公務の運営を妨げ、生活を直撃する宿舎削減計画を中止せよ
――一方的な宿舎使用料値上げと宿舎廃止に抗議する(談話)

【私たちの主張:私たちの主張】2012-11-26
2012年11月26日
国公労連書記長 岡部勘市

 本日、政府・財務省は、昨年12月にとりまとめた「国家公務員宿舎の削減計画」(以下、「削減計画」)の具体化として、約4万戸にのぼる廃止の追加と、2014年4月から平均で約1.8倍となる宿舎使用料の値上げを公表した。
 
 国家公務員宿舎法第1条にもあるとおり、国家公務員宿舎は「国家公務員等の職務の能率的な遂行を確保し、もつて国等の事務及び事業の円滑な運営に資する」ことを目的としており、人事異動に伴う転居が避けられない国家公務員にとって、住宅の確保は必要不可欠である。
 しかし、2011年の行政刷新会議「事業仕分け」や、朝霞住宅の事業再開に対する反響をきっかけに設置された国家公務員宿舎の削減のあり方についての検討会では、公務運営における宿舎の必要性についてもまともな議論は行われないばかりか、重要な労働条件であるにもかかわらず労働組合の意見反映も行われないまま、もっぱら民間賃貸住宅との比較や福利厚生的な面に対する国民の批判が強調され、「削減計画」が一方的に決定された。
 
 政府・財務省は、国家公務員宿舎の使用料が「民間社宅と同水準となっている」ことを認めつつも「厳しい財政事情を踏まえ、歳出におおむね見合う歳入を使用料収入で得る」として引き上げを行うとしている。しかし、そもそも国と民間企業を同列視したり、民間賃貸住宅と比較すること自体が誤りと言わなければならない。公務の要請で転居を伴う人事異動を余儀なくされ、宿舎退去時の原状回復費用も全額入居者負担であり相当額にのぼることなどに鑑みれば、到底納得できるものではない。
 
 また、「公務のために真に必要な宿舎に限定し、福利厚生目的のものは認めない」ことを口実にした約4万戸の宿舎削減によって、宿舎への入居が義務付けられている場合でもミスマッチの発生によりその目的とかけ離れることや、民間賃貸住宅への入居を余儀なくされるケースも考えられる。給与法では住宅手当の上限が27,000円と定められているが、家賃相場の高い地域においては決して十分とはいえない額であり、改善が求められている。
 
 東日本大震災をはじめとした各地で発生している自然災害への対応や、国民生活の安全・安心を守るための行政を円滑に進めること、そしてそれらに携わる国家公務員が安んじて職務に専念できる条件を整えることは政府・使用者としての重大な使命である。
 国民への負担増押しつけの露払いに「身を切る改革」と称して、今年4月から憲法違反の「給与改定・臨時特例法」により4.77~9.77%の賃金削減が行われ、11月16日には官民較差のみを根拠にした402.6万円という退職手当の大幅削減法の成立が強行されている。そうしたなかでの宿舎料大幅値上げは、国家公務員労働者の生活と生涯設計に大きな打撃を与える。
 国公労連は、国家公務員労働者の働きがいと生活、憲法で保障された国民の権利を守るために「公務員総人件費2割削減」撤回をはじめ「小さな政府づくり」阻止に向け、全国で奮闘するものである。