国民のくらしと権利を守る責任放棄は許さない 
――「国の出先機関の事務・権限のブロック単位での移譲」の閣議決定にあたって(声明)

【私たちの主張:私たちの主張】2012-11-16
2012年11月16日
国公労連 中央闘争委員会

 政府は11月15日、国の出先機関の事務等をブロック単位で特定広域連合等へ移譲する基本理念などを定める「国の特定地方行政機関の事務等の移譲に関する法案」を閣議決定した。全国市長会や全国町村会、「地方を守る会」などが、国の出先機関廃止を拙速に進めることなく基礎自治体の意見を踏まえた検討を求めているにもかかわらず、十分な議論と協議を尽くさずに国会解散に紛れて閣議決定したことは、総選挙にむけた無責任なアリバイづくりであり断じて許されるものではない。
 
 政府は、「地域主権改革」の名のもとに、国が責任を持つべき医療、介護、福祉、保育、教育などの生存権保障の最低基準を地方に委ねる「『義務付け・枠付け』の見直し」とともに、「国の出先機関の原則廃止」を進めようとしている。これは、国民の基本的人権保障にかかる国の責任を曖昧にする重大な問題であり、政府が当事者である国公労連との交渉・協議を行うことなく閣議決定を強行したことに断固抗議するものである。
 
 国の事務・事業を担う出先機関を「丸ごと」地方に移譲するための受け皿である特定広域連合は、看板の付け替えにとどまらず、国と都道府県・政令市との間に新たな行政機構を設ける四重構造となるもので、手続面などでムダが生じることは想像に難くない。また、構成団体の利害が一致しない場合の調整機能が担保されるとは考え難く、出先機関と本省が一体となって国家的見地から広域的に利害を調整している現状と比べ、サービス提供の偏りなど国民・住民への不利益の発生も懸念される。
 
 いま進められている「地域主権改革」は、地域に構造改革の執行責任を委ね、国によってある程度絞られた財源のなかで、地域の自己責任で「構造改革」を遂行させ、医療や介護、福祉、保育、教育の切り捨てを行わせようとするものである。国の出先機関の廃止は、国民のくらしと雇用を悪化させ、貧困と格差を拡大し、さらなる地域の疲弊を招くものに他ならない。さらに、多くの政党が掲げる「道州制」の導入では、自治体のさらなる広域再編により身近な住民サービスが切り捨てられることが懸念される。
 
 東日本大震災や台風などによる風水害のもとでの国家公務員の奮闘と出先機関の役割発揮が、公務・公共サービスの重要性や「構造改革」路線の問題点を明らかにし、「地方を守る会」などの出先機関廃止反対につながっている。大規模な自然災害の発生が避けられないなか、国民のいのちを守り、くらしの安心と安全を確保する国の責任と役割を発揮するためにも、出先機関の体制と機能を拡充し、地方公共団体との協力関係を強化することが求められる。
 
 国公労連は、その実現のために必要な公務・公共サービスの拡充と国民本位の民主的な行財政・司法を確立するために力を尽くし、生存権など国民の基本的人権の後退を許さないために広範な労働組合、国民と共同して奮闘するものである。