政府は憲法違反の給与減額臨時特例法の即時廃止し、直ちに給与水準を回復すべき
――国家公務員の給与に関わる閣議決定にあたって(談話)

【私たちの主張:私たちの主張】2013-11-15
2013年11月15日
日本国家公務員労働組合連合会
書記長 鎌田 一

 
 政府は本日(15日)、本年8月の人事院報告にもとづいて今年度の給与改定は行わないことと、「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」(以下、臨時特例法)による給与減額措置について、期限が切れる来年3月末日をもって終了することなどを閣議と第3回給与関係閣僚会議で決定した。これにより政府は、実額比較による給与改定は実施せず、減額措置前の給与水準の回復を来年4月からとする方針を明らかにした。
 
 国公労連は、臨時特例法が国家公務員労働者の権利を踏みにじり、憲法と国際条約に反するものであることから一貫して反対して、政府に臨時特例法の即時廃止を求めてきた。また、賃下げ違憲訴訟とILO(結社の自由委員会)への提訴(追加情報の提供)を行うとともに、人事院に対して実額比較による給与改善・回復勧告を強く求めてたたかってきた。そして、当該措置の必要性について合理的な説明もなく、公務員はもとより民間労働者の賃金にも広く影響することなどから、その不当性を世論に訴え続けてきた。
 
 しかし、この間政府は臨時特例法の即時廃止の要求に応じないばかりか、2年間の時限立法であるにもかかわらず、来年4月以降について「国の財政状態、経済状況など諸事情を総合的に判断し、国・地方ともに給与削減について判断する」(6/13参議院総務委員会・新藤総務大臣)などと、給与削減の継続・延長の可能性に言及する不当な対応に終始してきた。
 
 賃下げ違憲訴訟で憲法違反であるとの指摘に対して、被告である国は「その措置が一時的なもの(2年間という限定された期限を設けた)で内容的にも合理性が認められる場合には、人事院勧告に基づかない措置を講じたとしてもそれが直ちに違憲となるものではない」と主張しており、仮に給与減額措置を継続・延長するとしたならば憲法違反を自認するに等しく、さらなる賃下げを検討する姿勢そのものが問われていた。
 
 また人事院が2年続けて実額比較を行いながら、それによる勧告を行わなかったことは、容認できるものではない。同時に人事院は、臨時特例法終了後について「民間準拠による給与水準が確保される必要がある」と内閣と国会に対して要請したが、政府は、さらなる賃下げの検討姿勢を改めようとしなかった。
 
 そして本日、政府が給与減額措置を今年度末で終了するという方針を決定したことは、臨時特例法に従うという意味で当然の判断である。しかし政府は、この間、さらなる賃下げの検討姿勢を崩さず、国の機関で日々奮闘している全国の国家公務員労働者に甚大な不安を与え続けてきた。私たちは、こうした政府の姿勢に厳しく抗議する。
 そして政府の給与減額措置は、理不尽かつ2年間もの長期間にわたって平均7.8%もの過酷な賃下げを強要したものであり、懸命に職場を支える国家公務員の生活を脅かし、権利を著しく侵害しているものである。したがって改めて政府に臨時特例法の即時廃止を強く求めるものである。
 
 今回の閣議決定では、総人件費抑制の観点から、①給与体系の抜本改革について2014年度中から実施に移せるよう人事院への要請、②定員の大幅純減と新たな定員合理化計画の策定、③地方公務員の給与水準の適正化、適正な定員管理の推進、給与体系の抜本改革などを盛り込んだ。
 
 人事院は、8月の報告で「給与制度の総合的見直し」を表明しており、「地域間の給与配分のあり方」「世代間の給与配分のあり方」などを課題としている。しかし使用者たる政府が、労働条件の不利益変更につながる措置の具体化を人事院に要請することは、労働基本権制約の下で、国家公務員の権利を侵害するものである。
 すでに給与構造改革(2006年)で地域間格差を大幅に拡大するとともに、高年齢層の給与水準を最大7%引き下げ、その後も給与水準をさらに抑制し続けている。国公労連は、これ以上の地域間格差の拡大と高年齢層職員の給与水準引き下げに反対する。そして公務の役割、職務・職責などを考慮した公正な給与水準を確保する観点から、一方的な改悪は許さない立場で政府・人事院への追及を強化する。
 
 また、数値目標のみによる定員削減は、公務職場に労働強化と健康破壊を押し付けるものであり、結果として国民の権利を保障する国の機関の機能低下を招きかねないものである。個々の国の機関の役割や需要など公務・公共サービスの必要性を無視した定員純減と新たな定員合理化計画の策定に反対するとともに、国の機関の運営に必要な増員を求める。
 
 国公労連は引き続き、賃下げ違憲訴訟の勝利、臨時特例法の即時廃止、国家公務員の職務に見合った公正な給与水準の確保、行政需要に見合った定員の確保等をめざして、職場・地域からとりくみを展開する。そして国公労働者の生活と権利を守り、民主的な行財政司法の確立をめざして国民諸階層との協力・共同を推進するものである。