2017年春闘の政府・人事院の最終回答をうけて(声明)

【私たちの主張:私たちの主張】2017-03-27
2017年3月27日
日本国家公務員労働組合連合会
第3回中央闘争委員会
 
1、政府は27日、人事院は24日、2017年国公労連統一要求書に対する最終回答を行った。国公労連が要求した月額20,000円(4.9%)の賃金引き上げ対する回答は、政府が「人事院勧告も踏まえ、国政全般の観点から検討を行い、方針を決定」とこれまでの回答を踏襲した。人事院も「国家公務員の給与と民間企業の給与の実態を精緻に調査した上で、その精確な比較を行い、適切に対処」と例年の回答を繰り返した。
 国家公務員は、2012年度から2年間、不当な賃下げを強いられ、さらに2015年度から「給与制度の総合的見直し」で高齢層と地方勤務職員の賃下げによる中央優遇の賃金体系を押しつけられ、2017年度から配偶者にかかる扶養手当の段階的改悪が強行されるなど、3年連続のわずかな賃上げも生活改善に結びついていない。また、2018年3月末で「給与制度の総合的見直し」と扶養手当(7級以下職員)の経過措置が終了するとともに、同年4月から宿舎使用料の段階的引き上げが完成する。そのため、生活悪化に歯止めをかけるためには、経過措置の継続などで賃下げを許さないことはもちろん、大幅な賃上げの実現が組合員の切実な要求である。
 こうした国家公務員の生活実態を顧みず、従前の回答に固執する政府・人事院の姿勢に厳しく抗議するものである。
 
2、2017年春闘では、大企業の膨大な内部留保が注目される一方で、政府が財界に賃上げを要請せざるを得ないほど労働者の賃金改善が進まず景気が低迷し続ける中で、すべての労働者の大幅な賃上げの実現が焦点となっていた。国公労連も「格差と貧困をなくそうキャンペーン」を地域で展開するなど、賃上げの気運を高めるべく奮闘してきた、
 しかし財界は、ベースアップに消極的で15日の集中回答では、多くの組合で4年連続のベースアップを引き出したものの、大手企業を中心に前年割れの不十分な回答状況である。他方で国民春闘共闘の第1回目集計(3/16)では、加重平均5,326円と前年同期比△298円と若干下回ったものの、48.9%の組合が前年実績以上の回答を引き出すなど、中小を中心に奮闘している。
 また、春闘のもう一つの焦点は、政府の「働き方改革」の帰趨であった。しかし、注目されていた時間外労働の上限規制も罰則付き規制が労使合意されたが、過労死ラインである月100時間未満が盛り込まれた。同一労働同一賃金については、従前の較差を容認した昨年末のガイドライン案にもとづいた法改正等の検討が進められているなど、「働き方改革」は当初の労働者・国民の期待を裏切り、財界の意向を反映した施策に止まる公算が大きい。他方で「残業代ゼロ」の労働基準法改悪が行われようとしていることから、引き続き、人間らしくはたらくルールの確立をめざす共同を広げることが求められる。
 
3、国公労連は、統一要求とは別立てで「非常勤職員制度の抜本改善を求める重点要求書」(政府・人事院宛)及び「定員管理等に関する要求書」(政府宛)を提出した。
 非常勤課題では、均等待遇や無期雇用化の実現などの制度の抜本改善要求に対して、政府が「『働き方改革』の動向等も注視しつつ、関係機関と連携し、今後の対応に追いて検討」と具体的回答を避けた。人事院は、「皆様の関心の高い要求であると認識している」と従前よりも積極的な姿勢を示したものの、各論については従前の回答に止まった。他方で政府が実態調査を行うとともに、採用に関するルールの統一や更新にあたって「複数年継続して勤務することはあり得る」という姿勢を各府省に示したことは、この間の運動の反映である。引き続き重点要求実現にむけて政府・人事院への追及を単組とも連携しながら強化しなければならない。
 定員課題については、政府は従前通り、最終回答で一切言及しない不当な対応であるが、中間回答では「必要な業務の見直しや再配置、ワークライフバランス定員など、できるだけ工夫はやりたい。また、柔軟な定員管理という指摘もあったがそういった要素も取り入れてしっかりと対応したい」と回答するなど、従前の「担当に伝える」という姿勢を変えさせたことは貴重な到達点である。引き続き「国民の権利と安心・安全をまもる運動」を軸に公務員酷書等を活用しながら総定員法の廃止と定員削減計画の中止を求めて職場・地域から運動を展開する。
 
4、統一要求の重点課題では、定年延長等の高齢期雇用の課題も重視してきた。人事院の回答は、「定年延長にむけた仕組みを具体化していくことが必要」「当面は、フルタイム中心の再任用勤務が実現できるよう、各府省のとりくみを支援する」と積極姿勢を示した。他方政府は、雇用と年金の接続について最終回答では「年金支給開始年齢の段階的な引き上げの時期ごとに検討を行う」という従来の回答に止まった。しかし、中間回答では国公労連の追及に対して「人事院の意見の申し出もふまえ、段階的な定年の引き上げを含めて検討する」と、定年延長に言及したことは、今後の足がかりとなり得るものである。
 また、退職手当改善も焦点となっていたが、政府・人事院ともに労働条件であることを認めようとせずに、あくまで官民比較のみで「見直す」姿勢にこだわったことは、大変遺憾である。他方で政府・人事院が「職員一般の関心が高いことから皆様方から十分に意見を伺う」(政府)、「見解の表明にむけては、職員団体の意見も伺いながら適切に対処する」(人事院)と回答したことから、引き続き、公務の特殊性をふまえた退職手当水準の確保と労働条件であることを前提とした手当の決定方法の確立を求めて、政府・人事院への追及を強化する。
 
5、いま、「働き方改革」が注目され、格差と貧困の拡大が社会問題となる中で、国民本位の行財政・司法の確立は、国民の期待に応えるものであり、その役割を担う国家公務員の労働条件の確保は、政府・人事院の責務である。国公労連は、職場・組合員の切実な要求実現にむけて、中央・地方で国民的共同を発展させながら、要求実現をねばり強く追求する決意である。
 同時に、憲法尊重擁護を担う公務員労働者として戦争できる国づくりに反対するとともに、憲法を守り、戦争法廃止、共謀罪法案の廃案にむけて、全力をあげる。
 本中央闘争委員会は、厳しい職場実態のもとで、要求前進のために精一杯奮闘された全国の全ての仲間に深い感謝と敬意を表するとともに、職場・地域・地方での団結強化と引き続くたたかいへの決起をよびかけるものである。