国公労新聞2015年10月25日号(第1449号)

【データ・資料:国公労新聞】2015-10-30
■控訴審第2回口頭弁論 公務員賃下げ違憲訴訟
 次回は来年2月15日
 
□すべての証人採用求め、とりくみ強めよう
 国公労連と組合員359人が2014年11月13日に東京高等裁判所に控訴した「公務員賃下げ違憲訴訟」の第2回口頭弁論が、10月14日東京高裁で開かれました。国公労連は傍聴席を満席にして口頭弁論に臨むとともに、東京高裁前要求行動と報告集会を展開しました。
 
□佐渡島・野本両弁護士が意見陳述
 10時30分から開かれた第2回口頭弁論では、準備書面を提出するとともに、佐渡島・野本両弁護士が証人採用を求めて意見陳述しました。
 佐渡島弁護士は、証人として申請している梅原英治大阪経済大学教授、また、野本弁護士は片山元総務大臣の証人採用の必要性について、それぞれ強調しました。
 佐渡島弁護士は、国家公務員の給与減額の必要性があったか否かが重要な論点となっており、一審判決は、公債発行残高が700兆円前後であることや公債依存度が50%前後であることを理由に、国の財政事情が悪化していると評価しているが、我が国の財政事情は公務員の賃下げが必要なほどには悪化しておらず、そのことを詳しく論証するためには、梅原証人の尋問が必要であることを主張しました。
 また、野本弁護士は、片山元総務大臣について、国会審議の中で「労働基本権の回復の問題は避けて通れない問題だ」と発言していること、一審における証人尋問で平山元人事・恩給局次長が、「人事院勧告尊重を前提に賃下げを検討していた」と証言していることが、食い違っていること等を指摘して、片山元総務大臣の尋問が必要であることを強く主張しました。
 その後、浜秀樹裁判長は、政府側に対して、反論書の提出を求め、第3回口頭弁論を来年の2月15日に開くことを確認し、閉廷となりました。証人の採否は、次回に持ち越されました。
 
□職場・地域で運動を
 弁論集会後の報告集会で、あいさつに立った国公労連の岡部委員長は「第3回口頭弁論に向け、さらに運動を強めなければいけない。政府は『1億総活躍社会』を打ち上げ、マイナンバー制度を国家公務員に強制する状況のなか、一人ひとりの組合員が考え行動することが求められている。いまこそ、私たちの権利と生活を守るため、春闘から夏に向け、職場・地域から運動を強化していこう」と呼びかけました。
 続いて、加藤弁護士が「賃下げ違憲訴訟は憲法論であり、控訴審では地裁判決の誤りや論理矛盾を明らかにしていく。政府の間違った政策を検証して審理を尽くすことは、労使関係にも大きな影響を与えることになる。『労働者は黙っていない』姿勢を鮮明にし、公正な審理が尽くされるよう全力をあげよう」と述べました。
 続いて、国公労連の鎌田書記長が4点(上記)を行動提起しました。
 そして、「道理は我々にある。『守ろう憲法・国公大運動』と一体で、権利を守る裁判闘争に全力をあげよう」と呼びかけました。
 
□1万3582人分の要請書を提出
 「すべての証人の採用を求める要請書」は、10月13日までに他団体も含め1万3582人分を東京高裁に提出しました。
 引き続き「すべての証人の採用を求める要請書」と「公正な判決を求める署名」の集約に全力をあげましょう。
 
 
■カード取得の強制するな
 マイナンバー制度で申し入れ   
 
 10月1日からマイナンバー制度が施行されました。この制度は、国民一人ひとりの社会保障の利用状況や保険料・税の納付状況等を国が一体で把握する仕組みであり、国民の中では、プライバシー侵害や、個人情報不正利用被害への不安、国による国民監視への懸念などが広がっています。
 公務の職場では、世界最先端IT国家創造宣言(今年6月30日閣議決定)において、国家公務員身分証などカード類の一体化・一元化が一方的に決定され、来年4月以降、府省毎に順次、個人番号カードを利用した職員証の導入が進められようとしています。
 政府は、閣議決定をうけて、各府省に内部規定等を制定させることで、これを強制しようとしています。これが実施されれば、勤務日は個人番号カードの携帯を余儀なくされ、紛失などのリスクが高まるうえ、個人が重い管理責任を背負うこととなり、職場内外での職員の負担増は必至であり認められません。
 そもそも、法律上、個人番号カード取得はあくまで任意です。強制することは権利侵害であり、決してあってはなりません。国家公務員を皮切りに、個人番号カードの取得促進を図ろうとする政府のねらいがあからさまです。
 国公労連では、10月15日に政府・内閣官房交渉を配置し、導入中止を基本に追及しましたが、政府側は閣議決定を楯に応じていません。また、閣議決定に沿って各府省が責任を持って推進するとした回答に終始しましたが、職場の理解のもとで進める必要性や、各府省の実状に沿った導入計画策定などに一定の理解を示しています。
 今後、少なくとも、個人番号カードの取得を強制させないよう、各府省当局への追及が重要となっています。
 
 
■食料主権を売り渡すTPP合意を強行
 
 日本、アメリカをはじめ環太平洋連携協定(TPP)に参加する12か国は10月5日、交渉が「大筋合意」したと発表しました。
 牛・豚肉、乳製品にかかる関税の廃止や大幅削減、コメの輸入枠拡大などで日本の農家は大打撃をうけ、外国から輸入農産物が大量に日本に入り、国民が求めている食の安全が脅かされることになります。
 自国の食料は自国でまかない、食料・農業政策は自主的に決定するという「食料主権」にかかわることから、国公労連も「全国食健連」などに結集して、TPP交渉からの撤退を求めてきました。日本最大の農業団体JAをはじめ、反対運動は全国的にひろがるもと、13年に日本が参加したTPP交渉は、何度も行き詰まりました。
 こうした運動の力が自民党に「TPPへの交渉参加に反対」と公約させ、国会でも重要農産物の「聖域の確保を最優先」との決議が全会一致で採択されています。それなのに、国民との約束を投げ捨て、アメリカの要求に応えて、安倍政権が「大筋合意」したことは許せません。
 
□公務分野の市場開放もねらわれる
 重大なことは、TPPが農産物にとどまらず、政府調達や知的財産、労働、医療・保険など幅広い分野で新たなルールをつくり、サービスや投資の自由化をすすめる点です。たとえば、安い医療や労働力が海外から入ってくることが考えられ、日本の労働者の雇用不安や労働条件悪化につながります。
 公務・公共分野では、TPPと同じ性格を持つ新サービス貿易協定(TiSA)の交渉が2年前から始まっています。TiSA交渉では、教育、医療、水道などの公共サービスの自由化が議論されており、公務労働者に直接かかわってきます。
 「市場開放」や「自由化」の名のもとに、本来、国が責任を持つべき国民の安全・安心が失われることは認められません。TPP交渉でも暴走をつづける安倍政権に対して、「国民の命と暮らしを守れ」の声を集中していく必要があります。
 
 
■職場に戻せ人生をかえせ
 社保庁不当解雇撤回裁判
 
□北海道事案 第18回弁論 原告の高嶋さんらが証言
 9月8日、社保庁不当解雇撤回裁判(北海道事案)の第18回口頭弁論があり、当時面接官だった細谷氏と原告・髙嶋さんの尋問が行われました。
 細谷氏の尋問では、人事院審理の時には覚えていなかったことを思い出して答えることもあり、それは尋問前にもう一人の面接官だった前田氏と会ったと証言していたことから、要するに「口裏を合わせた」ということが明らかになりました。
 髙嶋さんの尋問では、被告(国)側から、髙嶋さんが当時取り扱っていた船員保険のことを全然理解しておらず、訳の分からない質問を行って傍聴席が呆れ返る場面もありました。最後に、髙嶋さんから「職場復帰して趣味のトランペットを思い切り吹きたい」という切実な思いが述べられました。
 第19回口頭弁論は10月27日に聞かれます。
 
 
■10~12月は秋の組織拡大月間です
 
□10月採用者に加入呼びかけ
【全労働】
 全労働では、10月1日に70人を超える新規採用者を迎えることから、第58回定期大会で100%加入をめざそうと意思統一し、全国各地で採用直後からのアタックが始まりました。
 加入の呼びかけは、役員だけではなく、同じ職場の先輩や同僚からも行われました。これにより、10月9日までに6支部から100%加入したとの報告が寄せられています。
 加入の呼びかけでは、青森支部(写真・右下)で、採用初日に支部役員が組合の説明。近畿(写真・上)では、参加者にお弁当を用意して、食べてもらいながらの組合説明会が行われました。
 引き続き、全員加入をめざし、全国の仲間が奮闘しています。それだけではなく、新しい仲間を激励し、交流を図る計画も進行中です。
 
□要求実現へ 仲間ふやそう
【全医労】
 全医労は、国立病院機構が今年4月から非公務員型独立行政法人への移行したことにより、ストライキ権が回復して労働基本権が完全保障されました。
 秋年末闘争の重点課題として、スト権の確立のための批准投票の成功がかかげています。初めてとりくむスト権の学習を、全国キャラバンで展開しています。
 「スト権を背景に団交で要求実現をかちとう」。要求実現の原動力は組合員の団結力であり、そのため仲間を増やしていくことが不可欠です。
 全医労は、10月、11月を「組織拡大・強化月間」として、月間の2カ月は全支部が2人ずつの拡大をめざしています。全国統一行動日である11月6日は「いい・いちにち行動」として組織拡大集中日と位置づけ、終日取り組みます。