国公労新聞2016年2月10日号(第1455号)

【データ・資料:国公労新聞】2016-02-10
◆国公労連第146回拡大中央委員会
 すべての労働者の大幅賃上げかちとろう
 
 国公労連は1月29日に第146回拡大中央委員会を東京都内で開き、中央委員30人、特別中央委員43人など総勢118人が出席しました。すべての労働者の大幅賃上げと安定した雇用の確保を求めるとりくみや、戦争法廃止・改憲阻止と憲法をいかし公務・公共サービスの充実を求める「まもろう憲法・国公大運動」の推進など2016年春闘方針と国公労連春闘統一要求を満場一致で決定しました。また、中央執行委員の補充選挙により4氏(4面)を選出しました。全労連の井上久事務局長、日本共産党の島津幸広衆院議員から激励あいさつを受けました。 
 
 あいさつに立った岡部委員長は「2016年春闘は例年になく、歴史的な岐路に立っている特別な春闘だ。戦争法廃止を求め、立憲主義を取り戻すため、市民革命的な動きが大きく広がっている。公務労働者として連帯・共闘・合流していく必然性がある。賃金をめぐっては、大企業の内部留保が300兆円に膨れあがるもとで、実質賃金は4年続けてマイナスに。非正規労働者は4割に達し、68%が年収200万円以下となっている。春闘でともにたたかう民間労働者の大幅賃上げをかちとり、公務員賃金引上げをめざそう。任命権者への要求書提出を徹底しよう。職場に目をむけ、職場・地域から粘り強くたたかおう。スキーツアーバス事故の背景には、行き過ぎた規制緩和と脆弱な行政体制がある。要求運動を着実に組織拡大にむすびつけよう」と呼びかけました。
 鎌田書記長が、春闘方針案と統一要求案を提案。①格差と貧困の拡大がさらに広がっている。所得再配分機能の強化を求めつつ、すべての労働者の賃上げで景気回復をはかっていこう②自民党は明文改憲に挑戦して60年目となる今年、緊急事態条項を創設しようともくろんでいる。なんとしても阻止しよう――と強調しました。その上で、「まもろう憲法・国公大運動」を軸に、大幅増員やすべての労働者の大幅賃上げと雇用の安定、安倍暴走政治ストップ・戦争法廃止2000万署名の推進、組織拡大・強化など、具体的な春闘のたたかいを提起しました。
 
◇大幅増員へ 国公大運動 で奮闘する決意を固める
 討論では33人から発言がありました。
 憲法改悪阻止、公務・公共サービス拡充の運動の柱となる「まもろう憲法・国公大運動」では、「定員削減で職場は限界だ。国会請願署名の積み重ねで純増を勝ちとった。増員の必要性へ国民の理解をひろげたい」(全法務)、「取り扱う事件が多様化している。国民本位の司法の実現へ、裁判所の増員を求めてたたかう」(全司法)、「医師・看護師増員署名にとりくんできた。賃金職員の定員化をめざす」(全医労)など各単組のたたかいとあわせ、「ツアーバスの事故を通して、県労連の会議で公務員不足の声があがった。増員署名をひろげるため総定員法の学習も強化したい」(兵庫)など地域からの運動のひろがりが報告されました。
 戦争法廃止にむけては、「県国公で『2000万署名』用紙の各戸配布を計画。返信用封筒をつけて1000世帯に配る」(徳島)、「宣伝行動を名古屋の繁華街で実施。反応がよく元気が出た」(中部ブロック)、「宜野湾市長選では安倍政権丸抱えで現職が当選したが、オール沖縄の流れは変わらない。新基地建設反対でたたかう」(開建労)などの報告や決意がのべられました。また、東日本大震災から5年目をむかえ、国公労新聞でも紹介された福島をはじめ、被災地の県国公から復興の実現へ発言がつづきました。
 
◇賃金・労働条件改善へ職場・地域からたたかう
 16春闘では大幅賃上げへ官民共同が重要になっているなか、中小企業経営者や地方議会議員と賃金課題で懇談(福岡)、地元企業の実態にもとづき東海・北陸7県のビクトリーマップを作成(中部ブロック)、16春闘にむけて学習会を繰り返し開催(茨城)などの報告とともに、大阪国公はパフォーマンスで、昨年の15(いちご)春闘につづいて、一人ひとりが主人公になる16(ヒーロー)春闘をアピールしました。また、「給与制度の総合的見直し」にかかわって、「賃下げに反対するため、月例給を上げろとの声を強めていくことが重要。恒常的な賃下げを阻止した違憲訴訟の意義は大きい」(全労働)、「今春闘で大幅な賃上げを勝ちとらなければ、実質賃上げはない」(茨城)など、政府・人事院に対する追及強化が指摘されました。
 社保庁職員の不当解雇撤回のたたかいでは、全厚生から裁判闘争の現状報告とILO勧告を力にたたかう決意がのべられました。また、東北ブロックからは、国公労連の「ゆう活アンケート」が河北新報に掲載されたことが報告され、国交労組から、育児休業もとれない女性航空管制官の職場実態が示され、男女とも安心して働ける職場にする運動の必要性が訴えられました。
 
◇出足早く新規採用者の組合員加入を呼びかけ
 非常勤職員の賃金・労働条件改善にかかわって、「公募で不採用になりメンタル疾患になった職員もいる。行政への信頼を失う点からも、非常勤職員の手記としてとりまとめ世論に訴えた」(全労働)、「ランチタイムの学習会を開いている。非常勤職員との対話があってこそ要求が前進し、仲間も増える。職場で風を吹かせよう」(全厚生)、「非常勤職員の加入呼びかけのため、勝ちとった要求をアピールするリーフを作ってほしい」(国公一般)など、労働組合のたたかいを組織拡大へ結びつける発言がありました。
 組織の拡大・強化の課題では「再任用職員の結集、役員の女性比率を高める努力が必要」(国土交通)、「組織拡大推進へ全国会議を開催。新規採用者には3日以内の声かけを意思統一した」(全労働)、などの発言とともに、200人の新規採用者の加入目標を掲げた愛知国公、統一行動日に全国で58人を拡大して4年連続の増勢となった全医労など、単組・県国公が一体となって奮闘する決意が語られました。
 構想案が示された「組織拡大5か年計画」に対しては、非常勤職員拡大や次世代育成の重要性、産別青年組織の再建、大都市職場対策など重点課題が指摘され、引き続き議論を深め、今年の定期大会で方針を確定することを確認しました。
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 京都国公の京都市長選挙支援カンパ要請に応え、参加者から6万8千円余が寄せられました。
 
 
 
◆「改憲」を明言 ~いよいよ安倍首相の本心が明らかに
 
 戦争法を強行した安倍政権は、さらに戦争する国への道筋をつけようとたくらんでいます。そのため、今年の参議院選挙で安倍首相は「改憲」を公約にかかげ明文改憲に意欲を示しています。
 
◇改憲の入口は「緊急事態条項」
 安倍首相は憲法改正について「参議院選挙でしっかりと訴えていく」と発言。NHKの番組で「おおさか維新の会」などの「改憲に前向きな政党で、国会の3分の2以上を構成していきたい」と表明。1月4日に開会した第190通常国会では、「いよいよ、どの条項について改正すべきかという、新たな現実的な段階に移ってきた」と明文改憲の具体化を表明しました。
 その突破口として、ねらわれているのが「緊急事態条項」の新設です。
 「緊急事態条項」は、2012年4月に発表された自民党の「憲法改正草案」に盛り込まれています。
 自民党の首相周辺の議員は「お試し改憲」などと言い、国民の反対の少ないところから改憲をすすめようという策略です。しかし、「緊急事態条項」は国民にとって危険きわまりないもので、私たちの仕事にも大きく影響します。
 東日本大震災以降、大規模災害に対応するために「緊急事態条項」を憲法に盛り込む必要があるという主張が改憲派から出ていました。
 
◇本音は「戦争する国」づくり
 「緊急事態」の例示の第1に「外部からの武力攻撃」があげられ、「改憲草案」の第9条2項に「内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する」ことが明記されています。
 「緊急事態」の際には、戦前の天皇による緊急勅令や戒厳令(戦争や内乱などの非常時に際し、全国ないしは一部地域において通常の立法権、行政権、司法権の行使を軍部にゆだねる非常法をいう。国家緊急権制度のひとつ)のように国会の関与なしに政府の独断で人権制限などの政令を定めることが可能としており、「戦争する国」づくりが念頭に置かれていることは明らかです。
 
◇「緊急事態」で人権を制限
 「緊急事態」が宣言されれば、地方自治体や国民は国の統制下に置かれることになり、憲法で保障されている自治権や基本的人権が制限されます。
 そのことは「自民党改憲草案第99条」や「自民党改憲草案Q&A」で明記されています。
 私たち国公労働者が、国民の暮らしと権利をまもる立場から、権利の制限も含め国民を統制する立場へと変貌させられることになります。
 労働組合の集会やデモなども取り締まりの対象となり、市民的権利でもある言論・表現の自由も奪われ、政府など公の機関の施策に反対の声をあげることもできなくなってしまいます。
 もともと日本国憲法は憲法第9条があることから、軍事的な「緊急事態条項」を前提にした人権制限を認めていません。国民の人権が抑圧された戦前の反省から「緊急事態条項」は設けられませんでした。
 
◇「まもろう憲法・国公大運動」をいっそう推進しよう
 2016年春闘では、大幅賃上げや良質で安定した雇用の確保などの課題とともに、安倍暴走政治にストップをかけ、憲法改悪を許さないたたかいを強めていくことが求められています。
 憲法をいかし、国民の暮らしと権利をまもるために「2000万署名」をはじめ、国民本位の行財政・司法の確立、大幅増員をはじめとする公務・公共サービスの拡充をめざし「まもろう憲法・国公大運動」を職場・地域からいっそう推進していきましょう。
 
◇アンフィニ争議が全面勝利
 6年8カ月にわたる資生堂アンフィニ争議が1月25日、全面勝利解決しました。
 この争議は、派遣・請負元の資生堂鎌倉工場の化粧品製造ラインを請負うアンフィニが、資生堂からの受注減少を理由に、契約途中にもかかわらず、22人の女性労働者を2009年5月17日に解雇したことと、同時に、労働条件の引き下げ撤回を求めて、労働組合に加入した2人を同年5月末に雇止めを強行したために、7人の女性労働者たちが撤回を求めて、立ち上がった事件です。
 横浜地裁で解雇無効、賃金支払いを命じる判決を勝ち取った弁護団の奮闘や地元神奈川をはじめ、全国の仲間が、争議団を支え続け、全国的に資生堂を包囲したこと、また、ともにたたかってきたJAL原告団などの多くの争議の仲間の支援で勝ち取ったものです。
 国公労連は、社保庁職員分限解雇撤回などすべての争議の勝利をめざして、資生堂アンフィニ争議の早期解決をもとめて、資生堂前のクリスマス宣伝や株主総会会場前の宣伝行動などの支援行動に結集しました。
 
【JAL】客室乗務員の正社員化かちとる
 日本航空は12月15日、2016年4月1日以降に入社する客室乗務員を正社員として採用すると発表しました。併せて、契約社員制度は廃止し、在職者も正社員雇用に切り替えるとしました。
 客室乗務員の契約制度は1994年に航空各社に導入されました。日本航空キャビンクルーユニオン(CCU)は街頭宣伝、各行政や国会議員への要請、多くの女性団体との共同行動、署名活動、シンポジウム開催などで契約制度の問題点を訴え、その結果、契約社員として3年勤務後に希望者を正社員に切り替えることにつなげました。
 全日空など航空各社はすでに契約社員の採用制度を廃止し、正社員雇用に切り替えており、経験あるJALの客室乗務員の流出が問題になっていました。日本航空の方針転換は、コスト削減と雇用の調整弁として活用してきた不安定雇用の継続では、人材確保と経験の蓄積とモチベーションの維持促進ができなくなった深刻さが背景にあります。
 労働者の4割が非正規雇用で占めるなか、全日空に続き日本航空も正社員採用となることは、安倍政権や財界に、「労働法制大改悪NO!」を突きつけ、誰もが安心して働く社会の実現につながるものです。
 

◆ゆう活 アンケートに各紙が注目
 
 1月26日、国公労連は①大企業の内部留保の活用試算②2016年版税制改革の提言③「ゆう活」実態アンケート結果――について記者会見を開きました。共同通信、産経新聞、河北新報、福井新聞、沖縄タイムス、しんぶん赤旗などで「ゆう活」アンケートが取りあげられました。
 記者会見では、14兆円にものぼる大企業に対する優遇税制や、主要大企業131社が1%の取り崩しで47.5万人の雇用創出が可能なこと、84社が3%の取り崩しで月2万円の賃上げが可能な実態を明らかにしました。
 また、「ゆう活」実態アンケートでは、全体としては、政府が目的としていた超過勤務縮減の効果はわずかであり、地方機関を中心に業務実施体制や健康面で問題が生じている実態や画一的な「ゆう活」のとりくみは、地方機関をはじめとした公務の職場実態には合わず、むしろ問題を生じさせる危険が高く、とりわけ、窓口業務を抱えている職場でそういう傾向にあることを発表しました。(詳しくは、月刊KOKKO1月号参照)
 健康や生活面で生じた問題が少なくないことや、政府の「ワークライフバランス推進強化月間取組結果概要」でも、自身のワークライフバランスに満足していない人の理由に「業務量が過大である」という回答がもっとも多くなっていることなどからも、画一的に「朝型勤務」を勧奨することに意味はなく、職員一人ひとりの業務量を抜本的に軽減する方策を講じることを前提に、通年で定時退庁にむけたとりくみを推進させていくことが必要です。
 超過勤務の削減をはじめとした労働時間短縮とともに、年次休暇等を個人の事情に合わせ確実に取得できる職場環境を実現していくために、職場からのとりくみを強化していきましょう。
 
 
◆すべての労働者の大幅賃上げへ
 官民共同のたたかいの先頭に
 
◇全労連公務部会が臨時総会
 全労連公務部会と公務労組連絡会の臨時総会が1月27日に東京都内で開かれ、83人が参加し、2016年春闘方針と春闘統一要求を決定しました。
 公務労組連絡会の蟹澤昭三議長(公務部会代表委員・全教委員長)は主催者あいさつで「憲法を取り戻すためにも戦争法廃止の2000万署名の達成、すべての労働者の大幅賃上げにむけて官民共同のたたかいの先頭に公務労働者が先頭に立とう」と呼びかけました。
 討論では、単産と県公務共闘の代表が、戦争法廃止や改憲阻止にむけたとりくみをはじめ、15人勧の取り扱いが越年される中での賃金確定闘争、「給与制度の総合的見直し」中止などのたたかいの到達点や16春闘勝利にむけ官民共同のとりくみに奮闘する決意を語りました。
 国公労連は、16春闘で「まもろう憲法・国公大運動」を推進し、2000万署名の達成や、「ビクトリーマップ運動」を通じて官民共同のとりくみ前進、大幅増員をはじめとする公務・公共サービスの拡充にむけて奮闘する決意を述べました。
 
◇ビクトリーマップで大幅賃上げ実現を
 国公労連・県国公は16春闘で2万円以上の賃上げ、時給1000円未満をなくせ、非常勤職員の賃金時給150円アップ、初任給17万円実現の要求を掲げ、全国でビクトリーマップ運動をとりくんでいます。
 国公労連は「賃上げこそ経済再生の道」2016春闘ポスターを作製し、全国展開しました。資本金10億円以上の大企業が貯め込んだ内部留保は300兆円に達し、前年度より15兆円も増加しています。その内部留保の一部をとりくずすだけで2万円の賃上げは可能です。
 これらの事実を多くの国民に知らせていくために、今後は各県国公も含めて、地域の労働組合や民主団体に官民一体の春闘をともに盛り上げていきます。
 各地での宣伝行動も進んでいます。岐阜県国公は新春早々1月8日にJR岐阜駅前で県労連の仲間とともに宣伝行動、愛知では2月11日に行われるトヨタ総行動でビラ配布を計画、四国ブロックは四国4県のビクトリーマップビラを作成し、宣伝行動の具体化を進めています。戦争法廃止の宣伝と合わせて、全国各地でとりくみがすすんでいます。
 また、賃上げに必要な取り崩し率だけでなく、都道府県毎の産業連関表を応用して、県内すべての労働者の月収2万円・年収ベースで32万円の賃上げが実現したら、その県内にどれほどの経済効果が現れるかなどの試算にもとりくんでいます。考えうる行動を大いにとりくんでいきましょう。