国公労新聞2017年2月10日号(第1477号)

【データ・資料:国公労新聞】2017-02-10
第148回拡大中央委員会ひらく
すべての労働者の賃上げと雇用確保
国民の権利と安心・安全をまもろう

 国公労連は1月27日、第148回拡大中央委員会を東京都内で開き、中央委員30人、特別中央委員49人など総勢122人が出席しました。すべての労働者の賃上げと雇用確保をめざすとりくみや、「国民の権利と安心・安全をまもる運動」の推進など2017年春闘方針と「国公労連統一要求」「非常勤職員制度の抜本改善要求と運動の基本方向」「総選挙闘争方針」を満場一致で決定しました。また、中央執行委員の補充選挙により3氏(写真左下)を選出しました。全労連の岩橋祐治副議長、日本共産党の島津幸広衆院議員から激励あいさつを受けました。

 
 冒頭、あいさつに立った岡部委員長は、安倍政権がテロ対策を口実に「共謀罪」の提出など「戦時体制づくり」を狙っている危険性を指摘し、「国公労連は、『再び戦争の奉仕者にならない』決意で、安倍政権の暴走にストップをかける運動に合流する。これは、憲法に列記された『基本的人権を保障し、誰もが個人として尊重される社会』で、『全体の奉仕者』としての責務を果し得る公務・公共サービスの拡充をめざす『国民の安心・安全をまもる運動』の立脚点。根源的な要求実現のために政治を変えよう。ビクトリー・マップ運動を軸に、最低賃金の底上げと『給与制度の総合的見直し』に伴う現給保障の解消、生活改善できる月額2万円以上の賃上げを要求して職場・地域から春闘に結集しよう」と呼びかけました。続いて鎌田書記長が、春闘方針案と統一要求案を提案しました。
 
労働条件改善と体制充実を一体で 
 討論では19人から発言がありました。
 賃上げ、労働条件改善をめざすとりくみでは、「生活改善へ大幅賃上げが必要。掛け声だけの春闘にならないように、組織拡大をあわせて勝ち取っていく」(国土交通労組)、「大企業の内部留保を還元させ、労働者の賃上げの流れを全員参加型の運動でつくりたい」(全司法)、「非常勤職員が官製ワーキングプア状態に置かれている問題がマスコミにも取り上げられている。この追い風にのって、非常勤職員の3年公募を早期に撤廃させたい」(全労働)などの発言がありました。
 「国民の権利と安心・安全をまもる運動」では、「法務局では1998年度以降、定員の純減が続き、慢性的な長時間過密労働が強いられ、休暇も取れないばかりか、休日出勤を強いられている。メンタル疾患による休職者があとを絶たず職員の疲弊は限界の状態だ。定員削減は行政サービス切り捨てにもつながっており、国民の権利を侵害している。「増員国会請願署名」やブロック国公でとりくまれるシンポジウムなどに積極的に結集したい」(全法務)、「裁判所においても職員が増えないのに業務は増大する一方で、国民に対する均質な司法サービスの提供が困難になっている。『公務員酷書』の内容を世論にアピールする『国民の権利と安心・安全をまもるシンポジウム』は各ブロックでの開催はもちろん中央段階においても開催すべきだ」(全司法)などの発言がありました。
 
全員参加型で組織拡大を
 組織拡大では、「昨年から組織拡大推進会議を開催し、各組織がお互いの実践経験を学び合っている。そして労働組合活性化プロジェクトチームが具体的な実践経験や各ステップごとのとりくみ、『組合メリット論』への考え方などを示す報告書を作成した」(全労働)、「大都市部の青年層が極端に少ない実態があったが地道なとりくみで青年みずからが組織拡大を進めている。その際、職場の青年に労働組合がどう見られているかなど青年の率直な視点を出発点にすることが大事だ。そうした点でも国公青年セミナーは各単組の青年の大切な場となっている。役員請負型から組合員全員参加型への運動の転換をはかりたい。国公共済会は組織拡大のツールとして有効で積極的に活用してゆく」(全司法)、「国公一般東北を立ち上げ、さっそく青森県内で組織拡大が進んだ。青年層を重視して組織拡大に奮闘したい」(東北ブロック)など組織拡大に関する発言が相次ぎました。



 
2017年春闘アピール
2017年1月27日 日本国家公務員労働組合連合会第148回拡大中央委員会

 国公労連は本日、第148回拡大中央委員会を開催し、17年春闘をたたかう方針を決定した。

 
 安倍政権は、第193回通常国会で、話し合っただけで処罰される共謀罪を成立させ、「働き方改革」「同一労働同一賃金」と称して不当解雇の金銭解決も視野に労働者保護法制の破壊をもくろんでいる。また、南スーダンへの自衛隊派遣、沖縄辺野古新基地建設・高江ヘリパット建設を強行し、施政方針演説では「憲法審査会で具体的な議論を深める」と発言するなど、強力に軍事大国化をすすめている。
 
 アベノミクスにより大企業の内部留保は過去最高となる一方で、労働者の実質賃金は減少し続け、非正規労働者は2000万人を超え、4人に1人が年収200万円未満となるなど、格差と貧困は拡大し続けている。富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が滴り落ちるとする「トリクルダウン」は発生せず、アベノミクスは既に破綻を呈している。景気回復には、労働者の大幅賃上げと安定した雇用の確保による内需拡大が不可欠である。わたしたちは、月額2万円以上のベア要求、非常勤職員の時給150円以上の引き上げなどを求める「2017年春闘統一要求」の実現をはじめ、ビクトリーマップ運動と応能負担の原則に基づいた税制改革を求める運動を結びつけるとともに、同一労働同一賃金・均等待遇の確立を求めて、地域から官民共同・国民共同のたたかいに全力をあげる。あわせて、非常勤職員の均等待遇実現、乱暴な雇い止め阻止など雇用の安定へ、使用者責任の追及を強化する方針を確立した。
 
 わたしたちの職場においては、大幅増員と定員削減計画の中止や超過勤務の実効ある規制が直ちに必要不可欠な状況となっている。電通社員の過労自死では長時間労働を取り締まる労働基準監督官などの労働行政体制の不十分さが指摘された。軽井沢スキーバス転落事故では国土交通省の自動車監査官の不足が注目された。これらの事例は、公務の役割が、憲法で保障された国民の権利や安心・安全をまもるためのものであり、安易な定員削減や民間委託などが国民のいのちを危険にさらしていることを改めて示した。わたしたちは、組織強化・拡大により体制を強化し、公務公共サービスの需要にみあう体制の拡充を求め、「国民の権利と安心・安全をまもる運動」に取り組むことにより国民の権利を保障し、安心と安全を確保することを確認した。
 
 「公務員賃下げ違憲訴訟」の控訴審判決は、一審判決を踏襲して原告の控訴をすべて棄却する不当な判決であった。わたしたちは、労働基本権回復に向けた権利闘争を前進させるため、社会保険庁職員の不当解雇撤回のたたかいとともに、国民的な理解を広げ、逆転勝訴に向けて全力をあげることを決意した。
 安倍暴走政治をストップさせるため、広範な労働者と市民との共同を大きくひろげ、17年国民春闘を意気高くたたかおう。
 


 

内部留保"313兆円"を賃上げと雇用へ
17春闘スタート 経団連を包囲

 全労連・国民春闘共闘委員会は1月19日、「2017年春闘闘争宣言」の行動を展開し、厚生労働省前行動と丸の内デモ、経団連包囲行動にのべ1300人が参加しました。
 
賃金は下がり続け内部留保は増大
 経団連包囲行動で主催者あいさつした小田川義和代表幹事(全労連議長)は、経団連の春闘指針「2017年版経営労働政策特別委員会報告(経労委報告)」が賃金抑制の立場であることを批判。「2011年から2015年の実質賃金がマイナスだった一方、大企業の内部留保は増え続け313兆円にも達している。ILO(国際労働機関)も日本のような実質賃金低下は経済社会のリスク要因と指摘している。この状況を改善しない限り、消費の回復はないということをまず認めるべきだ」と経団連の総額人件費抑制からの転換を迫りました。
 
米国の雇用に協力するトヨタ
 また、小田川代表幹事は、残業代ゼロで過労死促進となる労働基準法「改正」法案の撤回や、過労死・長時間残業をなくすための労働時間の上限規制を求めた上で、トランプ氏のツイッター上での発言をめぐる日本企業の動きを批判。「トヨタは向こう5年間で1兆円を超える投資を米国で行い、雇用への協力を即座に表明した。はらわたが煮えくり返る思いだ。下請け企業には単価引き下げを要請し、景気が悪くなれば期間工を即座に解雇する。海外生産で地域経済と雇用を壊しながら、米国には大盤振る舞いを表明する異常を許してはならない」と述べました。



 
「公務員酷書『やばすぎる公務員削減』」を記者発表

 国公労連は1月30日に記者会見し、『公務員酷書――ヤバすぎる公務員削減』を発表しました。
 この『公務員酷書』は、国家公務員の定員削減が国民の暮らしや権利に及ぼす各行政分野における問題点と疲弊する国公職場の実態を、各単組本部が告発したものです。全文は国公労連の月刊誌『KOKKO』2月号(下記広告参照)に掲載しています。
 『公務員酷書』をひな形として、各ブロックでも地域性を踏まえて独自に作成し、より深刻な定員削減の実態と、それによる公務・公共サービスの実施体制の弱体化、減らされ続ける常勤職員のかわりに恒常的な公務を担っている非常勤職員の劣悪な労働条件・雇用の問題などを発信します。加えて、各ブロックの『公務員酷書』の内容を地域の世論に広くアピールするため、「国民の権利と安心・安全をまもるシンポジウム」(※名称はブロックごとに独自に設定)を各ブロック国公で開催し、地方公務員や教員、地方マスコミなどの協力も得ながら、公務・公共サービスの拡充をめざします。
 
国公労連・鎌田書記長が『AERA』に登場
 週刊誌『AERA』の2月6日号には、国公労連の鎌田書記長が登場し、国公労働者は「人事院が上限目安を定めているが、仕組みとしては無制限に時間外労働をすることができる」問題などを指摘。『公務員酷書』でも告発している霞が関の長時間残業の実態が掲載されています。マスコミも注目する国公職場の実態を告発し行政体制拡充のとりくみを進めます。