年齢差別、働きがいを奪う高齢層職員の賃金抑制は許されない(談話)

【私たちの主張:私たちの主張】2013-06-18
2013年6月18日
国公労連書記長 岡部勘市

 6月17日、衆参あわせてわずか5時間の審議で55歳超職員の昇級を抑制することを内容とする「一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律」(以下、「給与法」)が成立した。
 「給与法」は、その内容はもとより提出に至る経過などにおいて重大な問題を含んでいる。
 
 50歳代のベテラン職員の多くは、連年の定員削減や新規採用抑制の一方で、相次ぐ新規業務の導入や行政需要が高まっている中、重い職責を担い、行政の第一線を支えて日々奮闘している。一方で、私生活においても教育費や住宅ローンなどの経済的負担を抱えていることをふまえれば、職務に報いるとともに安んじて公務に専念できる処遇が行われることは当然であり、年齢差別や職務給原則無視の賃金抑制を押しつけられる道理はない。
 加えて、勤務状況が「良好」であっても昇級を抑制することは、当該職員のモチベーションはもちろんのこと、若い世代の将来展望をも打ち砕くものであり、安定的に良質な行政サービスを提供するという観点からも問題がある。
 
 そもそも、「給与法」の根拠となった2012年人事院勧告について、民主党政権の下で「給与減額支給措置期間が終了する平成26年4月から実施する方向で、平成25年中に結論を得る」ことが閣議で決定された。にもかかわらず、1月になって突如勧告どおり実施することが一方的に閣議決定された。
 政権交代があったとはいえ、労使合意にもとづく到達点を一方的に覆すものであるとともに、国家公務員労働者の労働基本権を制約しておきながら、時の政権の都合で弄ぶものに他ならず、到底認める訳にはいかない。
 
 また、「給与法」をめぐる国会審議では、日本共産党、社民党を除き、総人件費削減の観点で議論が行われた。とりわけ、ハンセン病療養所にかかわって「この24年間で入所者は3分の1に減ったが、職員数は変わらない。もっと定員を減らすべき」などという乱暴な議論が行われたが、厳しい公務職場の実態を利用者の願いを無視したものに他ならない。公務員人件費の削減を進めるために事実をねじ曲げることは、国民の権利を切り捨てるための隠れ蓑であり、国会議員や政党としてあるまじき姿勢だといわざるを得ない。
 
 景気回復・デフレ脱却が喫緊の課題となる中、最低賃金の大幅引き上げや、官民を問わない賃上げ、安定した雇用を実現することが必要となっていることは明らかである。
 国公労連は、引き続き国民のくらしと権利を破壊する「行政改革」と対決するとともに、すべての労働者が安心して働き生活するための労働条件改善、社会の実現に向けて引き続き奮闘する。