職務外の命令は安易に行うべきではない。米軍関係事件の根絶こそ必要
――国の職員による「沖縄・地域安全パトロール」の実施に対して(談話)

【私たちの主張:私たちの主張】2016-07-01
2016年7月1日
日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)
書記長 鎌田 一
 
 今年4月28日に沖縄うるま市内で発生した米軍属(元海兵隊員)による女性暴行殺人事件(6月9日死体遺棄罪で起訴、6月30日殺人・強姦致死罪で追起訴)にかかわって、日本政府は、5月26日に「沖縄県における犯罪抑止対策推進チーム」を発足させた。推進チームは、6月3日に「沖縄県における犯罪抑止に関する対策について」をとりまとめ、防犯パトロール体制の強化などの対策の実施を盛り込んだ。
 防犯パトロール体制の強化については、警察による体制の強化に加えて、「車両100台規模の『沖縄・地域安全パトロール隊』を創設して、繁華街等において、緊急防犯パトロールを実施する」とし、政府は、沖縄総合事務局で非常勤職員の雇用が整う8月頃までの間は、国の機関の車両を用いて実施する方針を打ち出した。
 既に6月15日から沖縄総合事務局(内閣府)と沖縄防衛局から職員による約20台のパトロールが開始され、6月28日には、8省庁の在沖縄の13機関に対して追加の車両約20台と人員の協力が求められ、土日を含む毎日、19時から22時に1台2人体制でパトロールを実施することとされている。
 犯罪の抑止や沖縄県民の安心・安全を確保するという目的に異論はないが、その中心的な再発防止策として、国の機関の職員を動員することは、パフォーマンスが過ぎると言わざるを得ない。
 問題の本質は、この間繰り返された米軍関係の犯罪・事件を如何に解消するかにある。日米両政府は、ことある毎に綱紀粛正や再発防止策を繰り返してきたが、実効性がないことは、今回の事件でも明らかである。沖縄県民の権利といのちを守るためには、米軍基地の大幅な整理・縮小、海兵隊の撤退、日米地位協定という治外法権を抜本的に改めることである。
 今回の対策も従前の域を出るものではない。警察権限を持たない国の機関の職員による防犯パトロールは、一過性の対策であり、本質的な実効性は期待できるものではない。
 何より国の機関には、それぞれ定められた役割があり、そこで働く職員も限られた体制の中で、国民の権利や安心・安全を守るという重要な職務を担っている。それに加えて、夜間のパトロールに車両と人員を振り分けることは、それぞれの機関の執務時間の体制を弱めることとなり、国民へのサービス機能が低下することにつながるものである。
 政府は、国家公務員だからといって安易に職務外の業務命令を行うべきではない。それよりも、沖縄県民の声に真摯に向き合い、米軍による犯罪・事件の根絶にむけた対策に着手すべきである。


以 上