旧社保庁職員の分限免職処分撤回の政治決断を求める
――2回目の人事院判定を踏まえて(談話)

【私たちの主張:私たちの主張】2013-06-11
2013年6月11日
日本国家公務員労働組合連合会
社保庁不当解雇撤回闘争本部
事務局長  川村 好伸
 
 人事院は6月10日、旧社会保険庁職員の分限免職処分取消請求事案について5月31日付けで2回目の判定を行った。今回、北海道2名、秋田3名、業務センター2名の全厚生組合員の判定では、釧路社会保険事務所事案の越後敏昭さんと秋田社会保険事務室事案の保坂一寿さんの処分を取り消す一方、他の5名については処分を承認した。
 また、厚生労働省は、全厚生組合員以外に9人の判定が交付され、うち3人が処分取消となったことを明らかにしている。
 
 大阪の大島さんに続く越後さんと保坂さんを含め、全体では20人中3割にのぼる6人の処分が取り消されたことは、旧社保庁と厚生労働省による今回の分限免職処分の違法性、不当性をいっそう明らかにしたものである。政府と厚生労働省に対しては、人事院による処分取消の断罪を重く受けとめ、すべての分限免職処分を撤回し、当事者の身分と権利を直ちに回復するよう強く求めるものである。
 同時に、私たちは、人事院に対して1回目の判定の問題点を指摘し、あらためて全員の処分を取り消す判定を求めてきた。私たちの道理ある主張を受けいれることなく、厚労省への配転面接の評価結果のみを基準にして処分を承認したことは断じて認められず、断固抗議するものである。
 
 人事院は、厚生労働省が相当数の新規採用をおこなっていること、他府省の受入が9人にとどまっていること、残務処理の113人の暫定定員を活用しなかったこと、回避努力のとりくみ開始が遅かったことなどを指摘し、社保庁と厚労省の解雇回避努力の不十分さを認定したものの、省庁間配転など政府の責任は不問にしている。とくに、「分限免職回避のとりくみの方法には裁量」があり、雇用調整本部による他省庁配転以外の方法を採ったことについて「平等取扱原則違反とはならない」と断じているが、雇用調整本部のもとで厚生労働省は2010年4月1日に20人もの農水省職員を受け入れており、これほど明白な不平等、差別的取り扱いは前代未聞である。分限免職回避の政府の責任を不問にすることは絶対に許されない。
 判定では、定員事情などを口実に厚生労働省の配転受入枠の拡大を著しく狭め、そのもとでの救済者の選定をわずか10分程度の配転面接の評価結果のみに求めている。しかし、審理で明らかになったこの評価結果は、国家公務員法が規定する能力主義の原則及び人事評価にもとづく評価を適用することなく、面接官の主観や恣意的な判断によって行われたものである。国家公務員法にも違反した今回の転任手続きで、個人の一生を左右する分限免職処分を強行した厚生労働省の行為は断じて認められない。
 
 人事院は、分限免職回避努力が不十分なままの処分は裁量権の濫用としているが、この点は今回分限免職された525人のすべてに妥当するものであり、残る全厚生組合員28人を含むすべての請求者の分限免職処分を早急に取り消すよう求める。
 また、年金記録の未解決が2200万件も残っている中、年金記録問題の早期解決をはじめ日本年金機構の業務を確立するためにも、「懲戒処分歴のある職員は年金機構に採用しない」との閣議決定を直ちに撤回し、本人の希望にもとづいて経験ある職員を年金業務に活かすことを求める。
 
 国公労連は、国によるずさんな分限免職処分(整理解雇)の実態を広く社会に明らかにし、請求者全員の分限免職処分の取り消しと不当解雇の撤回を求めるとともに、労働者に対する乱暴な解雇や「解雇自由化」の流れをストップさせるため引き続き奮闘するものである。