国公労新聞2016年9月25日号(第1470号)

【データ・資料:国公労新聞】2016-09-25
国民の権利と安心・安全をまもろう
秋季年末闘争のポイント ― 鎌田書記長にきく

 国公労連は、8月25~27日の第62回定期大会で秋季年末闘争方針を確立しました。重点課題とそのポイントについて鎌田書記長にききました。

 
改善勧告の早期実施と扶養手当の改悪阻止
 Q 賃金確定にむけての追及点は?
 A 今年の人事院勧告は、3年連続で月例給・一時金ともに改善となりましたが、生活改善にはほど遠い内容です。特に月例給改善は、多くの職員が現給保障に吸収されて現行支給額のまま放置されました。政府に対しては、こうした要因となった「給与制度の総合的見直し」の中止と改善勧告の早期実施を求めていきます。
 また、扶養手当の改悪については、労働条件の不利益変更にもかかわらず、人事院が十分な説明もなく一方的に勧告したことから、政府に対して改悪勧告の不実施を求めます。

 
定員管理政策の抜本見直しで大幅増員を
 Q 秋のとりくみの最重点課題は?
 A この時期は、来年度予算編成に向けて各府省の増員査定をめざすとともに、「国民の権利と安心・安全をまもる運動」の準備を進めます。 この運動は、国民の権利と安心・安全をまもる国の機関の体制確立をめざすとともに、それを阻害している総人件費削減政策の転換をめざして中期的にとりくみを展開します。
 今年度は、中央・地方で「国民の権利と安心・安全をまもるシンポジウム」等を公務産別とも連携して開催するとともに、公務員酷書「ヤバすぎる公務員削減、総人件費削減の罠」(仮称)を発表して、総人件費削減が国民の権利や生活に及ぼす影響や非常勤職員問題を内外に発信します。
 また、「定員課題二大アクション」として、①定員削減計画の中止・凍結と総定員法の廃止などによって増員をめざす「増員国会請願署名」、②柔軟な定員管理を求める政府宛の「定員管理要求書」の提出・上申のとりくみを展開します。

非常勤の処遇改善、定年延長の実現を
 Q 非常勤職員、再任用職員の処遇改善については?
 A 定期大会で予備提案した「非常勤職員制度の抜本改善要求と運動の基本方向(案)」の職場討議を進めるとともに、政府・人事院に対して非常勤職員の雇用の安定と均等待遇などの処遇改善を求めていきます。
 また、定年延長の早期実現と経験を十分活かすことのできる再任用職員の職務と処遇の実現をめざします。その前提となる定員管理の柔軟化について、人事院の報告(新規採用を確保しながらフルタイム中心の再任用が実現できる仕組み)の実現を含めて政府への追及を強めます。

改憲阻止にむけて共同の発展を
 Q 国民的課題については?
 A 国公労連は、「公務員はふたたび戦争の奉仕者にならない」をキャッチフレーズとして、憲法改悪を阻止し、安全保障法廃止、沖縄新基地建設反対など、戦争する国づくりに反対する国民的運動に主体的に結集します。
 また、秋の臨時国会では、補正予算やTPP批准関連法案、労働基準法「改悪」法案など、国民生活に密接に関連する法案が審議されることから、一致する課題での共同をめざします。
 
春闘を視野に入れたとりくみも
 Q 春闘勝利にむけては?
 A 来春闘では、大企業の内部留保などの過剰な蓄財に焦点をあてながら、利益と株主優先の体質を改めさせ、税の応能負担の原則による再配分機能の強化で、労働者の賃上げや中小下請け企業への配慮、社会保障の拡充などを求めます。
 そして、莫大な利益を社会に還元させるため、「格差と貧困をなくそう…過剰な蓄財を社会に還元を」キャンペーンを展開します。
 そのため、秋の段階からビクトリーマップや税制改革の提言などの準備を進め、この運動を推進して賃上げの気運を高めるポスターを作製し、活用をはかります。

 
「公務員賃下げ違憲訴訟」控訴審が結審
判決日は12月5日に

 公正判決署名に全力を 11月末最終集約 
 2014年10月30日の一審不当判決を受けて同年11月13日に東京高裁に控訴していた「公務員賃下げ違憲訴訟」控訴審は、9月12日の第4回口頭弁論をもって結審となりました。判決は12月5日15時に言い渡されます。
 弁論では、松木長男原告(全労働)と郡司一徳原告(国土交通労組、現国公労連中執)が意見陳述にたち、震災復興に全力を挙げている公務員に対する賃下げがどれほど不当なものであったかを、また、政府が主張する若年層に対する減額率の配慮が如何に配慮に値しないものであったか等について陳述しました。
 弁護団を代表して最終陳述にたった岡村弁護団長からは、本件賃下げが如何に国会の立法裁量権を濫用したものであったかについて、「人事院勧告に基づかない立法であること」「高度の必要性に基づく合理的な立法ではないこと」などの観点から陳述した上で、裁判所は勇気を持って違憲立法審査権を行使して違憲判断を下すよう強く要請しました。
 控訴審が結審となったことから、法廷内のたたかいは終結しましたが、法廷外のとりくみはまだ続けられます。
 この間、国公労連は、世論で裁判所を包囲し、逆転勝訴判決を勝ち取るためのとりくみとして、①各県における毎月1回の街頭宣伝行動の実施、②公正判決を求める東京高裁要請署名(団体・個人)の集約を行ってきました。これらのとりくみを、判決日ぎりぎりまでとりくむこととしますので、各単組・組合員の皆さんの引き続く奮闘を要請します。
 とりわけ公正判決を求める要請書名については、まだ、とりくみが十分可能ですので、11月末集約に向けて全力を挙げることを要請します。

 
岸田さんと田中さんの任命を
中労委労働者委員の公正任命を求める団体署名(10月末しめきり)

 全国労働委員会対策会議(全労連、日本マスコミ文化情報労組会議、純中立労組懇で構成)は、1989年以来、中労委労働者委員の公正任命と労働委員会の民主化を求めて共同のとりくみを行なってきました。
 その結果、第30期(2008年11月~)・第31期(10年11月~)に対策会議が推薦する淀房子さんが独立行政法人担当委員として任命され、歴史的な一歩を踏み出しました。続いて、第32期(13年2月~)・第33期(15年2月~)では、岸田重信氏(前全医労委員長)の任命をかちとりました。しかしながら、一般(民間)企業担当委員は、いまだ連合独占という不公正な任命になっています。
 第34期(17年2月27日~19年2月26日)の労働者委員選任にむけて、対策会議は、国立病院機構が昨年4月から非公務員型独法に移行したことから、一般企業担当枠として岸田重信氏の再任命をめざすとともに、田中広喜氏(新聞労連争議弾圧対策副部長)の新たな任命をめざして団体署名をとりくみます。
 全機関(単組本部・支部・分会、青年・女性組織、地域組織)での積極的なとりくみを要請します。
 
◎署名の送り先 署名数を明記して、国公労連ではなく、左記に送付してください。最終しめきりは10月31日です。
 
〒113―8462
東京都文京区湯島2―4―4 全労連会館4F
全労連組織・法規対策局あて
電話 03―5842―5611

 
生活改善できる賃上げをめざして
2017要求組織アンケート

 国公労連は秋季年末闘争期に「国公労連2017年要求組織アンケート」(3、4面に掲載)にとりくみます。組合員をはじめ、職場の労働者の要求と意識を把握し、17春闘にむけた要求確立や今後の組合運動に活用するとともに、アンケートを通じて対話をすすめ組織拡大・強化をはかることを目的に実施します。
 安倍政権が「アベノミクス」を推進し、大企業優遇の政治をすすめるもとで、実質賃金が5年連続でマイナスとなるなど、国民のくらしは悪化しつづけ、私たち国公労働者のくらしも同様に深刻です。昨年のアンケート結果でも6割を超える組合員が「生活が苦しい」としています。
 一方、8月8日に出された人事院勧告は月例給0・17%、一時金0・1月引き上げる3年連続のプラス勧告となり、青年層の賃金は一定改善されました。しかし、物価上昇にも満たない低額勧告であり、とりわけ、高齢層職員は「給与制度の総合的見直し」にともなう現給保障に賃上げ分が吸収され、実質賃上げとはならず、生活改善にはおよんでいません。
 こうしたもとで17春闘では、業績アップ分をベアでなく一時金アップで反映する企業が増えるとともに、成果主義が強まるなか、民間労働者と共同してすべての労働者が生活改善できるベア獲得と雇用の安定などを勝ちとることが求められています。アンケートは17春闘における官民共同のとりくみの出発点となるものです。
 また、労働組合の活動は職場の労働者の不満や要求が出発点です。職場や生活の共通する不満などを組合員一人ひとりから聞き取り、実態を職場のみんなで話し合い、要求にまとめあげ、その要求にもとづいて運動をすすめていくことが必要です。
 アンケートを実施する過程では、組合員はもとより、未加入者にもアンケートへの参加を呼びかけ、そのことを通じて労働組合を強く大きくしていくことが求められています。
 すべての職場でアンケートを積極的にすすめていきましょう。