国公労新聞2016年1月25日号(第1454号)

【データ・資料:国公労新聞】2016-01-25
◆2016春闘がスタート
 労働者・国民の生活改善へ たたかいの輪を広げよう
 
 2016年春闘がスタートしました。今春闘では、2つの重要な目的があります。1つは、労働者の実質賃金が4年連続でマイナスとなるなかで、すべての労働者の賃上げで生活悪化に歯止めをかけることです。もう1つは、格差と貧困を拡大し、日本を海外で戦争する国へと大転換を図っている安倍政権の暴走を止めることです。
 大企業は、昨年9月の中間決算で経常利益が前年比で15・1%増の過去最高を更新し、中間株主配当も前年同期比で12%増と過去最高を記録しました。そのため9月期の内部留保は301・6兆円にも達しています。
 他方で日本の経済は、依然として低迷し、その原因が、消費税率引き上げ後の賃金の伸びが鈍かったため、個人消費の回復が遅れていると、昨年の経済財政白書も指摘しています。また、非正規労働者が全労働者の4割を超え、2014年には年収200万円以下が1,139万人(全労働者の24%)と過去最高となるなど、日本の労働者の労働条件と雇用の劣化に歯止めがかかりません。
 このように格差と貧困が拡大した最大の要因は、大企業と富裕層に利益をもたらす一方で、円安などで労働者の生活を圧迫するとともに、労働法制の改悪を推進したアベノミクスであることは間違いありません。さらに安倍政権は、戦争法の強行成立に続いて、今夏の参議院選挙後には、憲法改悪さえも視野に入れています。
 今春闘では、労働者・国民の生活改善をめざすたたかいの輪を広げるとともに、改憲阻止・戦争法廃止、消費税再増税、社会保障改悪、TPP参加に反対する国民的な運動を盛り上げ、安倍政権の暴走に終止符を打つために、職場・地域から春闘の諸とりくみに参加しようではありませんか。
 
◆戦争法廃止!改憲許さない
 参院選で野党統一候補の擁立へ
 
 戦争法の廃止と立憲主義の回復を求めて、参院選での野党統一候補の擁立をめざす動きが広がっています。
 
◇市民連合を結成
 戦争法に反対してきた、立憲デモクラシーの会、学生グループのSEALDs、「ママの会」、総がかり行動実行委員会、「学者の会」の有志は昨年12月20日、東京都内で記者会見し、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の結成を発表しました。戦争法の廃止をめざして、来年の参院選ではすべての一人区(32区)で野党統一候補の実現に努力するとしています。
 方針には、2000万署名を共通の基盤としながら、①安全保障関連法の廃止②立憲主義の回復③個人の尊厳を擁護する政治の実現――を掲げました。この目的を達成するための野党共闘を要求し、参院選での候補者推薦と支援を行います。
 こうした動きに呼応し、参議院熊本選挙区で野党統一候補が立候補します。
 
◇立憲主義回復へ
 民間「立憲」臨調が発足
 安倍政権が戦争法を強行成立させたことを批判する学者や弁護士、文化人らが1月19日、「憲政の常道(立憲政治)を取り戻す国民運動委員会」(略称・民間「立憲」臨調)を発足させました。
 メンバーは約200人。代表世話人として、樋口陽一さん(東京大学名誉教授)、水島朝穂さん(早稲田大学教授)、小林節さん(慶応大学名誉教授)、宇都宮健児さん(弁護士)、三枝成彰さん(音楽家)、宝田明さん(俳優)、湯川れい子(音楽評論家)が名を連ねています。
 今後、月1度開く会合で立憲政治を取り戻す立場から政治状況を分析し、わかりやすい言葉で情報を発信します。
 
◇日本共産党の「国民連合政府」構想
 日本共産党は、戦争法が強行された9月19日に「国民連合政府」構想を発表。構想は安保関連法制の廃止と安倍政権打倒、戦争法廃止で一致する政党・団体・個人が共同し、国民連合政府をつくるために国政選挙での野党共闘をよびかけています。
 
◇野党は共闘せよ 上智大学教授 中野 晃一さん
(1月5日にJR新宿駅西口で行われた「市民連合」主催の宣伝行動でのあいさつから)
 (戦争法廃止に向け)市民の側はいろんな人々がお互いを尊重し、手を携える方向になっている。
 (それなのに)新年になっても野党の共闘はできていない。あんたたちは何をやってんだと。小異を捨てて大同に付くこと、お互いを尊重することが市民にできてなぜできないのか。
 このままだと、自公が参院選挙に勝ち、衆議院での独裁政治が当たり前になる。じゃあどうするか。私たちのつながりをさらに広げるしかない。
 政治家にはどう対処するか。この前の夏のように、お尻を叩き、押す以外にない。叩き続けることだ。
 皆さんが住んでいる街で野党の人たちに迫ってほしい。候補者たちに伝えてほしい。いい年にできるかどうかは、私たちの手にかかっている。

 
◆展望鏡
 
 先日、宜野湾市長選挙の支援のために現地に赴いた。普天間基地が面積の25%を占める宜野湾市で、基地の無条件撤去を求める「オール沖縄」の代表と、自公が推す現職との五分と五分の大激戦となっていた▼「日本の税金で立派な病院を建てても、私らは使えない」と、フェンスのむこうを指さして年輩のタクシーの運転手が言う。「思いやり予算」は累計で20兆円にものぼるが、県民の暮らしは何も良くならない。米軍機が轟音をたててわが物顔で飛び交う。沖縄が犠牲にされてたまるか。県民に共通する想いだ▼95年の卑劣な少女暴行事件で怒りは爆発し、全県民のたたかいで普天間基地返還が約束されたが、その代替がいま安倍政権が強行をねらう名護市辺野古への移設だった。県民の苦難を増幅させるもので、認められるはずがない▼辺野古基地建設は、憲法違反の戦争法と結びついている。新基地は軍港までも備えた恒久的で巨大な軍事施設で、移設というのは日米政府のごまかしだ。だからこそ、「戦争をする国」づくり反対のたたかいと一体で、「オール日本」の力の結集が求められている。県民と連帯して、基地のない沖縄をなんとしても実現しよう。(KEN)

 
◆社保庁不当解雇撤回裁判
 勝利にむけて重要な1年
 不当解雇撤回へ
 
【北海道事案】
次回に証人の採否
 札幌地裁でこれまで19回の弁論が行われ、原告高嶋さんなどの証人尋問まで終了。現在、追加証人として、国公労連の盛永顧問を長年人事院職員として勤務してきた経験と、国の人事政策、特に分限回避の政策などの証言を採用するように求めています。1月26日の第20回弁論で、証人の採否が決まり、地裁段階での重要局面をむかえています。
 
【秋田事案】
すべての証人採用を
 仙台地裁でこれまで10回の弁論が行われました。原告側が証人申請を行っており、その採否が争われています。また、裁判所側から双方の主張整理案が出され、この中身について原告側と被告国側から意見が出されました。12月に進行協議が行われ、原告が提出した裁判所の整理案についての意見に対して、被告側が反論するかどうかも含めて検討するとしています。
 なお、裁判所は原告と他の1人のみを証人採用しようとしており、秋田闘争団と東北ブロック国公などは、裁判所に対しての「すべての証人採用を求めるハガキ」のとりくみを急いでいます。
 
【東京事案】
分限免職回避への努力は不十分
 1月14日の第9回弁論では、裁判所から被告・国に対して、①省庁間配転はどのようなときに行われるのか②年金機構発足前に正職員が欠員していたのに、なぜ正規職員を募集するよう、厚労省は年金機構に対し要請しなかったのか(准職員のみ追加募集のため)――の釈明を求めました。
 
【愛知事案】
次々回に証人尋問
 名古屋地裁でこれまで12回の弁論が行われました。原告側の証人申請に対して次回に証人採否を決定する予定ですが、被告・国は証人の採否にかかわる意見書を提出することとなっており、内容によっては原告側が反論書を出すこともあり得る状況です。
 12月1日に大阪高裁で第1回控訴審が行われ、原告側から控訴理由を陳述するとともに、今後、2人の学者から意見書の提出を準備しています。また、昨年11月に出されたILO勧告をふまえた意見書を、1月中には裁判所に提出する予定です。
 
【愛媛事案】
3月30日に判決言渡し
 1月13日に高松地裁第8回弁論が行われ結審しました。弁論では、原告・児島さんが政府・厚労省が行った不当な分限免職処分をただちに取り消すよう裁判長に訴えました。判決は3月30日に出されます。
 
 厚生労働省が2009年12月末に旧社会保険庁職員の分限免職処分を行ってから6年が経過しました。現在、大阪高裁と5地裁(札幌、仙台、東京、名古屋、高松)で裁判がたたかれていますが、今年はすべての事案で判決が出されることが予想されており、重要な1年となります。現時点での各地の状況を報告します。
 
◇ILO勧告
「労組との協議」を勧告
 2013年11月にILOに対して申立をしていた社保庁の案件について、昨年11月12日にILO結社の自由委員会は勧告を出しました。
 勧告は、政府に対して労働組合との協議の重要性とさらなる情報提供を勧告しています。
 国公労連と全厚生闘争団は、政府・厚労省に対して、この勧告に基づいて全厚生と十分協議を行い、裁判の結果を待つことなく、ただちに分限免職を取り消すように強く要請しています。

 
◆不利益変更は許さない
 全大教賃金請求裁判
 
◇協力・共闘強めよう
 2012年4月から2年間にわたって強行された国家公務員に対する7・8%にものぼる人事院勧告無視の憲法違反の賃下げが国立大学法人にも強要されたことから、全国大学高専教職員組合(全大教)加盟大学等が全国各地で裁判闘争に立ち上がっています。(各裁判の進捗状況は表のとおり)
 国立大学法人は、民間労働法制の下にあって労働契約法が適用されます。労働契約法第10条では、就業規則の変更により労働条件を変更する場合、その就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の内容の相当性、労働組合との交渉の状況、代償措置の有無等に照らして合理的なものでなければ認められないとしています。
 全大教の裁判では、この労働契約法第10条に定める条件が満たされているかが争点として争われましたが、賃下げを是認する不当判決があいついでいます。
 しかし、2年間で100万円にものぼる賃下げが労働契約法でいう許される不利益の程度とは到底いえるものではありませんし、賃下げの代償措置は検討すらされず何一つとして講じられておらず、労働契約法第10条に違反した賃下げであることは明らかです。
 4大学(新潟大学、高知大学、福井大学、電気通信大学)職組の事件は一審での弁論が続いており、京都大学職組と高エネルギー加速器研究機構職組は控訴審で争っています。また、福岡教育大学職組は最高裁への上告を検討しています。
 「公務員賃下げ違憲訴訟」同様、許されない権利破壊であり、当該する県国公は、署名への協力、裁判傍聴行動への参加等、必要な協力・共闘を強めていきましょう。
 
 
◇公務員賃下げ違憲訴訟 第3回口頭弁論は延期 
 公務員賃下げ違憲訴訟は2月15日に第3回口頭弁論が行われる予定でしたが、裁判長の異動により、4月以降に延期となりました。