国公労新聞2017年3月10・25日号(第1479号)

【データ・資料:国公労新聞】2017-03-25
2017春闘 賃金底上げで暮らし改善
国民の権利と安全まもろう



「2017国民春闘勝利!安倍暴走政治ストップ 賃金の大幅引き上げ・底上げ実現、労働法制の大改悪反対」を掲げ開かれた、全労連・国民春闘共闘の中央行動に国公労連は200人(全体で2300人)の全国の仲間が結集しました。日比谷野外音楽堂での労働者総決起集会(写真上)で参加者の声を聞きました。
 

 杵島歩国公一般書記次長が全労連青年部を代表して発言 
 いま奨学金問題は深刻で学生の2人に1人は、奨学金を利用しないといけない現実があります。友人から「奨学金を借りているけど、返せるか不安。将来の展望が描けない」という深刻な声が寄せられ、返済の必要のない給付制奨学金の実現を切望しています。
 全労連青年部が今取り組んでいる奨学金アンケートでは、奨学金の返済のために、「組合費が払えない」「家賃や食費をおさえている」などの声が寄せられています。誰もが等しく教育を受けられるよう給付制奨学金の実現と、「8時間働けば普通に暮らせる社会」をめざして奮闘していきます。



 退職手当改善など政府・人事院を追及
― 単組書記長レベルの交渉実施 ―  

 国公労連は3月9日、2月に政府・人事院に提出した「2017年国公労連統一要求書」及び「非常勤職員制度の抜本改善にむけた重点要求書」並びに「定員管理等に関する要求書」(政府宛のみ)に関わる交渉を実施しました。交渉は、要求書提出以来、政府・内閣人事局とは1回目、人事院とは2回目の実務者レベル交渉として、鎌田書記長を責任者に各単組書記長が参加しました。内閣人事局側は松本総括参事官、人事院側は鈴木職員団体審議官が対応しました。

 

定年延長も含め検討する【内閣人事局】
 内閣人事局交渉では、冒頭国公労連から①大幅賃上げ(現給保障の恒久化含む)、②退職手当の改善、③非常勤職員の労働条件改善、④実効ある超過勤務規制等の重点要求課題の切実性・正当性を改めて指摘しました。そのうえで各単組書記長から職場実態を交えて、定員削減計画の中止と増員による体制確保、フルタイム再任用の定員別枠措置などの柔軟な定員管理の実現、非常勤職員の雇用の安定措置の実現などを追及しました。
 追及に対して内閣人事局の回答の概要は、次の通りです。
 賃金について「国家公務員の給与を社会一般の情勢に適応させるとの原則の下、人事院勧告制度を尊重することが基本姿勢」、退職手当について「勤続報償的な性格が強いものであるが、職員一般の関心が高い事項であることから、人事院の調査結果及び見解が公表されれば、皆様方から十分に御意見を伺う」、非常勤職員制度について「民間の同一労働同一賃金の実現に向けた検討を含む『働き方改革』の動向等も注視しつつ、関係機関と連携し、今後の対応について検討したい」、雇用と年金の接続については、「年金支給開始年齢の段階的な引上げの時期ごとに、再任用制度の活用状況や民間の高年齢者雇用確保措置の実施状況等を勘案し改めて検討を行う」などと回答しました。
 回答に対して鎌田書記長は「回答は従来の域を出ていない、不十分な回答だ」と述べた上で、「景気回復のために政策的に公務員の賃金を下げさせないこと、上げることが重要」、「退職手当は労働条件性を有している。単純比較でなく安定的な制度を求める」、「非常勤は規定が曖昧であり、ルールを明確化すべき。特に更新時の公募を画一的に行うのはやめるべきだ。無期転換制度の検討を求める」、「定年延長の人事院の意見の申出を数年も棚上げにしているが早急に実施すべき」「現行の定員の再配分は労働強化の再配置にしかなっていない。定員管理の在り方を根本的に見直すべきだ。担当部局との協議の場をただちに設けるべき」と再度指摘しました。
 内閣人事局は、雇用と年金の接続のあり方の検討にかかわって「定年延長も含めて検討する」と回答しました。

退職手当 意見うかがい適切に対処【人事院】 
 人事院交渉では、冒頭、現在の検討状況について回答を求めたのに対し、人事院の回答の概要は次の通りでした。
 賃金について「情勢適応の原則に基づき、民間給与の実態を精緻に調査した上で、民間給与との精確な比較を行い、必要な勧告を行うという基本的スタンスに変わりはない」、退職手当について「現在、調査の集計を行っているところである。見解の表明に向けては、職員団体の皆さん等の意見も伺いながら適切に対処する」、非常勤職員制度について「従来の統一要求書に加えて重点要求書という形で頂いており、皆様の関心の高い要求であると認識している」、「(平等取扱原則及び任免の根本基準に照らし)公募要件を撤廃することは適当ではない」、雇用と年金の接続について「定年延長に向けた仕組みを具体化していくことが必要」「当面は、フルタイム中心の再任用勤務が実現できるよう、再任用の運用実態や参考事例の収集・分析、情報提供を行うなどにより、各府省の取組を支援していく」などと回答しました。
 この回答を受け、鎌田書記長は「回答は不十分」と応じた上で、賃金について「大幅賃上げが必要であると制度官庁として姿勢を明確に示すべき」、退職手当について「一方的な見直しは国家公務員労働者の期待権と労働基本権を侵害するもので認められない」、非常勤職員制度について「非常勤職員の勤務条件確保にむけた努力が見受けられない。特に公募について建前にこだわるのではなく、実態を重視すべきだ。無期雇用への転換や常勤化に道を開くなどの制度を変えるべきである」と追及しました。
 そのうえで各単組書記長から、住居手当の改善、通勤手当の全額支給、再任用職員の生活関連手当の支給、実効ある超勤縮減策の実現、非常勤職員の雇用の安定、現給保障の継続などの実現を求めました。
 これを受け人事院は、「引き続き検討する」と回答。国公労連は、「さらに具体的かつ真摯な検討を行い、次回交渉で前進的な回答を求める」として交渉を締めくくりました。



岸田全医労顧問を非連合初の民間担当労働者委員に任命

 政府は2月27日、第34期中央労働委員会の労働者委員に岸田重信全医労顧問を任命しました。労働者委員の任命は、3期目ですが、国立病院機構が非公務員化されたこともあり、これまでの独立行政法人担当から民間企業担当の労働者委員としての任命となりました。非連合推薦ではじめての民間担当労働者委員の任命となりました。

労使紛争解決のために奮闘します【岸田さんの決意】
 第34期中労委労働者委員(民間企業担当)に任命されました。「公正な任命を求める団体署名」にご協力いただいた皆さん方にこころより感謝申し上げます。
 これまで2期4年間で、福祉保育労や大阪教育合同、郵政産業ユニオン、自治労連などの事件を担当してきました。郵政産業ユニオンの3つの事件で勝利的な和解を勝ち取ることができました。
 引き続き労働者委員として不当労働行為や団交拒否、組合活動の不当な制限などで苦しんでいる労働者に貢献できればと考えています。
 民間企業担当の労働者委員になると、これまで以上に多くの事件に関わることになります。労使紛争の解決のために、決意新たに奮闘する決意です。


談話 本質は内心の自由侵害
憲法違反の共謀罪法案の閣議決定に抗議する

2017年3月21日 国公労連書記長 鎌田 一

 




退職手当の一方的な見直しは労働基本権侵害で許されない



退職手当の基本
 退職手当の種類は、「一般の退職手当」と「特別の退職手当」の2種類に区分され、基本的には退職すると「一般の退職手当」が国家公務員退職手当法にもとづいて支給されます。

 退職手当は昭和20年代に長年の勤続に対する報奨として「退職時俸給月額×支給率」とされていました。しかし、2005年の見直しでは、「在職中の貢献度をより的確に反映できる」制度とするために「支給率」(表①参照)をフラット化させたうえで、「調整額」(表②参照)が創設されました。2012年には約402万円の水準引き下げと、2月17日に閣議決定された「社会保障・税一体改革大綱について」にもとづいて、被用者年金一元化がすすめられ、退職給付の一部に民間の企業年金に相当する「年金払い退職給付」が導入されました。また、「給与制度の総合的見直し」の際には「調整額」がさらに拡大されました。
 現在、手当は「基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給率×調整率)+調整額(基礎在職期間の初日の属する月から末日の属する月までの各月ごとに、当該各月にその者が属していた職員の区分に応じて定める額のうち、その額が多いものから60月分の調整月額を合計した額)」で計算されます。

退職手当見直しの動きが加速  
 春闘がヤマ場を迎えるなかで、私たちの重要な労働条件である退職手当の見直しの動きが加速しています。
 退職手当は「国家公務員の総人件費の基本方針」において「退職給付(退職手当及び年金払い退職給付(使用者拠出分))について、官民比較に基づき、概ね5年ごとに退職手当支給水準の見直しを行うことを通じて、官民均衡を確保する」とされていることから、昨年8月に内閣総理大臣と財務大臣が共同で人事院に対して、退職金と企業年金の実態調査と見解の表明を依頼しています。
 そのことを受け、人事院は例年実施している秋の勤務条件制度調査とあわせて民間企業における退職給付制度の調査を2016年10月1日~11月30日の間で実施しています。現在は、調査データの確認・整理等を行い、集計・分析等の作業をすすめている段階としています。
 一方、前回(2012年)の見直しの際に人事院は2012年3月7日に「民間の企業年金及び退職金の調査結果並びに当該調査結果に係る本院の見解の概要」を出しており、近いうちに調査結果と見解が出される可能性も否定できません。

退職手当は重要な労働条件
 民間では、退職手当は賃金の後払いであり、労働条件とされています。国家公務員も、民間と同じく長期勤続を確保するために終身雇用・年功型賃金がベースの雇用形態であることから、退職手当についても賃金の後払いであり、重要な労働条件であると言えます。
 電電公社小倉電話局事件における最高裁判例(1998年3月12日)でも、退職手当法にもとづき支給される一般の退職手当は「法律上の性質は労働基準法11条にいう『労働の対償』としての賃金に該当する」とされており、退職手当法による退職手当は賃金であることが明確に示されています。また、「公務員の退職手当法詳解(退職手当制度研究会)」でも退職手当は、賃金の後払い的な性格を有しているとしています。
 一方、政府は退職手当が明らかに労働条件であるにもかかわらず、「職員の継続勤務、在職中の功績・功労に対する報償としての性格を踏まえて、退職日の俸給月額に勤続年数・各支給率等を乗じる制度になっている」とし、退職手当は「長期勤続の報奨」との立場をとっています。しかし、その根拠は明確にされていません。

見直しは労使合意を前提とすべき
 このように退職手当は労働条件ということが明らかなことをふまえれば、労使合意を前提とすべきです。仮に見直すとしても、使用者が安易な官民比較だけで一方的に見直すことは許されません。また、公務運営の公正・中立性の確保や厳しい再就職規制などの公務の特殊性を踏まえることも必要です。
 前回の見直しで政府は、国公労連の指摘に明確な回答を示さず、議論も先送りして人事院の調査のみによって平均402万円もの引き下げを強行しました。このように退職手当は生涯設計にも大きく影響するもので単純な官民比較のみで大幅に引き下げが可能な制度では、将来が見通せません。したがって、安定的な制度とするなど、退職手当の適正な水準決定のルールも整備も求められています。
 しかし、現在の政府の姿勢は「職員一般の関心が高い事項であることから、人事院の調査結果及び見解が公表されれば、皆様方(職員団体)から十分に御意見を伺ってまいりたい」としているだけで、具体的な議論をさけています。
 前回のように、一方的に労働条件の不利益変更を押しつける姿勢を政府と人事院がとるのであれば、職員の期待を裏切り、退職後の生活設計を困難にするとともに、国家公務員労働者の期待権と労働基本権を侵害するもので断じて認められません。
 人事院に対しては、政府の要請に従って調査結果を示すのではなく、国家公務員労働者の労働基本権制約の代償機関として、政府に対して「退職手当は重要な労働条件であり適正な水準を確保すべきである」との勧告を行うなど、必要な対応を求めていくことが必要です。また、政府・各府省当局に対してはこの間、職場でとりくんだ交渉・上申闘争、職場決議などを背景に労働条件性を明確にさせるとともに、国公労連との合意にもとづいてすすめることを追及していく必要があります。


 

核兵器廃絶の歴史的チャンス
被災63年 ビキニデー集会ひらく



 「核兵器禁止条約実現の歴史的チャンス 草の根から核兵器全面禁止の行動を」をスローガンに、「被災63年2017年3・1ビキニデー 日本原水協全国集会」が2月27日から3月1日までの3日間、静岡県静岡市と焼津市で開かれ、3・1ビキニデー集会の会場には全国から1700人が集まりました。

 主催者は、「今年のビキニデーは、ビキニ事件を契機に始まった原水爆禁止運動のめざす核兵器廃絶、それに至る核兵器禁止条約実現に向けて絶好のチャンス」と述べるとともに、「粘り強いたたかいの積み重ねが、核兵器禁止条約の交渉を開始するところまで発展している。この到達点に立って今一度、被爆国国民として心をひとつに力を合わせ燃え上がるべき時ではないでしょうか」と呼びかけました。
 核兵器をなくそうと声をあげる青年団体でつくる「Ring!Link!Zero」実行委員会は、2月28日の夜に静岡駅前で、核兵器禁止条約締結をすべての国に求める「ヒバクシャ国際署名」を訴える宣伝行動を実施。シールアンケートで街行く人から思いを聞き取りながら、署名を集めました。参加者からは「みんな核兵器を無くしたいと思っているけど、日本政府が核兵器禁止条約の交渉開始の国連決議に反対したことを知らない人が多い。日本政府の姿勢を変えていくのは世論だと訴えている」と思いが語られました。