国公労新聞2016年7月25日号(第1466号)

【データ・資料:国公労新聞】2016-07-25
参院選で市民と野党の共闘が前進
安倍内閣の暴走許さない 

 7月10日に投票日をむかえた参議院選挙は、自民・公明の与党が改選議席の過半数を上回る70議席を獲得し、自民党単独でも過半数を占める結果となりました。また、おおさか維新などとあわせた改憲勢力は参議院で3分の2議席を超え、これをうけて、選挙中は改憲の主張を避けてきた安倍首相は、手のひらを返して憲法改正にむけた憲法審査会での議論の促進を表明しています。
 一方、32の1人区で立候補した野党統一候補は、自民候補との激戦の末、11人が当選しました。自民党が29議席を占めた3年前の選挙とくらべて、大きな前進です。変化を生み出したのは、何よりも安保法制の廃止、立憲主義と民主主義の回復を求める共同の力です。この結果からも、国民が安倍政権のもとでの憲法改正を求めていないことは明らかです。
 「自民一強」などと報じられ、盤石に見える安倍政権も、市民と野党が力を合わせれば、その一郭を突きくずせることが、今回の参議院選挙で証明されました。この結果を土台に、憲法改悪を阻止する共同を、さらにひろげていく必要があります。
 安倍首相は、選挙後の記者会見で、「アベノミクスをいっそう加速せよとの信任をいただいた」などとのべ、新たな経済対策を柱にした補正予算案を、秋の臨時国会に提出する予定です。しかし、その内容は、リニア中央新幹線の前倒し開業やクルーズ船のための港湾施設の整備・増強などが検討されており、使い古された大型公共事業の積み増しでは、景気回復につながらないのはすでに実証されています。
 真の景気対策には、労働者の賃上げこそ政府がとりくむべき最優先の課題です。その点からも、いまたたかいの重要局面をむかえている「時給千円以上」の最低賃金実現や公務員賃金の改善を、官民共同で勝ち取っていく必要があります。憲法改悪をはじめ、安倍内閣による悪政を許さないため、引き続き、職場や地域での奮闘が求められています。

 
抜本的な待遇改善めざそう
非常勤交流決起集会ひらく

 国公労連は7月8日、非常勤組合員交流・決起集会を開催し、全体集会に加え、政府・人事院との交渉にとりくみ、非常勤組合員11人を含む40人が結集しました。
 全体集会では、鎌田書記長が、「国家公務員の非常勤職員制度の問題点と運動の基本方向について」と題して基調報告し、職場で現に起こっている問題の解決を喫緊の課題としつつ、抜本的な待遇改善をめざすためのあらたな要求と運動の方向性について提起しました。
 全体討論では、「同一労働同一賃金や均等待遇というが、まずは無期転換だ」「国交省は3年雇い止めに固執している。雇用期間の延長が必要だ」など、職場実態が異なる中で様々な声があがりました。
 重視する課題は各府省によって異なっており、非常勤職員制度の問題の根深さとともに、これまで各府省が制度の中で異なる運用を行ってきた実態のもと、今日的な課題があらためて明らかとなりました。
 また、全体討論では、それぞれの職場の実態や思い、単組の実情や課題などが一人ひとりから話され、相互に交流を深めることができました。
 
政府・人事院に実態突きつける
 全体集会後の人事院交渉には非常勤組合員10人を含む21人が、内閣人事局交渉には非常勤組合員7人を含む17人が参加し、職場や生活の実態を示して待遇改善を訴えました。
 人事院交渉では、全国から集約した「非常勤職員の労働条件改善を求める要求署名」について、過去最高となる約2万5千筆余りを提出し、全国の職場の声として、公募要件の撤廃や賃金・休暇制度の改善などを訴えました。政府・人事院ともに、具体的回答はなかったものの、突きつけられた実態を受け止めざるを得ませんでした。
 交渉配置を含め1日の過密日程となり、交流や討論の時間も十分にはとれませんでしたが、この集会を出発点とし、各単組の協力を得ながら、さらなるとりくみ強化につなげていくことが求められます。

 
16年人勧での要求前進へ
職場からの闘争強化を 

 例年8月上旬に行われる人事院勧告を前に、交渉が大詰めを迎えています。国公労連が提出した2016年人事院勧告に向けた重点要求に関する交渉は、国公労連本部と人事院本院、各ブロック国公と人事院地方事務局との間で進められていますが、7月14日には、人事院職員団体審議官との交渉が行われ、国公労連本部と各単組書記長が参加して、要求の実現を迫りました。
 各単組からは、職場実態や組合員の切実な声を交えながら、賃金改善、配偶者にかかる扶養手当の改悪反対、再任用職員の処遇改善と定員確保、非常勤職員の処遇改善、職員の健康確保対策の推進などにかかる要求の実現を求めました。
 人事院は、勧告については「賃金・一時金については、民調結果を集計中であり、今の段階では何とも言えない」、高齢層の賃金改善については「配分の問題として承る」、扶養手当については「職員団体等の意見を踏まえながら、必要な検討を行う」、再任用職員の給与については「再任用制度の運用状況を踏まえ、必要な検討を行う」などと、抽象的で内容の乏しいきわめて不満な回答にとどまりました。
 非常勤職員の処遇改善については、給与について「指針の内容に沿った運用の確保」、休暇について「民間の動向等を注視」、公募や一律雇い止め等については「期間業務職員制度の適正な運用を周知」などと、これまでの回答をくり返しました。
 人事院の回答に対して鎌田書記長は、賃上げを強く求めつつ、「経過措置の終了によって賃下げとならないように政策的に対処すべき」、扶養手当について、政府の女性の就業抑制との指摘は的外れであり、就業抑制してきたのは政府自身だ。保育や育児、介護などの整備抜きに手当のみ検討することは問題であり、政府の要請をうけ人事院が検討すること自体おかしい」、非常勤職員制度について「政府の同一労働同一賃金方針は、公務員も含まれているはず。職務給の原則をふまえ格差是正と無期雇用化などの雇用安定策を措置せよ」、再任用について「職務とかけ離れた処遇しかできない制度を根本的に改善すべき」など強調しました。
 最後に、合理性のない労働条件の不利益変更は認められないこと、引き続き交渉・協議を重ねて、要求を前進させるよう求め交渉を終えました。
 16年人勧での要求前進をかちとるために、最低賃金改善のたたかいとともに、署名、宣伝、上申闘争の強化が求められています。