「国公法弾圧2事件」の最高裁判決にあたって(談話)

【私たちの主張:私たちの主張】2012-12-07
2012年12月7日
国公労連書記長 岡部勘市

 本日、最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)は、「国公法弾圧堀越事件」と「世田谷国公法弾圧事件」について、それぞれ上告を棄却する判決を行った。
 この2事件は、いずれも休日に職場から離れた住宅街で政党のビラを配布した事が国家公務員法違反だとして逮捕・起訴されたものであるが、堀越明男氏は無罪、宇治橋眞一氏は有罪(罰金10万円)が確定した。

 国公労連は事件発生以来、国家公務員の権利問題にとどまらず、憲法で保障された言論表現の自由を侵害する重大な問題として位置づけ、無罪をかちとるべくとりくんできた。
 また、2010年に諸団体とともに結成した「国公法弾圧2事件の勝利をめざし、公務員の政治的・市民的自由を勝ち取る共闘会議」に結集し、2事件を大法廷に回付して憲法判断を行い、1974年の猿払判決を見直すことを求めてきた。

 しかし、最高裁は口頭弁論を開くことなく、東京高裁の相反する判決を追認したことは「憲法の番人」たる責務を放棄し、司法に対する信頼を裏切るものと言わざるを得ない。
 判決理由は、国家公務員法第102条と人事院規則14-7を合憲としつつ、「職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められるかどうか」だとしている。合憲との判断は認められないが、堀越氏の無罪は当然のことである。一方、宇治橋氏が課長補佐として一定の職務権限があったことをもって有罪としたことは到底納得できない。

 昨今、大阪市における「職員条例」の制定や地方公務員法改正法案が国会に提出されるなど、国公法に準じた公務員の政治活動に対する規制が強まり、自民党の憲法草案では公務員の権利制限が明記されている。刑罰をもって公務員の政治活動を禁止しているのは日本だけであり、国連の規約人権委員会もこうした制限に対して懸念を表明し、撤廃を日本政府に求めている。

 国公労連は、「全体の奉仕者」として国民本位の行政を遂行するためにも、公務員労働者の基本的人権が保障されなければならないと考える。今回の判決を跳躍台に、憲法とILO基準に沿った労働基本権の回復と市民的政治的自由の確立をめざし、いっそう運動を強化するものである。