国公労新聞2016年5月25日号(第1462号)

【データ・資料:国公労新聞】2016-05-25
国公労連第147回拡大中央委員会
かちとろう大幅賃上げ
非常勤の処遇改善、増員を実現しよう

 岡部委員長はあいさつで、熊本地震で被災された方へのお見舞いの言葉と、復旧にむけて奮闘している国公の仲間を、全国から支えていくことを表明。「夏季闘争は参議院選挙の真っただ中でたたかう。日本を戦争する国にするのか、国民犠牲の政治を継続するのかが問われる歴史的な局面を迎える。政治を変えようと、市民的な運動の広がりを受けて野党共闘により、1人区で統一候補の擁立がはかられている。国公労働者も傍観者的にとらえるのでなく、自覚的、主体的に参加していこう。行政需要に対応しうる要員の確保、非常勤職員の処遇改善など求め、国民的な支持、理解を広げ、目に見える成果をかちとろう」と呼びかけました。

 鎌田書記長が「2千万署名」をはじめとする戦争法廃止、大幅増員など行財政・司法の拡充、公務員賃金引上げ、最低賃金引き上げ、労働法制改悪阻止、賃下げ違憲訴訟など公務員の権利確立など夏季闘争方針を提案しました。
 討論では、27人が発言し、「非常勤職員アンケートをとりくみ、『公募要件の廃止』など現場の声を内外に発信」「全国異動があり、宿舎の確保、住宅手当の改善、通勤手当の改善が必要」(全労働)、「国立病院機構の非公務員化にともない、スト権を確立し、要求前進をかちとっている」(全医労)、「不当解雇撤回を裁判でたたかう広島の仲間が全厚生に加入。支援体制を確立する」、「本省支部で、仲間のニーズにこたえた活動を通じ、組合員を拡大している」(全厚生)、「共済組合加入要件の月18日勤務の緩和を」(国公一般)、「戦争法廃止へ『2千万署名』の各戸配布をとりくんだ」(宮城、徳島)、「県労連に結集し、最低生計費調査にとりくんだ。25歳男性で月22万6千円かかった。愛知の最賃時給820円は低すぎる。改善は急務だ」(愛知)、「青年セミナーに結集をはかろう。青年協議会の再開を」(全司法)、「『ゆう活』は職場レベルから導入反対の声をあげていくべきだ。マイナンバーを強制させない運動を」(国土交通)。「定員合理化計画策定を止めるための運動強化を」(全法務)など、運動方針を深め、補強しました。
 
中央委員会の会場で九州ブロックがよびかけた熊本地震救援カンパには、8万8888円が寄せられました。

 
「ゆう活」強行実施へ
当局追及の強化を

 政府・内閣人事局は、今年度の「ゆう活」について、5月20日昼に開催された各府省次官級連絡会において、実施方針を確認しました。国公労連が反対していたにもかかわらず、強行実施をうけて書記長談話を発表(国公労連ホームページに掲載)しました。
 「ゆう活」は、今日の長時間労働の根本要因である、定員削減や業務量増加からは目を背け、職場・職員に負担と責任を転嫁する「働き方改革」を押しつけるものです。さらに、今年度は、「フレックスタイム制」の活用や、期間を6月から9月以降も各府省判断で延長可能とするなど、拡大実施する方針が示されました。
 国公労連は、昨年来、一貫して「ゆう活」実施に反対し、5月18日に内閣人事局交渉を配置し、具体的問題点を指摘し、中止を求めてきました。言うまでもなく勤務時間は、勤務条件の根幹をなすものであり、使用者側が一方的に変更することなど許されず、実施を強行した政府姿勢は断じて容認できません。
 「ゆう活」は強行されましたが、これまでに「フレックスタイム制」については、政府・人事院それぞれから、「適用を希望していない職員に申告をさせ、適用を強制するような運用はあってはならない」とする通知等を発出させてきました。
 また、交渉等での追及により、「実施が強制にわたらないよう徹底していく」「各府省には、職員の希望制での実施と回答している」「地方出先機関はフォローアップの対象としない」などの回答を引き出し、各府省への実施通知の中でも、「ゆう活」実施を強制しないことへの注意が促されるなど、自由意思による任意実施の点等では、昨年より押し返してきています。
 不十分ながらも現段階での到達点であり、これらを踏まえ、一方的実施を許さないため、各単組、各組織段階での当局追及の強化が重要です。

 
2016年夏季闘争アピール(抜粋)

 国公労連は5月19日、第147回拡大中央委員会を都内で開催し、春闘の中間総括と夏季闘争方針を確立して、戦争法廃止や国民生活改善に向けた国民との共同を大きく広げて、諸要求前進をめざしてたたかう決意を固めあった。
 人事院勧告にむけて大幅賃上げ、一時金改善、扶養手当や住居手当の改善、再任用職員の処遇改善、高齢層の賃金抑制の是正、非常勤職員の均等待遇と雇用の安定などの重点要求を確認した。また、新たに政府宛の概算要求期重点要求を確立して、大幅増員、定年延長、「ゆう活」の中止、マイナンバーカードと身分証との一体化の中止などを求めて使用者である政府との交渉を強化することを確認した。
 国の出先機関の体制・機能の拡充や大幅増員を勝ちとるために、「まもろう憲法・国民大運動」をさらに推進して、民主的な公務員制度と行財政・司法の確立をめざすことを確認した。また、こうした運動を展開するためにも組織の拡大・強化に全力をあげることも確認した。
 安倍政権は、戦争法の強行に続いて、在任中の改憲をほのめかすなど、安倍政権の暴走はとどまるところを知らない。他方で、今夏の参議院選挙にむけて、安倍政権の暴走をくい止め、戦争法の廃止や国民本位の政治を求める市民の運動が全国各地で高まり、歴史的な野党共闘が実現した。そのため与党も格差是正の施策を取り上げざるを得なくなっている。
 参議院選挙は、まぎれもなく日本の進路を問う選挙となる。国公労連は、参議院選挙にむけて、「まもろう憲法・国公大運動」で戦争法廃止2000万署名を推進するとともに、安倍政権の暴走をくい止める国民との共同を広げながら、すべての組合員に有権者としての権利行使を呼びかける。
 
2016年5月19日
日本国家公務員労働組合連合会 第147回拡大中央委員会

 
参院選はわたしたちの暮らし・仕事にとってこんなにも大切

 今年は参議院選挙の年です。切実な声があがっている最低賃金引き上げや保育所増設、国民が願う消費税増税中止、原発廃止など、どれもが政権が決断すればすぐにでも実現は可能です。そのためには、願いを実現できる政府をつくらなければなりません。戦争法に反対して声を上げる若者やママたち。いま、政治を変える新しい流れがひろがっています。選挙がこの夏にせまるなか、こんどの選挙の「大切さ」をいっしょに考えてみませんか。
 
【ポイントその1】
戦争法を廃止して、立憲主義を取りもどしたい
 戦争法の廃止をもとめる野党の選挙協力が加速し、全国各地の参議院1人区で「統一候補」が生まれています。この動きは、決して野党が話し合って合意したというだけで実現したわけではありません。野党共同の流れは、わたしたちも力を尽くしてきた戦争法反対の国民的なたたかいがあったからこそできたものです。
 安倍政権が戦争法を強行成立した昨年9月19日未明、国会議事堂の前に集まった多くの人たちは、「野党がんばれ、野党は共闘」と声を上げました。その後はじまった「2千万人統一署名」は、1200万を超えて集まりつづけています。5万人が参加した今年5月3日の東京の憲法集会では、戦争法廃止で一致する4野党の党首が、手をしっかりと握りました。各党の政策の違いをのりこえて、野党を共同させているのは、わたしたち国民の運動です。国公労連も、野党統一候補の誕生を大いに歓迎します。
 一方、安倍自公政権は、戦争法を足がかりにPKO活動の「駆けつけ警護」や米軍を守るための武器使用をねらっています。このままでは、憲法9条は事実上改悪され、立憲主義や民主主義さえも壊されてしまいます。
 これをストップするには、戦争法の廃止、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定の撤回へ、それを実行できる政府をつくらなければなりません。参議院選挙は、その第一歩を踏み出せるかどうか、それとも、「戦争をする国」への暴走を許してしまうのか、日本の行方がかかった選挙になります。
 戦争法廃止のたたかいをさらにひろげ、すべての参議院1人区で野党統一候補を誕生させ、わたしたち国民と野党が力を合わせて、「野党統一候補」を国会に送り出すことがその出発点です。
 
 
【ポイントその2】
わたしたちの暮らしといのちを守りたい
 安倍首相は、アベノミクスの成果を強調しています。本当に成果があがったのでしょうか。
 大規模な金融緩和の効果で、一部の大企業と大金持ちは莫大な利益を手にして、日本の大金持ち上位40人の資産総額はこの4年間で倍増し、たった40人だけで15兆円を超える途方もないお金を手にしています。その一方で、1890万世帯は貯蓄がゼロで、生活保護を受けている世帯は160万を超えています。こんなにも格差がひろがる社会は、誰もが異常だと感じているはずです。
 労働者の賃金は3年連続でベースアップしたものの、実質賃金は減りつづけています。消費は冷え込み、景気回復にはつながっていません。なのに、大企業は膨大な内部留保をさらに増やしています。消費税を増税し、大企業には法人税減税で優遇する。ここまでくれば、安倍自公政権がめざす経済の方向に国民が疑問を持つのは当然です。
 その疑問を覆い隠すように、「一億総活躍社会」「待機児童解消」と安倍首相がかけ声をかけても、労働法制の改悪で活躍の場をうばい、圧倒的に足らない保育所を増やす考えはありません。さらに、国民の暮らしと命を犠牲にするTTPにも、「ウソつかない、TPP断固反対」と公約した自民党が、いまやアメリカよりも前のめりです。
 こうした国民犠牲の根本には、大企業とアメリカしか見ていない自民党政治があります。国民のための政治に切り替えれば、大企業や大金持ちから応分の負担を求めて社会保障費にあてることや、国公労連がビクトリーマップで示してきたように、利益を内部留保でため込むのではなく、労働者の賃上げや雇用に回すことが可能です。
 誰もが安心して暮らしたい。将来に希望が持てる日本にしたい。一人ひとりのいのちと暮らしが、何よりも大切にされる日本に変える。そんな願いをこめた選挙です。
 
 
【ポイントその3】
公務労働者として働きがいを持って仕事したい
 職場では、定員削減で一人また一人と働き手が減っています。非常勤職員や派遣・請負への置き換えもひろがっています。また、社会保険庁の民営化をはじめ、公務職場の民営化・民間委託が、「行政改革」の名のもとにすすめられています。
 その結果、第一線で働く公務労働者には、長時間・過密労働が押しつけられ、休みも満足にとれないと悲鳴があがっています。なのに安倍政権は、「5年間で10%以上」という総人件費削減方針にそって、もっと公務員を減らすつもりです。
 多くの若者の命を奪った今年1月のスキーバス事故を通して、労働基準監督官や国土交通省の監査官の圧倒的な不足が問題になりました。定員削減で削っているのは、結局は国民の安全・安心にほかなりません。
 削られているのは定員だけではありません。総人件費削減方針による「給与制度の総合的見直し」で、公務員賃金は平均2%も引き下げられました。そのため、2年連続のベア勧告も、実質的な賃上げにはつながっていません。
 国民の期待に応え、わたしたちが誇りと働きがいを持って仕事するには、公務員総人件費削減の政府方針を抜本的にあらため、世界と比較しても圧倒的に少ない日本の公務員を増やす方向へと切りかえていく必要があります。
 その仕事ができる政府と国会をつくりあげる参議院選挙は、わたしたちの仕事と暮らしがかかった大切な選挙です。

 
【ポイントその4】
「まもろう憲法」  世界に誇る宝を誰にも壊させない 
 安倍首相は、「在任中に明文改憲をなしとげたい」と国会で答弁し、憲法「改正」へのあくなき意欲を示しています。参議院選挙では、自民・公明の与党にくわえて一部野党を巻き込んで、改憲発議に必要な3分の2議席をめざしています。
 改憲の中心は、「国防軍」の創設など憲法9条を書き換えることにありますが、重大なのは、国民の権利制約がねらわれていることです。自民党の「改憲草案」では、生存権や労働権の保障を「公益及び公の秩序に反しない限り」と制限をつけています。あいつぐ災害やテロ犯罪を口実にした「緊急事態条項」の新設では、内閣総理大臣が全権を握ることができるとしています。
 国民の権利よりも国益を優先させる事態。それはまさに戦争を想定したものにほかなりません。国民主権、基本的人権の尊重という憲法理念をことごとく変えてしまう明文改憲の方向が、戦争法強行を通して、いよいよはっきりしてきました。
 わたしたち公務労働者は、憲法尊重擁護の義務を負うことはもとより、憲法にもとづいて仕事をしています。憲法を国の行政や司法のすみずみまでに生かすことができれば、国民一人ひとりが大切にされ、もっと豊かな公務・公共サービスを提供できるはずです。そのことは、公務労働者がもっと本来の役割を発揮できることにもつながっていきます。
 国公労連は、この1年間、「まもろう憲法・国公大運動」にとりくんできました。参議院選挙は、憲法をまもれ、憲法を行政・司法に生かせという声をひろげる絶好の機会です。