国公労新聞2016年4月25日号(第1460号)

【データ・資料:国公労新聞】2016-04-25
【緊急】熊本地震救援カンパをよびかけます

 4月14日21時26分頃にマグニチュード6・5、最大震度7の巨大地震が熊本地方で発生しましたが、16日午前1時25分頃にはマグニチュード7・3、最大震度7の本震が同地方を襲いました。大分県など周辺地域も含め、震度6クラスをはじめとする活発な地震活動が続いており、58人の人命が犠牲(4月21日現在、関連死含む)になり、多数の家屋が倒壊する甚大な被害が発生し、9万人もの人が避難生活を余儀なくされています。
 国公労連に入っている情報では、組合員の死亡や行方不明はありませんが、骨折された方がいます。
 自宅の全壊・半壊や合同宿舎に被害が出ているなど、避難生活を余儀なくされているとの情報も入ってきています。また、自宅が被害に遭っているにもかかわらず、被災地で業務に奮闘している仲間の情報も入ってきています。
 こうしたもとで、国公労連として、被災者の救援、復興に役立てることを目的に救援カンパにとりくみます。各組織で具体化し、下記口座へ救援カンパを送金するようよびかけます。
 なお、全労連は九州ブロックとも協力しながら、近日中に現地対策本部を立ち上げ、必要な物資支援やボランティア活動を呼びかける予定です。詳しくは、後日提起します。
 集約された救援カンパは、九州ブロック国公や被災地県国公と相談した上で活用します。

 



掛金が被災地の力となり大きな支援になります【国公共済会】


 このたびの地震により亡くなられた方に対してご冥福をお祈りします。また、組合員の皆さまとご家族、被災地の皆さまに心からお見舞い申し上げます。
 国公共済会の火災共済には、地震見舞金が自動付帯されています。民間損保では火災保険に加えて地震保険の特約保険料も支払いますが、国公共済会の火災共済は特約掛金なしで地震見舞金が支払われる優れた制度です。建物に損害があった場合に、加入内容・口数に応じて最高300万円が給付されます。(左上の表を参照)
 東日本大震災でも、同見舞金として800件3億4千万円を超える共済金を給付し、組合員から多くの感謝の言葉が寄せられました。火災共済加入者の掛金が被災地の力となり、大きな支援となっていることが実感できる助けあい・支えあい制度です。
 
「地震見舞金」手続きを簡略化
 地震見舞金の請求に必要な書類は、①給付請求書②住宅災害状況報告書③自治体発行の「住宅の罹災証明書」の3点のみです。被災者の負担を軽減するために、写真や見積書・領収書等は不要とし、手続きを簡略化しています。
 当面は、避難や復旧作業に専念していただき、後日、落ち着いてから請求してください。
 なお、住宅に被害がなく家財のみの被害の場合は給付対象外です。借家人賠償責任共済に加入している場合は家財のみの加入として扱います。
 



最低賃金の大幅引き上げ、戦争法廃止を【4・15中央行動】

 国公労連は4月15日、全労連、国民春闘共闘に結集し、たたかいが続く民間の賃上げ交渉の追い上げ、最低賃金の大幅引き上げ、労働法制改悪反対、戦争法廃止へ「16国民春闘勝利4・15中央行動」に結集するとともに、「2016財務金融共同行動」を展開しました。
 中央行動には、公務と民間の労働者など700人(国公労連は約200人)が参加。厚労省前要求行動、国会請願デモ、ファストフードなどの非正規労働者の賃上げをめざす「グローバルアクション」(写真・右下)など終日奮闘しました。
 
国民本意の財政・金融を 財務省前行動
 財務金融共同行動実行委員会(国公労連、全国税、全税関、金融労連、郵政ユニオン、年金者組合、農民連、全国一般東京地本など)による財務省前行動(写真・左上)には、国公労働者、金融共闘など280人が結集しました。
 主催者を代表して、岡部勘市実行委員長(国公労連委員長)は、「激しく繰り返されていた全国税、全税関に対する差別・分裂攻撃とのたたかいとして82年に『大蔵包囲行動』としてスタート、公務・民間22団体が参加する共同行動へと発展し、財務副大臣交渉などのとりくみを積み上げてきた。国民本位の行政の実現のために、納税者・国民のみなさんの支持と理解を広げながら運動を強めていこう」とあいさつしました。
 金融共闘の浦上議長は、「異次元の金融緩和・大規模公共事業投資・法人税率の引き下げといった規制緩和が進められるなど大企業を優遇する政策が一気に進められている。官民一体で国民「消費者のための金融、実体経済の成長を後押しする金融を実現するために力を尽くしていきたい」とあいさつしました。
 国民春闘共闘の森田稔代表幹事から連帯のあいさつをうけた後、全国税の真貝委員長が午前中に行った岡田財務副大臣との交渉について報告。全税関の河野書記長、郵政ユニオンの上平副委員長、年金者組合の増子中執が決意表明しました。
 



賃下げ違憲訴訟控訴審
第3回弁論は再延期
累計10万超の公正判決署名を提出  

 
 裁判長の交代により4月20日に延期されていた「公務員賃下げ違憲訴訟」控訴審第3回口頭弁論は、後任の裁判長が元最高裁人事局長として裁判所職員の賃下げにかかわった人物であることから公正な判断ができないおそれがあるとして、担当部を第15民事部から第17民事部に移したため再延期されました。期日は未定ですが、6月になる可能性が大です。
 国公労連は4月20日、これまで集約した「徹底審理と公正判決を求める署名」個人3万65筆(累計10万6065筆)、団体235団体(累計3122団体)と「すべての証人の採用を求める要請書」3456筆(累計1万9259筆)を東京高裁に提出しました。
 署名提出には、国公労連の黒田副委員長を筆頭に、全法務、全医労、国土交通労組、全労働の代表が参加し、10万筆に上る署名に込められた思いをしっかりと受け止めて、公正な判決を下すよう要請しました。
 口頭弁論が再延期されたことから、引き続き「徹底審理と公正判決を求める署名」及び「すべての証人の採用を求める要請書」の集約に全力を挙げるよう要請します。
 

 

 
社保庁不当解雇撤回裁判・愛媛事案
高松地裁が不当判決
「厚労大臣も分限免職回避努力義務を負う」と判断
控訴してたたかう

 13時30分からの判決では、傍聴券が配られるなど法廷が支援者で一杯になる中、福田裁判長が原告の請求を棄却する判決を述べると、法廷内にどよめきが起こりました。
 判決は争点となっていた、①行政組織の改廃による免職の妥当性(国家公務員法78条4号適用の妥当性)②分限免職回避努力義務違反・裁量権の逸脱・濫用――などについて、いずれも原告の主張を退け、国による解雇を妥当とするきわめて不当な判決でした。
 判決は、①について「憲法上、国民は、公務員の選定罷免権を有するところ、その国民の選挙を経て構成される国会は、行政組織をいかに形成するかについて裁量を有する」とし、「従前公務とされていたものが別法人や民間に委ねられた結果、公務員たる地位を失う者がいたとしても、相応の理由があるならばやむを得ない」と判断しました。
 しかし、②については「任命権者である社保庁長官等だけではいかんともし難い事項であり、厚労大臣等の協力が不可欠である。これらによれば、厚労大臣等も、社保庁長官等の上記義務履行を補助する立場といえ、法的にも分限免職回避努力義務を負う」と判断したものの、政府全体の義務は否定しました。
 行政組織の改廃を行うのは国会と判断しておきながら、分限免職回避義務を大臣以下に押しつける不当な判断は断じて許されません。また、雇用調整本部の活用を主旨が違うとして、社保庁職員を雇用調整本部で省庁間配転させなかったことも違法とはしていません。
 2010年1月以降に予算化した113人の残務整理要員枠の活用については、厚労省や年金機構が業務引継後も行えばよいことが判明したので「これを活用するのははばかられるところである」としました。「はばかられる」とは、「遠慮しろ」という意味合いで、分限免職になる者に「遠慮しろ」という主旨の判決は、裁判所自体が分限免職ありきの判断を行ったことであり、言語道断の判決です。
 香川県弁護士会館で行われた報告集会では弁護団の水口弁護士が、「大阪地裁判決より前進した点は、厚労大臣にも回避努力義務が法的に認められたことだ。残務整理の定員枠を活用する義務について、要するに、残務整理の枠を活用できたけれども、その中身が他の職員でも行なえることがわかったから、それを活用するのが『はばかられる』そうだ。『はばかられること』と『クビにすること』のとどちらが重いのか。裁判官はひとの人生をなんだと思っているのか。控訴すれば道は開ける。私もめげずに頑張っていきたい」と発言しました。
 山本徳島県労連議長、根本全労連副議長、黒田国公労連副委員長、杉浦全厚生書記長が挨拶するとともに、引き続く支援を表明しました。
 原告の出原さんは、「年金機構に勤めているが、若い職員や臨時の職員も任期満了等でやめていく。現場は業務も停滞して大変なことになっている。元職員を機構に取り戻したい」、児島さんは「不当解雇事案ではほとんどの判決で国や使用者のいいなりになった不当な判決が続いている。この流れを変えるためにも我々が頑張らねばと思っている。控訴して、労働者として37年がんばってきた尊厳を取り戻すために、たたかう」と決意表明しました。
 
社保庁不当解雇撤回裁判

京都事案(控訴審)
  原告の川口さんが陳述「地裁判決は認められない」
 2月24日、大阪高裁で京都事案控訴審の第2回口頭弁論が開かれました。原告の川口さんが「私は本当に軽い存在だったのだと思わずにはいられませんし、こうしたお粗末としか言いようのないものをもとに、処分者がやるべきことはやったと結論付けた大阪地裁判決は認められません」と切実な思いを陳述しました。
 また、弁護団から、①回避努力義務をしたことの立証責任が使用者(国)側にある②分限免職を回避するために残務整理定員を活用すべきだった③大阪地裁は裁判所自らが定立した規範(判決を導くための判断基準)に対する当てはめをしないまま判決を下しており極めて不当――との陳述を行いました。
 
東京事案
裁判長「被告の釈明がないとすれば、証人に確認しなければならない」
 3月17日、第10回口頭弁論が東京地裁であり、裁判長から被告に求められていた求釈明「①雇用調整本部による省庁間配転の枠組みについて②年金機構の欠員補充について、なぜ正規職員を募集しなかったのか」が提出されましたが、釈明内容が不十分として、原告側と裁判所から、正しく釈明するように求めるやりとりが行われました。
 裁判長は雇用調整本部の活用について、「『可能であったができなかった』について、被告の考えはどうか」。また、正規職員をなぜ募集しなかったのか釈明されていないとして、「被告の釈明がないとすれば、薄井証人(元社保庁総務部長)に確認しなければならない」と明言しました。
 
北海道事案
被告に再度求釈明
 3月29日、第21回口頭弁論が札幌地裁であり、原告側が提出した準備書面と、被告側が提出した求釈明に対する回答書について陳述が行われました。
 今回、求釈明事項「厚生局及び労働局へ配置転換がなされた者の平成20年度上期の人事評価結果」に対し、被告側が「原告より劣る者はいない」という主張のみで具体的な証拠を提出しなかったことに対し、原告代理人から再度証拠を出すよう主張しました。

 



 
東京地裁で勝利判決
IBMの「ロックアウト解雇」は無効

 日本IBMが「業績(成績)不良」などの理由で社員を解雇し即会社から締め出した「ロックアウト解雇」は違法だとして、JMITU(日本金属製造情報通信労働組合)の組合員5人が訴えていた裁判(第1次、第2次訴訟)で、東京地裁は3月28日、原告5人全員の解雇を無効とする判決を言い渡しました。解雇時点にさかのぼった賃金支払いも会社に命じました。
 2012年7月以降に解雇通告を受けた社員は50人に上り、うち34人が組合員(解雇通告時)でした。会社側は、解雇理由を労働者個人の業績不良だと主張。原告側は、実態は会社の都合による人員削減であり、リストラに反対する労働組合を狙い撃ちしたものだと訴えていました。
 判決は、一部の業績不良を認めたものの「業務を担当させられないほどではない。相対評価による低評価が続いたからといって解雇すべきほどとも認められない」と認定。「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められないから、権利乱用として無効というべき」だとしました。