国公労新聞2017年6月10日号(第1484号)

【データ・資料:国公労新聞】2017-06-10
非常勤職員の給与で政府が統一見解示す
従来水準上回る常勤職員との均衡を

 政府・内閣人事局は5月24日、「国家公務員の非常勤職員の給与に係る当面の取扱いについて」を「人事管理運営協議会幹事会申合せ(以下「申合せ」)」とし、これまで各府省任せにしてきた給与について、統一した見解を初めて示しました。
 「申合せ」では、基本給について「類似する職務に従事する常勤職員に対し支給されている俸給月額の実態に留意しつつ、当該非常勤職員の職務内容を踏まえ、その職務遂行上必要となる知識、技術及び職務経験等を考慮して決定するものとする」とし、「類似する職務に従事する常勤職員の属する職務の級の初号俸」としていた人事院の給与決定のガイドラインの水準を上回る常勤職員との処遇の均衡をはかるよう示しました。
 また、期末・勤勉手当についても勤務実態等を考慮の上、「相当する給与を支給するものとする」とともに、給与法の改定にあたっては給与法施行の翌月の給与から改定するとしました。
 「申合せ」は、国公労連が提出した「非常勤職員制度の抜本改善にむけた重点要求書」の要求事項には及ばない不十分な内容ですが、政府が初めて統一見解を示したことと、昨年12月の「非常勤職員に係る適正な処遇について」の申合せで「公募や能力の実証が制度の趣旨に沿って適切に行われている限り、結果として同じ者が複数年継続して勤務することはあり得る」として一律雇い止めを抑制する措置を講じたこととあわせて、この間の国公労連と各単組の運動の成果といえます。
 引き続き、政府・人事院や各府省に対して要求実現をめざしていくことが求められています。




第149回中央委員会
大幅賃上げ、退職手当改悪阻止
夏季闘争方針を確立


 国公労連は5月26日、都内で第149回中央委員会を開き、夏季闘争方針および人勧期・概算要求期重点要求書並びに退職手当に関する要求書を確認しました。
 討論では、全法務、国土交通労組、全司法が定員課題でのとりくみにふれ「国民の権利と安心・安全を守る運動」の重要性が強調されました。また、「退職手当の一方的改悪は権利の侵害」、「時間外労働の上限規制や同一労働同一賃金などを公務にも適用すべき」(全労働)との発言や非常勤職員の処遇改善や共謀罪法案の問題点について複数の単組から発言がありました。福岡県国公から県内での賃金の地域間格差の深刻な実態と地域住民の暮らしの改善に向けたとりくみの必要性や職場を守る運動の重要性が指摘されました。
 最後に、提案した方針とすべての要求書が全会一致で採択され、中央委員会が閉じられました。




外国人技能実習機構労組の国公労連への加盟を承認


 中央委員会では、新たな労働組合からの加盟申し込みについて審議され承認されました。
 加盟を申請した労働組合は、昨年11月に成立した外国人技能実習適正化法に基づいて今年1月25日に設立された認可法人・外国人技能実習機構(以下、新機構)の職員を対象とする外国人技能実習機構労働組合で、約30人の組合員で3月6日に結成されました。
 新機構は、東京の本部と地方の8事務所と5つの支所で構成され、法務省と厚生労働省からの出向者を含め職員約300人の組織で、当該労組は今後新機構全体の組織化をめざすとしています。
 国公労連規約第36条第一項で、「加盟しようとする労働組合は、加盟申込書を中央執行委員会に提出し、大会または中央委員会の承認を得なければならない」とされていることから、今回の中央委員会で加盟が提案され、全会一致で承認されました。
 新たな労働組合の加盟は、2004年の国公一般以来13年ぶりで、これで正式加盟は17組合(そのほかオブ加盟3組合)となりました。




夏季闘争方針のポイント〈鎌田書記長に聞く〉


 中央委員会で確認された夏季闘争方針のポイントについて、鎌田一書記長に伺いました。
 今年の勧告は、公務労働者の生活改善のためにきわめて重要です。
 3年連続の改善勧告も「給与制度の総合的見直し」による高齢層と地方勤務職員の賃下げによって、多くの職員の生活改善に結びついていません。特に今年度末で「給与制度の総合的見直し」と扶養手当改悪、宿舎費の値上げなどの経過措置が終了するため、賃下げとなる組合員を生じさせないための賃金改善を求めることが必要です。
 非常勤職員の雇用安定と均等待遇では、春に提出した重点要求書にもとづいて、制度の抜本改善を求めるとともに、政府の「働き方改革」でも注目されている均等待遇の実現や、雇用の安定に向けて労働契約法に準じて無期転換制度の実現や更新に係る公募要件の撤廃を求めていきます。
 また、超過勤務の上限規制について、公務にも実効ある制度として法定化することを求めていく必要があります。
 以上の重点要求を含めた「2017年人事院勧告にむけた重点要求」を人事院に提出して、人事院本院及び地方事務局との交渉を強化します。
 人事院は、国家公務員の退職手当について4月19日、民間実態調査の結果、公務が78.1万円・3.08%上回るとして手当の水準「見直し」の必要性などの見解を政府に示しました。
 国公労連は、公務の特殊性を踏まえた安定性のある退職手当制度の確立を求めるとともに、労働条件として労使合意抜きに一方的に不利益変更することのないよう追及を強化します。そのため、政府に「退職手当に関する要求書」を提出して交渉・協議を重ねるとともに、手当改悪反対の署名を職場から推進します。
 また、年金支給開始年齢が63歳となる職員が今年度末に定年を迎えることから、政府が棚上げしている人事院の定年延長にかかる意見の申し出の実現も求めていく必要がります。
 そのほか「概算要求期重点要求書」を提出して、大幅賃上げを含めた要求実現のため、政府・内閣人事局の追及を強化します。
 連年の定員削減が職員の健康破壊や国民の権利、安心・安全の確保のあり方など公務職場に様々な矛盾を引き起こしており、大幅増員による公務・公共サービスの拡充が切実な要求です。
 そのため、「国民の権利と安心・安全をめざす運動」を職場・地域から推進して、世論の理解と支持を拡大するとともに、国会請願署名と国会議員要請などで政治にも働きかけを強めます。
 そのうえで、使用者である政府に対して、春に提出した「定員管理要求書」で掲げた総定員法の廃止と定員合理化計画の中止による体制確保を求めて追及を強化します。
 夏季闘争では、以上の通り、公務労働者の労働条件確保のとりくみに力を傾注するとともに、憲法尊重・擁護の義務を負う公務労働者として憲法を守り、共謀罪法案阻止にむけた、共同を広げていきます。




退職手当改悪阻止にむけ要求書提出


 政府において、4月19日に人事院が発表した「民間の退職金及び企業年金の実態調査の結果並びに国家公務員の退職給付に係る本院の見解について」をふまえた退職手当の見直しの検討がすすめられています。そうしたもとで、国公労連は6月2日、内閣人事局に対して「退職手当に関する要求書」を提出しました。
 冒頭、岡部委員長が退職手当の引き下げに反対を表明し、つづいて鎌田書記長が以下のポイントを主張しました。

労働条件であり引き下げには反対
 ①政府も人事院と同様に退職手当について労働条件と認めること。②前回(2012年)のような労働条件の不利益変更の押しつけは権利侵害であり認められないこと。③公務の特殊性をふまえれば、退職手当を引き下げる必要性はないこと。④安定的な制度にするために、水準決定のルールなどについて労働条件にふさわしい決定方法を労使協議による合意を前提として確立すること。⑤見直しは、性急に行うのではなく、定年延長とセットで検討すべきであることなどを主張しました。(詳細は国公労連速報3326号参照)
 これに対し、三輪人事政策統括官は「国家公務員の退職手当は、勤続報償的な性格が強いものであるが、職員一般の関心が高い事項であることから、皆様方と真摯に話し合いを行い、しかるべき時期に回答を行う。」と回答しました。

誇りと働きがいに多大な影響を及ぼしかねない
 鎌田書記長は昨今の森友問題や加計問題について「国民の疑念を、曖昧なままにすることなく、公務の公正・中立性の確保と信頼が損なわれないよう、当局として的確に対応すべき」と主張し、三輪人事政策統括官は「公務員がしっかりと誇りをもって働きがいのある仕事をすることが重要なことだということは同感」と応じました。