国公労新聞2016年10月10日号(第1471号)

【データ・資料:国公労新聞】2016-10-10
臨時国会の焦点
給与法「改正」法案、「残業代ゼロ」の「働き方改革」NO!
暮らし改善へ共同広げよう

 9月26日、秋の臨時国会が開会しました。安倍首相は所信表明演説で、アベノミクスのいっそうの加速とデフレからの脱出、1億総活躍の鍵として「働き方改革」の推進などを掲げるとともに、憲法について憲法審査会での議論を深めることを呼びかけました。
 しかし、臨時国会で政府が成立をねらっている重要法案は、大型投資などを含む第2次補正予算案、日本の産業にダメージを与えかねないTPP承認案・関連法案、消費増税延期関連法案などであり、国民生活改善に結びつく対策は、後回しにされています。
 他方でこの時期、安全保障法(戦争法)の発動として南スーダンへのPKO部隊派遣や、密告制度を奨励する共謀罪の再提出の動きなどにも注意が必要です。
 安倍首相は、賃金や有効求人倍率が上向いてきたアベノミクスの効果を自賛していますが、その実態は、大企業の内部留保が過去最高を更新する中で、諸経費の引き上げや物価高などで実質賃金の低下に歯止めがかからず、求人も正規労働が減少して非正規労働が増加しているなど、労働者の生活は悪化の一途をたどり、格差と貧困が拡大しています。
 
アベノミクスで巨額の年金損失
 そのため、内需が低迷し続け、デフレ傾向が強まるとともに、アベノミクスが頼りとしてきた株価や円相場も、低迷傾向にあり、年金積立金投資にも巨額の損失を生じさせるなど、国民の将来の保障にも深刻な悪影響を与えています。そのため、来春闘に向けて、アベノミクス政策をやめさせ、大幅賃上げと雇用の安定で景気回復をめざすたたかいが重要です。
 
「働き方改革」の行方
 「働き方改革」について安倍首相は、「働く人の立場に立った改革」と位置付け、労働制度の大胆な改革を進めるとしています。そのため「働き方改革実行計画」を年度内にまとめ、可能なものから速やかに実行するとしています。27日の「働き方改革実現会議」の初会合では、「改革」の主なテーマとして、①同一労働同一賃金、②転職、再就職支援、③労働時間の上限規制、④下請け企業の取引条件の改善、⑤24時間営業のあり方、⑥テレワークや副業・兼業、⑦社会保障制度・税制などの再検討、⑧継続雇用や定年年齢の引き上げ、⑨外国人材の労働者としての受入、など9項目を掲げました。
 
「残業代ゼロ」ねらう
 しかし「働き方改革」の具体的内容はこれからの議論に委ねられていますし、政府は、昨年の労働者派遣法の大改悪に続いて、継続審議となっている「残業代ゼロ」の労働基準法改悪法案の成立をねらっていることから、「改革」の実効性に対する疑問が各方面から指摘されています。そのため、人間らしく働くルールの確立を求める一致した共同のとりくみが重要です。
 臨時国会では、8月の人事院勧告の取扱いにかかわる給与法「改正」法案なども焦点となります。政府は、10月中に給与関係閣僚会議で勧告の取扱いについての結論を得て、関連法案を国会に提出するたの準備を進めています。国公労連は、4月に遡った月例給・一時金の改善の早期実施を求めるとともに、労働条件の不利益変更である扶養手当の改悪阻止を求めて政府との交渉・協議を重ねています。
 また、この時期は、国会の議論と並行して、来年度予算案の編成作業が進められ、定員や級別定数などについて要求を如何に反映させるかが焦点となります。


 
 
【人勧取扱い】10月中旬ヤマ場

 2016年人事院勧告の取扱いをめぐって政府は、8月15日に第1回給与関係閣僚会議を開催し、勧告の取扱いの検討に着手しています。菅官房長官は「人勧尊重」と従来どおりの立場を表明していますが、麻生財務大臣は人件費の増加となることを指摘し、人件費の抑制を強調しています。
 国公労連もこの間、内閣人事局に対して①給与・処遇の改善、②扶養手当改悪の不実施、③両立支援制度拡充と制度活用できる職場環境整備、④定年年齢の引き上げ、希望者全員のフルタイム再任用の保障、⑤非常勤職員の賃金・労働条件改善、雇用の安定などを要求し、交渉を強めています。
 しかし、内閣人事局は国公労連や単組からの追及に対して具体的な回答を避けるなど誠実な対応となっていません。第2回の給与関係閣僚会議が10月半ばに開催され、そこで人勧の取扱いを決定することが予定されており、ヤマ場を迎えます。
 職場で秋季年末闘争における情勢と運動の意思統一をはかるとともに、政府あての決議送付など、政府・内閣人事局へのとりくみを強めましょう。


 
 
「国民の権利と安心・安全をまもる運動」にとりくもう

 歴代政権は財界の求めに応じて、公務・公共サービスを次々と縮小・解体しています。そのもとで、格差と貧困はいっそう拡大し、国民の暮らしや権利をまもる公務・公共サービスの重要性は大きくなっています。
 この間、総定員法と定員削減計画による定員削減が推進され、とりわけ国民と直接向き合って業務をすすめている地方出先機関の人員削減が強行されています。一方で、行政運営を担保するために、非常勤・委託職員化で対応している実態にあり、公務の質や「官製ワーキングプア」、長時間過密労働にともなう職員の健康被害など、公務・公共サービス縮小・解体のしわ寄せが国民と職場に押しつけられています。
 国公労連は、公務・公共サービスの実施体制の弱体化に対して、中期的に「国民の権利と安心・安全をまもる運動」を職場・地域から実践していくこととしています。
 国のそれぞれの行政機関がどういった仕事をし、どのような役割を果たしているのか、などを理解してくれている方々は多くありません。体制拡充のためにもこの実態を変えていく必要があります。そのため、総人件費削減が国民の生活と権利に及ぼす影響、官製ワーキングプアの問題などを内外に発信するために作成する公務員酷書「ヤバすぎる公務員削減、総人件費削減の罠(仮称)」などを活用し、幅広い国民諸階層や国会議員、地方議会、マスコミ等へ組合員自らの言葉で訴えていくことが重要になります。
 各ブロック国公では、春闘期に「国民の権利と安心・安全をまもるシンポジウム」や市民対話集会を開催し、現場の実態を発信します。秋季年末闘争期にはシンポジウムの内容検討や幅広い層への呼びかけなど準備をすすめていくことが必要です。
 職場ではこうした運動を背景に、国家公務員の定員管理政策の抜本的見直しを求める「定員課題二大アクション」として、①総定員法廃止、定員削減計画の中止と定員管理の柔軟化を求める「国の定員管理に関する国会請願署名」を来年通常国会で提出・採択をめざして、単組の増員署名とも連携してすすめ、②国の機関の体制確保のための大幅増員等を求める「定員管理要求書(政府宛)」の提出・上申を春闘期に展開します。
 この「二大アクション」にすべての組合員が参加するとともに、職場の未加入者への呼びかけなども強めることが要求前進と組織の強化・拡大にもつながります。
 「国民の権利と安心・安全をまもる運動」の成功にむけ、奮闘していきましょう。



 
みんなが主役!
誰もが働き続けられる職場を
国公女性協第42回総会

 9月24~25日、東京都内で、国公女性協第42回定期総会を開催しました。9単産と12県国公、5ブロックの代表と常任委員を含め、延べ48人の参加となりました。
 執行部より、男女ともにいきいきと働き続けるためにとりくんだ人事院追及や、平和と民主主義を守るとりくみとして実施した「わたしたちの平和ゼミナール」、第46回国公女性交流集会などを含めた経過と到達を報告。2016年度の方針案では、憲法を守り、いかして、健康で誇りを持ち働き続けられる職場を、自分たちの手で作り上げるために、一人ひとりの要求を共有し「集まって話す」こと、「女性労働者の健康・労働実態及び雇用における男女平等調査」等の結果を踏まえた要求確立と改善を求めるとりくみなどを提案しました。
 県国公からの参加者から、「春の節句に桜餅やウグイス餅、メーデーにコーヒーとリンゴジュースを販売し、組合員から喜ばれ、女性協のアピールにつながっている」、「女性の集会では、定年退職後に年金で生活していけるのだろうかと再雇用の処遇などが話題になる」などの発言がありました。また、「定員削減で女性組織の維持が難しい」との発言もありましたが、数年振りに、女性集会を開催した県国公からの報告もあり、「集まって話す」機会を設けることの重要性が補強され、方針案等を満場一致で採択しました。