重点要求書を提出


 国公労連は6月14日人事院に、19日には政府・内閣人事局に人勧期・概算要求期における「重点要求書」を提出し、今夏のたたかいをスタートさせました。
 今年も昨年につづいて、政府あての要求書も提出し、次年度の予算編成に要求を反映させることを求めます。
 具体的には政府・人事院に対して、生活改善に資する大幅な賃上げ、非常勤職員の均等待遇と雇用の安定、定年延長をはじめとする雇用と年金の接続、大幅増員で公務・公共サービスと長時間労働の是正、民主的な公務員制度と労働基本権の確立など、政府・使用者として、労働基本権制約の代償機能を持つ人事院として迅速かつ責任ある対応を求めます。
 今後、各レベルでの交渉を配置するとともに、7月7日には非常勤職員が参加して実態と要求を訴える人事院交渉を配置するなど、課題を絞った交渉を積み重ねます。さらに、7月21日の中央行動では、全労連公務部会規模で配置される内閣人事局前と人事院前での要求行動で政府・人事院への追及を強めます。
 今年の勧告は、「給与制度の総合的見直し」にともなう現給保障期間内での最後となります。現給保障を超える賃上げを勝ちとらなければ来年4月から多くの賃下げとなる職員が生じる事態となるため、大幅な賃上げを柱に、賃下げとなる職員を生まない対策を講じさせることが大きな焦点となっています。
 また、概算要求にむけては、政府ですすめられている同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善、長時間労働の是正などを公務職場にどのように反映させようとしているのか、また、定年延長にむけた検討などが焦点となっています。
 これらの課題に対して全労連公務部会が提起している「公務労働者の賃金・労働条件の改善を求める署名」(人事院あて)と「退職手当の引き下げに反対する署名」(政府あて)を職場の声として積上げ、追及を強めることが重要です。署名は7月21日の中央行動で提出します。
 このように今夏も様々な課題が山積していますが、組合員の切実な要求の実現にむけて、職場・地域でのいっそうの奮闘を呼びかけます。




被災地から見えた女性の人権
憲法を職場や暮らしに生かそう

第47回国公女性交流集会in福島


 女性協は、6月10〜11日にかけて福島市飯坂町で第47回国公女性交流集会を開催しました。20歳代〜50歳代の幅広い年代の仲間が、北は北海道、南は沖縄から218名参加しました。
 1日目の全体会では、記念講演として、和光大学教授の竹信三恵子さんから「日本型ショックドクトリンと『働き方改革』〜災害から見える女性の人権をめぐる課題」と題して、東日本大震災時に女性が置かれた状況や安倍政権がいう「女性活躍」や「働き方改革」の問題点などを鋭く追及し、その狙いを見抜き対抗するためにはどうしたらいいのかなどをお話しいただきました。その後、基調報告を行い、旧社保庁職員不当解雇撤回裁判や院内保育所の存続問題、東日本大震災後の福島の状況について、それぞれ職場や地域で奮闘している方々から報告いただきました。
 2日目の分科会では、沖縄や社会保障制度、福島の農業等の現状を第一戦で奮闘している助言者から話を伺い、学びました。また、しゃべり場では、参加者が年代を超えて交流をはかりました。フィールドワークでは6年経っても復興が進んでいない被災地を直接見て、肌で触れることができました。
 集会開催にあたり、東北ブロックは実行委員会を立ち上げ、企画・運営、物販、広報などにとりくみました。東北の仲間の要求を掲げたタペストリーで手作りした看板が参加者を出迎え、実行委員はおそろいのTシャツを着用し、集会を大いに盛り上げました。
 集会では、今こそ、憲法を職場や暮らしに生かし、貧困や格差のない平和な社会をつくるために、私たち女性がつながりあい、しなやかにしたたかに運動を進めようと呼びかけた「アピール」を確認し閉会しました。





共謀罪法の危険な本質を隠し切れず、
異常な国会運営による強行成立に抗議する(談話)

2017年6月15日 国公労連書記長 鎌田 一