国公労新聞2015年12月10・25日合併号(2016春闘職場討議資料、第1452号)

【データ・資料:国公労新聞】2015-12-25
■STOP暴走政治、戦争法廃止! 壊すな憲法
 賃金上げで生活悪化に歯止めを いよいよはじまる16春闘

□暮らしまもる共同で、賃上げと雇用の安定、地域活性化  
 春闘は、日本の労働組合が全国一斉に賃上げなどの要求実現を求め、使用者と交渉を重ね、ストライキなどの戦術を背景に労働者が団結してたたかいます。民間労働者と、公務員労働者が力を合わせて、「官民共同」してたたかうことが大切です。
 全労連・国民春闘共闘委員会は、「STOP暴走政治、戦争法廃止! 壊すな憲法 暮らしまもる共同で、賃上げと雇用の安定、地域活性化」をスローガンに掲げて、文字通り国民春闘をたたかいます。
 国公労連も、すべての労働者の賃上げと雇用の確保をめざした共同をひろげ、自らの賃金引き上げなどの要求実現にむけて、職場段階から交渉を積み上げていきます。
 
□大幅賃上げは十分可能
 いま、安倍政権のアベノミクスによって大企業が莫大な利益を抱え込む一方で、日本の労働者・国民の生活は悪化の一途をたどっています。また、戦争法の強行成立など、憲法に違反し、民主主義を踏みにじる安倍政権の姿勢に国民の怒りが高まっています。
 資本金10億円以上の大企業の内部留保は、今年7月から9月期の法人企業統計で301・6兆円となり3年前から38・4兆円も膨れあがっています。それにもかかわらず政府は、法人実効税率を3年間で7ポイントも減税しようとしています。大企業が利益をあげれば労働者の賃金があがるという、トリクルダウンのアベノミクス政策は、すでに破綻しています。
 それは、実質GDPも2期連続マイナス、実質賃金は4年連続マイナスとなっていることからも明らかです。
 また、国税庁の調査では、年間所得5億円以上の富裕層が2013年には、3年前の 2・45倍の1415人となり、その所得の78・5%が株式譲渡によるものでした。他方で、非正規労働者が4割を超え年収200万円以下のワーキングプアーが増え続け、2014年には1139万人・全労働者の24%と過去最多を更新しているように、アベノミクスによって格差と貧困も急速に拡大しています。
 
□「新3本の矢」のまやかし
 安倍首相は、戦争法やTPPへの国民の不満をそらすかのように、経済対策を前面に掲げ、新3本の矢として、①GDP600兆円②出生率1・8(人口千人あたり)③介護離職ゼロ――を打ち出しましたが、効果的な施策を示すことはできずに、「看板倒れ」と各方面から指摘されています。
 GDP600兆円目標は、この間の安倍政権の施策により、消費税増税、円安による物価高、実質賃金の低下、年金削減などで家計消費支出が衰え、経済がマイナス成長している実態を直視していません。最低賃金の年率3%を掲げていますが、物価上昇率と同程度では、実質賃金の改善になりません。また、賃上げを企業に要請していますが、その波及効果も大企業にとどまり、国民生活改善に結びつきません。
 出生率1・8目標のため保育の受け皿を増やすとしていますが、ニーズの高い認可保育所以外としています。また、出生率低下の根本にある労働条件と雇用の劣化に目を向けないどころか、労働法制の改悪を推進し、格差と貧困を拡大する政策を推進しています
 介護離職ゼロ目標も、介護施設の慢性的な職員不足の要因である処遇の改善は放置したままです。なにより社会保障改悪を推進して、介護利用料の引き上げや保険給付の改悪も同時に推進しているなど矛盾しています。
 
□安心して働き続けられる社会を
 今春闘では、安倍政権の失政を明らかにするとともに、官民一体となって労働者の生活改善で景気回復を図るたたかいが求められます。
 すべての労働者の大幅な賃上げと良質な雇用の確保と、憲法違反の暴走をくい止め、「誰もが安心して働き続けられる社会」をめざすたたかいの中心に私たち国公労働者が立ち、「まもろう憲法・国公大運動」で奮闘することが重要です。

 
 
■2016春闘 すべての労働者の賃上げと雇用の確保求め共同すすめよう
 
1、春闘で賃金改善をかちとるためには
  富の再配分機能の強化で格差と貧困の解消を
 アベノミクスは、円安株高を誘発させて大企業の内部留保が300兆円を超えるなど、大企業と富裕層には莫大な利益をもたらしていますが、圧倒的多数の労働者・国民には、その効果が及んでいません。それどころか消費税増税ともあいまって、国民生活は悪化する一方であり、アベノミクスの破綻は明らかです。(詳細は1面参照)
 今春闘では、大企業の労働者中心の賃上げではなく、大企業の内部留保に焦点をあてながら、利益と株主優先の体質を改めさせ、すべての労働者の賃上げや中小下請け企業への配慮など、莫大な利益を社会に還元させるため、「ビクトリーマップ運動」をさらに推進します。
 このたたかいは、税の応能負担の原則をゆがめ、格差と貧困を拡大した社会の有り様を変えさせる運動でもあります。
 そのため国公労連は、企業がためこんだ 内部留保を示すビラや、賃上げの気運を高めるポスターを配付して、すべての労働者の賃金改善と良質な雇用の確保で、国民本位の景気回復を訴えます。

 
2、大幅な賃金改善をかちとるためには
  政府交渉、所属長交渉を強化し、当局責任を追及
 
 8月の人事院勧告は、2年連続の改善勧告で俸給表を引き上げたものの、現給保障のしくみに吸収されたことから、結果的に大半の原資が地域手当に配分されました。そのため、若年層を除く、多くの職員が現行支給額のまま放置され、賃金の地域間格差の拡大を推進する結果となりました。
 実質的な賃上げにつながらない低額勧告を打ち破り、16春闘では、官民共同のたたかいのなかで、大幅賃上げを勝ちとっていく必要があります。
 国公労連は、国家公務員の賃金を平均2万円以上引き上げることを求めて、使用者である政府との交渉を強化します。
 職場では所属長交渉にとりくみ、賃上げ要求の上申をめざします。
 当局を「その気」にさせるためにも、職場集会でしっかりと意思統一し、切実な要求の実現を具体的に追及することが大切です。

 
3、非常勤職員制度の抜本改善のためには
  「労働条件改善署名」にとりくむ
 
 今年の人事院勧告は、非常勤職員に関連する要求について、ゼロ回答という不当な対応でした。そのため新年度にむけて、非常勤職員の均等待遇など労働条件改善と常勤化の実現などの雇用の安定をめざして政府への追及を強化するとともに、概算要求期にかけて「非常勤職員の労働条件改善を求める署名」にとりくみます。
 また、非常勤職員の労働条件や雇用だけではなく、権利確立や社会環境の整備も含めた国家公務員の非常勤職員制度の抜本改善にむけて、情勢をふまえた新たな要求書を策定します。また、7月に非常勤交流集会を開き、新たな要求の確立と政府・人事院との交渉を強化します。

 
4、「戦争法」発動と改憲を許さないためには
  「ふたたび戦争の奉仕者にならない」を合言葉に奮闘
 
 「まもろう憲法・国公大運動」が各地でとりくまれています。
 憲法違反の戦争法の廃止を求めるため、総がかり行動実行委員会が提起している「戦争法の廃止を求める署名(2000万署名)」のとりくみを16春闘ですすめ、戦争法廃止に向けて「国公大運動」として奮闘します。また、政府が強引に推進している沖縄新基地建設に反対し、沖縄県民と連帯し、共同のとりくみをひろげます。
 憲法尊重擁護の義務を担う公務員として、憲法をまもる運動の重要性を職場から学習するために職場討議資料「憲法VS戦争」や「10分間DVD」を作成・配付します。
 「ふたたび戦争の奉仕者にさせない」「ふたたび戦争の奉仕者にならない」を合言葉に、憲法改悪を阻止し、戦争する国づくりに反対するたたかいを中心に、憲法尊重擁護の義務を負う国公労働者としてたたかいます。

 
5、今年の「総対話MAP運動」については
  国の定員管理政策の転換を軸に
 
 今春闘では、引き続き「総対話MAP運動」を「まもろう憲法・国公大運動」の一環としてとりくみます。具体的には、憲法で保障された国民の権利を守る公務・公共サービスの拡充をめざすとともに、それを阻害する地方分権改革・道州制や国の定員削減方針に反対することを目的として、各自治体や労働組合、団体などとの懇談をすすめます。また、地域段階では、自治労連や全教などの公務産別との共同も追及します。
 今春闘の軸となる課題は、国の機関の体制を脆弱にしている、総定員法と定員削減計画という国の定員管理政策の抜本的な転換を求めることです。
 そのため、組合員の確信と幅広い国民の理解と支持を広げるために『総定員法に関する職場学習資料(仮称)』を作成しつつ、政府あての「国の定員管理に関する要求署名」をとりくみます。
 
 
6、労働法制改悪などにたいしては
  国民犠牲の施策を転換させる好機
 
 安倍政権は、財界の要望にもとづいて、労働法制の大改悪、消費税率再引き上げと法人税率引き下げ、社会保障大改悪、TPP参加、原発再稼働・輸出などの国民犠牲の施策を推進しています。
 政府は、TPP交渉について「大筋合意」したと主張していますが、実際は、アメリカの要求に対して、譲歩に譲歩を重ねて、大幅な関税の引き下げ・撤廃を受け入れたに過ぎません。これは、国内産業に深刻な打撃を与えることから、TPPの問題点を明らかにし、TPPからの撤退を求めることが重要です。
 労働法制の規制緩和は、企業や人材ビジネスに利益をもたらす一方で、労働者使い捨て自由の社会をつくり格差と貧困を拡大するものです。労働法制の改悪を阻止して、大企業優遇ではなく、中小企業の活性化に力をそそぎ、良質な雇用を確保するとともに、全国一律最低賃金制を確立して地域間の賃金格差を解消していくことで、すべての労働者の賃上げとそれによる景気回復が可能となります。
 安倍政権は、消費税率再引き上げにあわせて軽減税率を導入するとしていますが、「軽減」とは名ばかりで、10%引き上げを前提として、一部食料品などを現行の8%とするものです。政府は、この間増税分は社会保障の充実にあてるとしていますが、実際には、法人税減税や軍事費を拡大する一方で、社会保障改悪を推進しています。いま必要なのは、消費税増税を中止して、消費税に頼らない、応能負担の原則による民主的な税制の確立です。
 安倍政権は、犯罪の温床となるマイナンバー制度を推進しています。国公職場では、職員証とマイナンバーカードの一体化がねらわれており、当局に強制させない職場からのとりくみが必要です。
 今春闘では、国民犠牲の施策を阻止するため、一致する要求での労働者・国民の共同を発展させることが求められています。

 
7、労働条件にかかわる課題については
  年金との確実な接続方策求める
 
 政府は、年金支給開始年齢が62歳に引き上げられる来年4月までに雇用と年金の接続の方針を示すとしていましたが、結局これまでの再任用で対応することを12月4日の閣議で確認しました。
 人事院によると、来年度再任用を希望している職員のうちフルタイムは27%で、行(一)では、わずか17%です。しかも再任用者の大半が2級・3級という低い格付けです。
 これは、厳しい定員管理と定数不足によるものであり、国公労連は、政府に対して、引き続き、定年延長を中心とした雇用と年金の接続を求めるとともに、定員管理の柔軟な運用や再任用職員の処遇改善など、希望者全員が能力と経験を活かすことのできる制度の確立を求めていきます。

 
8、公務の「働き方改革」への対応は
  実効ある超過勤務縮減を求める
 
 政府は、人事院が勧告した「新たなフレックスタイム制」を勧告通りに実施することを決めました。この制度は、出退勤時間を労働者が自由に設定できる民間の制度とはまったく異なるもので、労働強化につながりかねないものです。したがって、政府に対して、実効ある超過勤務の縮減と制度の濫用防止を求めるなど、職場実態を踏まえた運用をめざします。
 「ゆう活」と称した「朝型勤務」については、職場では大変不評でした。しかし政府は、この「ゆう活」を来年も実施するとしています。そのため、国公労連独自の「ゆう活に関する実態アンケート」の結果や職場意見を踏まえて、一方的な実施に反対します。
 真の「働き方改革」は、最大の要因である定員削減方針を撤回して、必要な体制を確保するとともに、実効ある超過勤務縮減策を講じることです。

 
9、配偶者にかかる扶養手当の見直しには
  引き下げありきの検討に反対
 
 政府は、女性の活躍推進のために、それを抑制しているとして配偶者手当の見直し検討を進めています。
 政府は、民間分野については厚生労働省が「女性の活躍推進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会」を12月15日に立ち上げ、公務については人事院に検討を要請し、人事院は11月9日に「扶養手当の在り方に関する勉強会」を発足させました。
 扶養手当は、生活給として長年定着した手当であり、女性の就労を抑制しているとの指摘も的外れです。手当は、重要な労働条件であり、合理的な理由がないままの不利益変更は認められません。政府の検討の動向に注目するとともに、手当の必要性を訴え、引き下げありきの検討に反対していきます。

 
10、「賃下げ違憲訴訟」「社保不当解雇撤回訴訟」勝利にむけては
   証人採用と公正判決要請署名を強化
 
 「賃下げ違憲訴訟」の控訴審は、第3回口頭弁論が2月15日に開かれます。ここでは、証人申請の採否決定と、その結果によっては、結審となる可能性もあります。
 そのため現在とりくんでいる「すべての証人採用を求める要請はがき」のとりくみと「公正な判決を求める要請署名」のとりくみを推進します。
 「社保庁不当解雇撤回訴訟」は、大阪高裁と5つ地裁の裁判闘争への支援を強化するとともに、ILOへの追加情報を早期に提出します。
 

 
 
■社保庁不当解雇の実態訴え
  ILO本部に要請
 
 国公労連は、スイス・ジュネーブのILO(国際労働機関)本部に要請団を派遣し、社会保険庁職員の分限免職(解雇)撤回を求める事案と、公務員の労働基本権回復をめざす事案について、日本政府に対する働きかけを要請しました。
 要請は、11月16日と17日の2日間で、労働者活動局及び国際労働基準局に対して行いました。国際労働基準局では、鎌田書記長から、6月の追加情報の提供以降の日本政府の動向として、「フレックスタイム制」の導入や「ゆう活」の実施などの労働時間の弾力化を労働組合の反対を押しきり強行していることなどを訴え、日本政府に対する働きかけを求めました。
 また、解雇撤回へ裁判闘争でたたかっている全厚生の川口原告からは、11月12日に出された社保庁事案に関するILO勧告へのお礼とともに、京都事案裁判の状況報告や、政府が行った不当な解雇の実態を訴え、今後のとりくみへの助言を求めました。
 これらの要請に対し、国際労働基準局のカレン・カーティス部長(結社の自由担当)からは、労働基本権回復の事案については、5月の委員会で日本政府への対応を検討する考えがあること、社保庁事案については、裁判の進捗にかかわらず、政府が行った組合差別の事実を中心に多くの追加情報の提出を求めたいなどの説明がありました。
 大きな前進とはならずとも、確かな手ごたえが感じられた要請行動となりました。
 
【宜野湾市長選挙】
辺野古新基地は許さない
志村恵一郎さんを支援
 
 国公労連は、12月1日の第9回中央執行委員会において、沖縄県国公の要請にもとづき、在日米軍海兵隊普天間飛行場(普天間基地)をかかえる宜野湾市の市長選挙(1月17日告示、1月24日投票)において、志村恵一郎氏(無所属、元沖縄県職員)の支援を決定しました。
 志村氏は「辺野古新基地は許さない。普天間基地の即時閉鎖返還を求めていく」と訴えています。
 前回2012年の市長選挙では、普天間基地の国外移転を訴えた伊波洋一氏(共産・社民・沖縄社会大衆党推薦)が、普天間基地の辺野古移転を容認する佐喜眞淳氏(自民・公明推薦)に900票差で惜敗しました。
 しかしこの間、沖縄では「もう基地はいらない」との県民世論をうけて、2014年1月名護市長選挙、2014年11月沖縄県知事選挙、2014年12月衆議院選挙(4小選挙区)で、普天間基地撤去、辺野古新基地建設反対を訴える候補者が勝利してきました。
 今回の宜野湾市長選挙は、安倍内閣による新基地建設強行を許さない民意を示す格好の機会です。
 宜野湾市在住の友人・知人に支持を訴えるなど、全国からの支援・激励・カンパを呼びかけます。
 
 
 
■2016年国公労連統一要求案
 月額平均2万円以上引き上げ
 
 国公労連「2016年春闘要求・組織アンケート」では、生活実感で全体の6割以上が「苦しい」と回答しており、依然厳しい生活実態が示されています。同時に物価上昇が続く中でも、特例賃下げ措置が終了し1年以上が経過したことや、昨年の月例給・一時金の引上げなどを背景に若干の改善傾向も見られます。
 要求アンケート(図表1、図表2)では、加重平均で約2万2千円、中位数で約1万5千円、3分の2ラインで約1万1千円を求め、昨年をやや下回っています。
 全労連・国民春闘共闘が、賃上げ「月額2万円以上、時間額150円以上」をはじめとした要求をかかげ、すべての労働者の賃金底上げをめざす構えのもとで、16春闘の要求額は、①半数以上の仲間が2万円以上、8割以上が1万円以上を要求していること②「給与制度の総合的見直し」を乗り越えるため、少なくとも2%以上の賃金底上げが必要なこと③これらを実現する上で、公務・民間、正規・非正規、すべての労働者の賃金改善をめざす国民春闘の構築が不可欠であること――などから、春闘共闘の統一要求に積極的に結集して、「月額2万円(4・9%)以上、時間額150円以上」とします。また、初任給は、春闘共闘の最低賃金引き上げ要求を受け止め、行(一)一般職高卒(1級5号俸)で17万円等とします。
 なお、非常勤職員の賃金要求は、「時給150円以上引き上げ」「公務の職場で働く労働者の最低賃金を時給1000円以上」とします。 


2016国民春闘の主な行動展開